「登録販売者の資格は活かせる?」
「登録販売者の資格難易度は高め?」
登録販売者資格を取得すると、全国のドラッグストアや小売業界などで医薬品販売を行うことができます。落ち着いた職場で働きたい人から注目度の高い資格です。
登録販売者資格試験は、しっかりと学習すれば合格できる難易度といわれています。興味を持ったら、ぜひチャレンジしてみてください。
この記事では、はじめて登録販売者資格の学習を始める人に役立つ情報をお届けしています。難易度や問題傾向を解説するとともに、他の医療・美容系資格も紹介しています。
登録販売者と他資格をW取得すれば、さらに将来性は広がります。ぜひ、あわせて検討してみてください。
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登録販売者の難易度は?類似資格の中では取得しやすい
登録販売者試験の難易度は、類似の資格に比べると易しいといわれています。合格率などを詳しく解説します。
登録販売者の合格率は?全国平均約40~50%
登録販売者試験の合格率は、全国平均すると40%~50%で推移しています。
直近3年間の全国平均合格率は次のとおりです。
・令和2年度合格者データ
受験者 52,959人/合格者 21,953人/合格率 41.5%
・令和元年度合格者データ
受験者 65,288人/合格者 28,328人/合格率 43.4%
・平成30年度合格者データ
受験者 65,500人/合格者 27,022人/合格率 41.3%
登録販売者の合格点・合格ラインは?正答率70パーセント以上!
登録販売者試験の合格基準は次のとおりです。
- 合格点 84点/120点満点
- 合格ライン 70%以上
- 5項目それぞれ35%以上の得点
- 都道府県の基準を満たしている
上記すべてを満たすと合格となります。都道府県により基準が若干異なる場合があるので、余裕をもって合格できるよう対策をしたい試験です。
登録販売者試験の合格ラインは、総合70%かつ、5項目それぞれの得点が35%を超えていることです。試験を構成する5項目は、次のとおりです。
- 医薬品に共通する特性と基本的な知識(20問40分)
- 人体の働きと医薬品(20問40分)
- 主な医薬品とその作用(40問80分)
- 薬事関係法規、制度(20問40分)
- 医薬品の適正使用、安全対策(20問40分)
合計120問、試験時間は240分です。知識ゼロからチャレンジする人にとっては、聞きなれない用語に慣れることがスタートラインです。学習計画をしっかり立てる必要があります。
登録販売者は都道府県によって難易度や合格率が異なる
登録販売者試験は、都道府県が実施しているため合格率は都道府県ごとに公表されています。令和3年度における都道府県ごとの試験結果データの一部を抜粋します。
試験地 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
東京 | 4,888人 | 2,112人 | 43.2% |
北海道 | 2,236人 | 948人 | 42.4% |
秋田(全国最低合格率) | 560人 | 183人 | 32.7% |
山口(全国最高合格率) | 666人 | 458人 | 68.8% |
福岡 | 2,891人 | 1,405人 | 48.6% |
都道府県ごとに、合格率にばらつきがあることがわかります。登録販売者試験は、日程の異なる試験会場なら、複数ヵ所で受験することが可能です。
登録販売者の資格はぶっちゃけどう?簡単すぎ?
登録販売者資格は、独学でも合格可能性がある試験の1つです。学習計画では、約400時間程度の学習時間の確保が必要です。
登録販売者試験に、受験条件はありません。実務経験や学歴を問わず、だれでもチャレンジできる資格です。ですが、出題される問題はすべて医薬に関連するので、基礎から学習する必要があります。登録販売者試験の出題内容は、専門的ゆえに決して易しい試験とはいえません。
学習計画をしっかりと組んで、インプットとアウトプットを繰り返し知識の定着を図りましょう。学習にムラがあると、5項目それぞれの基準点を満たせない可能性があります。足きり点のある試験ゆえに、バランスの良い得点力が求められます。
なお、登録販売者試験についての詳細は「登録販売者に必要な勉強時間は?合格難易度や独学方法も解説 」をご覧ください。学習時間と難易度について詳しく解説しています。
登録販売者ができることは?第二類医薬品・第三類医薬品を販売できる!
では、登録販売者にできることを詳しくみてみましょう。
登録販売者とは、医薬品の販売業務をするための公的資格です。2009年の改正薬事法により、これまで薬剤師が行なっていた医薬品販売業務の一部を、登録販売者が行えることになりました。
医薬品の調剤業務を薬剤師が行い、販売業務を薬剤師と登録販売者で行うことで、薬剤師不足を解消する手段となっています。
登録販売者のメイン業務は、医薬品を販売することです。医薬品には、第一類医薬品・第二類医薬品・第三類医薬品が存在します。このうち、登録販売者は、第二類医薬品と第三類医薬品を販売することが可能です。
登録販売者は、医薬品販売だけではなく、副作用の説明や薬の選び方など、その場で医薬品を選ぶお客様のお手伝いもします。そのため、医薬品に関する幅広い知識が必要です。
登録販売者の役立て方!役に立たないと後悔しないよう事前にチェック
登録販売者資格の活かし方を、就労場所と将来性から解説します。
登録販売者資格が役に立つ場面は?薬局などで働く際に便利
登録販売者の主な活躍の場は、ドラッグストア・調剤薬局・スーパー薬品売り場・コンビニなどです。
スーパーやコンビニなど、身近な商業施設内にある薬品売り場は、高齢化の影響を受けて今後も増えていくとみられます。登録販売者が扱うことのできる第二類医薬品と第三類医薬品の多くは、このような場で販売されています。
お客様と話をしながら医薬品選びをサポートできるので、やりがいを感じられる職業です。お客様への医薬品アドバイスや販売の他、医薬品の在庫管理や売り場をつくっていくことも登録販売者の仕事です。不調を抱えた人が、すぐに薬を見つけやすい売り場レイアウトを考えることも大切な仕事です。
ドラッグストアで勤務する場合には、医薬品を販売するか否かにかかわらず、レジ作業や品出しをすることも少なくありません。社会人としてのルールや言葉遣いなども身につけておく必要があります。言葉遣いがしっかりしていると、医薬品アドバイスのときにも信頼度がアップします。
登録販売者の将来性は?2分の1ルールの影響は?
登録販売者の将来性は、2分の1ルールの影響は無関係と考えて大丈夫です。2分の1ルールについての解説とともに、登録販売者の今後の展望をみてみましょう。
ドラッグストア・スーパー・コンビニなどの小売り店における医薬品販売は、薬剤師または登録販売者が店舗にいる時間に限定されています。2021年以前は、登録販売者を店舗営業時間の2分の1以上の時間、配置しなければならないという「2分の1ルール」がありました。2021年からは、このルールが廃止されました。コンビニをはじめとする24時間営業の店舗が多いことから、ルールの撤廃が求められていたのが理由です。
つまり、営業時間やルールによって、登録販売者の活動場所が減ることはなく、むしろ活躍の場はさらに広がると期待できます。高齢化社会やスマート社会では、便利さが求められます。スーパーやコンビニで医薬品を購入できるという利便性は、すでに私たちの生活に浸透しています。今後も、販売場所が減少したり、登録販売者の存在意義が損なわれることはないでしょう。
登録販売者の資格は必要なくなる?必要性は今後もある!
今後、登録販売者資格の需要は、さらに高まると期待されます。近年では、病気になったら治すというよりも、病気にならないよう予防するといった考え方が浸透しつつあります。ひとりひとりが自分の健康に目を向けるようになり、買い物ついでに医薬品売り場に立ち寄ることも日常になってきているでしょう。
また、感染症の流行などの社会背景もあいまって、軽度の不調なら医療機関にいかずに様子をみたいという人も急増しています。医療機関にいくことによる感染症リスクが高いと判断すれば、ドラッグストアの医薬品を活用したいと考えるでしょう。
登録販売者の資格は、予防医療の時代にも大変マッチした資格なのです。薬剤師をすべての小売店に採用していたら、人件費もかかってしまいます。小売店舗としては、薬剤師ではなく登録販売者の需要が高いのが現状です。全国どこにでも、ドラッグストアやコンビニはあります。場所を問わず通用するスキルなので、ぜひ、チャレンジしてみてください。
登録販売者関連資格の難易度は?7つの資格でダブルライセンスを目指そう!
登録販売者とW取得すると、さらに役立つ資格を紹介します。ここでは、知識を強みにできる次の資格を紹介します。
- ビューティーアドバイザー
- 調剤薬局事務
- 薬膳コーディネーター
- 介護食コーディネーター
- 薬事法管理者
- コスメ検定
- 手書きPOP
なお、需要の安定している医療系事務資格については「医療系の稼げる資格おすすめ7選!専門学校に通わなくても取れる、受験資格がない資格を厳選紹介」をご覧ください。
次の資格を紹介しています。
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- メディカルクラーク
- 調剤薬局事務
- 介護事務
- 歯科助手
- 医療事務管理士技能認定試験
- 登録販売者など
①ビューティーアドバイザー
ビューティーアドバイザーは、美容部員とも呼ばれているコスメ販売のエキスパートです。基礎化粧品による肌のお手入れ方法やコスメの選び方、メイクアップのコツなど、その人に合った「美」をトータルプロデュースします。
ビューティーアドバイザーに役立つスキル習得をとおして、見た目の美しさだけではなく、肌の内側から美しくなるための知識を身につけられます。
登録販売者とW習得すれば、ホルモンやビタミンなど美容・健康に関する知識を活かしたアドバイスができます。
ビューティーアドバイザーとして活躍するために役立つスキルを学べる講座を紹介します。
スクール | 講座 | 受講料 |
キャリカレ | 美肌セラピスト資格取得講座【通信】 | 34,100円〜 |
ユーキャン | 佐伯式美肌スペシャリスト講座【通信】 | 35,000円〜 |
日本スキンケア協会 | スキンケアアドバイザー資格【通信】 | 40,480円〜 |
②調剤薬局事務
調剤薬局事務のメイン業務は、調剤薬局における調剤報酬明細書(レセプト)作成です。また、受付や会計、患者さんの保険情報のチェックなども行います。診療は病院で行い、薬の調剤は薬局で行う医薬分業化が今後も拡がっていきます。調剤薬局事務の需要は安定しているといえるでしょう。
調剤薬局内で販売されている第二類医薬品・第三類医薬品は、登録販売者としてアドバイスができます。W取得していれば、調剤薬局への転職では有利に働きます。
調剤薬局事務を扱う資格講座を紹介します。
③薬膳コーディネーター
薬膳コーディネーターは、中国伝統医薬学という知識を活かした働き方が可能です。中国伝統医薬学と漢方は、異なるものですが共通する部分もあります。中国伝統医薬学と漢方はどちらも「東洋医学」ということです。
薬膳コーディネーター資格をとおして中国伝統医学をもとにした「薬膳」を学ぶことができます。同じく東洋医学を起源とする漢方の知識に関連します。
登録販売者としての漢方に関する業務に奥行きがうまれるだけではなく、日常生活における健康管理にも役立てることができるでしょう。家族の食事づくりなどにも取り入れられるので、主婦・主夫からも人気の高い資格です。
薬膳コーディネーターを扱う資格講座を紹介します。類似資格もあわせて検討してみてください。
④介護食コーディネーター
介護食コーディネーターは、介護を必要とする高齢者などの食生活についてのエキスパートです。通常の食事をとることができない人でも、楽しく食生活を送るための方法を介護施設などで提案します。家庭にも活かせるスキルなので、高齢社会では注目度の高い資格です。
介護職コーディネーターの資格取得をとおして、栄養知識や食事介助など、介護食に関連する知識を幅広く身につけられます。登録販売者とW取得すれば、高齢者の栄養知識や介護の知識もあわせて、患者さんに寄り添ったアドバイスを提供できます。
今後、医薬品を購入しにくる人の高齢化は確実です。高齢者の食生活については、これからの医薬品販売の場で大いに役立つ知識となるでしょう。
介護食コーディネーターを扱う資格講座を紹介します。類似資格もあわせて検討してみてください。
介護現場や福祉施設で活かせる、食生活アドバイザー資格については「食生活アドバイザーの仕事って?仕事内容から資格の活かし方まで紹介!」をご覧ください。
⑤薬事法管理者
薬事法管理者資格とは、民間団体である薬事法有識者会議が認定するヘルスケアビジネス関連資格です。資格には2種類あり、薬事法管理者とコスメ薬事法管理者に分けられます。
健康食品・健康器具に関する法規については、薬事法管理者資格試験で出題されます。通販医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器に関する法規については、コスメ薬事法管理者資格試験で出題されます。
薬事法管理者資格は、健康食品・健康器具・化粧品・通販医薬品など、ヘルスケアや美容コスメなどのビジネスに必要な法律知識を習得している証明になります。たとえば「痩せる」「肌が白くなる」など、広告のキャッチコピーとしては魅力があるけれど、効能として誇大表示をしている場合などは薬機法違反となります。
登録販売者と薬事法管理者資格をW取得すれば、売り場づくりに役立ちます。販売を促したい商品には、ポップをつけたり棚装飾をすることがあるでしょう。その際、薬機法に違反しない適切な宣伝文を書くことが可能です。医薬品に携わるものとして、責任と誠意のある働き方を実現できます。
薬事法管理者試験対策は、試験運営団体が提供する講座を活用できます。
詳細は『薬事法管理者講座・コスメ薬事法管理者講座』 をご覧ください。
⑥コスメ検定
コスメ検定は、スキンケアとメイクアップ、サプリなどの美容知識を証明する資格試験です。日本化粧品検定協会が実施する民間資格で、正式な資格名は日本化粧品検定です。美容業界はもちろん、医療や介護など人にかかわる職業の人から注目されています。
コスメ検定の試験対策をとおして、化粧品の効能を科学的根拠をもとに理解できます。美容部員などの職業についているなら、美容に関する知識を深く身につけることで、お客様からの信頼を得られるでしょう。日常生活のなかで化粧やネイルをするシーンでは、こだわったコスメ選びとワンランク上のメイクアップが可能になります。
登録販売者とコスメ検定にW合格すれば、医薬品のなかでも、皮膚に関する悩みをもつ人へ適切なアドバイスができるでしょう。保湿の方法や肌の乾燥などの悩みを持つ人は、皮膚科へ行くほどではなくても、ドラッグストアに販売されている医薬品・化粧品に解決策を求めることが少なくありません。理論的な知識を用いて、お客様の悩みに寄り添った医薬品・化粧品選びをお手伝いすることができます。
コスメ検定を扱う資格講座を紹介します。
スクール | 講座 | 受講料 |
ユーキャン | コスメ検定®(日本化粧品検定®)講座【通信】 | 29,000円~ |
日本化粧品検定協会主催セミナー | 各種対策講座【通信・通学】 | 講座により異なる |
⑦手書きPOP
手書きPOPとは、販売したいものを目立たせる装飾文字です。コンピューターで書かれた文字ではないことが魅力です。ドラッグストアやコスメショップなど、さまざまな販売現場に役立つスキルです。
スーパーや書店でおすすめ商品に、装飾されることで、消費者の購買意欲はアップします。近年では、医療や福祉の場面での活用に注目が集まっています。
高齢社会となった今、コンピューター文字では読みづらいといった意見が少なくありません。POPスキルの理論にもとづいたPOP文字は、高齢の人にとって、わかりやすさと温かみを感じられる装飾となります。
ドラッグストアなどで、数ある商品から目的の医薬品を選ぶとき、見やすいPOPがあれば、買い物の負担も軽減できるでしょう。売り場づくりの観点からも、登録販売者が手書きPOPスキルを習得することで、高齢社会の買い物シーンに貢献できるでしょう。
手書きPOPを扱う資格講座を紹介します。
以上、7つの通信で学べる講座を紹介しました。この他、美容関連資格については「美容のおすすめ資格15選を紹介!趣味や仕事に有効に活用しよう!」をご覧ください。国家資格から民間資格まで美容系資格を幅広く紹介しています。
登録販売者の独学は難しい?不安な方向けおすすめ講座!
登録販売者試験に合格するためには、400時間前後の学習時間を確保する必要があります。資格のなかでも王道といわれる「簿記3級」と「ITパスポート」の学習時間は、少なくとも100時間必要といわれ、受験者は2ヵ月~3ヵ月の学習計画を立てています。
登録販売者試験の勉強は400時間必要なので、6ヵ月以上の学習計画が理想です。専門用語が多いことから、独学よりも、講座を利用することをおすすめします。
『ユーキャン』
ユーキャンの登録販売者講座では、初学者でもすぐに理解できるテキストに定評があります。医薬に関する専門用語に初めて触れる人でも、イラストや具体的な解説でインプットできるので安心です。忙しい人でも1日1時間の学習時間を確保できれば、6ヵ月でカリキュラムを終えることができます。
『三幸福祉カレッジ』
三幸福祉カレッジは、福祉系の資格対策に実績のある資格スクールです。通学講座と通信講座ともに充実したラインナップで、自分に合った講座を選択できます。三幸福祉カレッジだから実現可能な短期合格を目指せるカリキュラムです。まとまった時間をとって短期集中型で学習したい人におすすめです。
『スタディング』
スタディングの登録販売者講座は「スマホだけで学習したい!」「隙間時間だけで学習したい!」という多忙な人におすすめです。インプットとアウトプットがすべてスマホで完結するので、細切れ時間しかとれない人でも続けられます。初学者でも学びやすいよう、イラストや図表でイメージしながら知識を定着させることが可能な講座です。
登録販売者資格の難易度や勉強方法、おすすめ講座については「登録販売者は独学可能?独学のメリットやおすすめ勉強法を紹介!」をご覧ください。合格率や独学のコツなどを解説しています。
登録販売者の資格難易度は高くない!ダブルライセンスで仕事に活かそう!
この記事では、登録販売者資格の学習にチャレンジする人に向けて、難易度や試験情報をお届けしました。記事内でご案内したように他の医療・美容系資格もあわせて取得すれば、登録販売者としての業務の幅が広がります。
登録販売者試験に短期で合格したい人やダブルライセンスを狙う人は、通信講座を活用しましょう。初学者でも効率よく学べます。ぜひ、ご自身にあった資格講座を検討してみてください。
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