公務員に興味がある、将来市役所で働きたいと考えている方で、『公務員といえば、安定したイメージの市役所職員』というイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、具体的な仕事内容はご存じない方がほとんどではないでしょうか。
本記事では、『市役所職員になりたい』『公務員になって安定した生活を送りたい』という方向けに、市役所を構成する部署、市役所職員の仕事内容や将来のキャリアパス、収入などをご紹介します。
市役所職員はどのような仕事をしているのか気になる方は、ぜひ本記事を最後まで読んで確認してみてください。
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市役所の仕事内容は?大きく事務職と技術職の2つに分かれる!
市役所の仕事は、大きく事務職と技術職の2つに分類できます。
書類作成や管理、窓口対応を行う事務職と、専門知識をもって現場対応などを行う技術職のそれぞれの詳細について次からご紹介します。
市役所によっては、3~5年の期間で部署を異動するジョブローテーション制度が設けられている市役所もあります。市役所職員を目指す方は、将来的に希望する部署以外の部署に配属される可能性もありますので、ぜひそれぞれの仕事内容をご確認ください。
事務職の仕事とは?
市役所には様々な窓口や課があり、それぞれで書類作成や管理、窓口対応を行うのが市役所の事務職の主な仕事です。
市民課や住民課では窓口で住民票を発行したり、福祉課では年金や保険の相談対応を行ったりします。
他にも、観光課、地域振興課といった課や、行政運営にかかわる業務など、市役所職員の事務職は配属先によって仕事も様々になります。
技術職の仕事とは?
技術職の中には、土木職や建築職、機械職、電気職などがあります。
土木職の主な仕事は市道や公園の維持管理です。市道などに問題が起こると、現場確認を行い必要な対応を見極め、工事業者などへの依頼手続きや工程の進捗確認を行います。
建築職の主な仕事は市の保有する建築物の設計や、市民の住宅が建築基準法に定める基準を満たしているか確認する建築確認申請審査などです。
機械職や電気職は採用数は少なく、主な仕事は市が保有する設備の維持管理です。
その他にはどんな仕事がある?
事務職、技術職のほかにも、専門性の高い法律区分や経済区分、福祉、心理などの人間科学系の区分の仕事がある市役所もあります。
専門的な知識や資格を持っている人は、その知識や経験を活かして市役所職員として活躍することができます。
小田原市を例に部署ごとの業務を解説!
例として、神奈川県にある小田原市役所の部署と、一部の部署の業務をご紹介します。
小田原市役所には、部署および室が全部で21あり、一覧は下記の通りです。
- 企画部
- 総務部
- 公営事業部
- 市民部
- 防災部
- 文化部
- 環境部
- 福祉健康部
- 子ども青少年部
- 経済部
- 都市部
- 建設部
- 会計管理者
- 病院管理局
- 消防
- 上下水道局
- 教育部
- 選挙管理委員会事務局
- 監査事務局
- 農業委員会事務局
- 部に属さない室(秘書室、広報公聴室)
その中から具体的な仕事内容などについて、企画部、市民部、建設部の3つを例に挙げて詳しく解説していきます。
各業務の内容は小田原市の組織について記載されている下記URLを参考に記載します。より詳しく知りたい方や、他に興味のある部署がある方は、下記リンクをご確認ください。
企画部の仕事内容は?
企画部は下記の5つの課から成り立ちます。
- 企画政策課
- 公共施設マネジメント課
- 職員課
- 未来創造・若者課
- デジタルイノベーション課
例として、企画政策課の主な業務は、市行政の総合的企画・調整、総合計画の推進・進行管理、行政改革などです。市が管轄するものごとに関しての企画や計画を行い、その実行や管理を行う業務です。
そのほかの課においても、人事的な業務や若者・女性の活躍を支援する業務など、多岐にわたりかつ重要で新しい課題を解決するような役割が大きくなります。
一般の企業に置き換えると、経営企画や人事部などに近い業務となり、非常にやりがいの大きな部署と言えます。
市民部の仕事内容は?
市民部は下記の4つの課から成り立ちます。
- 地域政策課
- 地域安全課
- 人権・男女共同参画課
- 戸籍住民課
市民部のそれぞれの課における主な業務は、自治会との連絡調整や市民活動の推進、防犯活動、人権啓発、住民登録などの窓口業務などがあります。
市からさらに細分化された地域に対しての管理業務や、市民がより安心して暮らすことができるための活動を行っていると言えるでしょう。
建設部の仕事内容は?
建設部は下記の5つの課から成り立ちます。
- 建設政策課
- 土木管理課
- 道水路整備課
- みどり公園課
- 建築課
建設部の主な業務は、国や県が管轄する道路や橋、水路、都市公園、市営住宅などに関する管理や新設、許認可などです。
建設関連の知識を生かしながら公務員として働きたい方には向いている部署です。
市役所職員の1日の流れは?
例として、市民部に所属し、主に窓口対応を行う市役所職員の1日の流れをご紹介します。
- 8:15 【登庁】メールや当日の予定などの確認を行います。
- 8:25 【朝礼、事務連絡】朝礼にて各自の予定確認、当日の重要なスケジュールの共有などを行います。
- 8:30 【窓口・電話対応】開庁時間からは窓口対応や電話対応を行います。
- 12:00【昼食】職員同士で登板を交代しながら、1時間の昼休みを取得します。
- 13:00【窓口・電話対応】引き続き、窓口対応や電話対応を行います。
- 17:15【 閉庁】市役所の閉庁後、引き続き電話対応などを行う場合もあります。
- 18:00 【退庁】その日の業務が完了したら、退庁します。
多くの市役所職員の勤務時間は8:30~17:15となっています。
公務員は残業がないイメージが強いかもしれませんが、多少の残業は発生する場合も多くあります。
市役所職員の仕事は楽?市役所職員の特徴を3つ紹介!
市役所職員の仕事について、ホワイトな環境で、福利厚生や給与も高水準のイメージがあるのではないでしょうか。
職場環境、福利厚生や研修制度、給料それぞれについての特徴をご紹介します。
非常にホワイトな職場
市役所職員の魅力は、なんといってもワークライフバランスが取れるということでしょう。
時期や部署によっては多忙な期間や残業が発生する場合もありますが、多くの部署は決して残業は多くはありません。定時で帰宅する人のほうが多い環境です。
また、転勤がないという点も、将来のライフプランを乱されることがなく安心感を得られる大きなポイントです。
もうひとつ、ホワイトな職場と言われている理由として、仕事上精神的にプレッシャーを感じることが少ない点が挙げられます。
市役所職員の仕事は数字を上げたり目に見える成果を出しにくい仕事が多く、給与は年功序列で上がっていくため、ノルマ達成や競争に勝つために心身ともに負担を負う心配はありません。
逆に、働いた分だけ、成果を出した分だけ給与に反映されないのは嫌だという方には、ホワイトとは思えない職場かもしれません。
福利厚生や研修制度が充実している
市役所職員になるメリットとして、福利厚生の手厚さや充実した研修制度があります。
市役所職員の福利厚生の一例をご紹介します。
- 各種手当(地域手当・扶養手当など)
- 休日は土日祝、夏季休暇
- 結婚休暇、介護休暇、病気休暇あり
- 産休・育休(男性も育児参加休暇を取得可能)
- 最大3年間の休職が可能
一般の民間企業よりも有給休暇も多く、有給休暇だけでなく育休や産休など特別休暇も取りやすい環境です。
また、市役所職員は知識取得や能力向上のための研修受講を積極的に行うことができます。
地方公務員法によって、職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない、と定められているからです。
研修の種類は様々で、役割によって受ける研修や(新任研修、管理者研修など)一般教養に関する研修、職務内容別の専門的な内容の研修などがあります。
能力向上や勉強したい意欲がある人には、たくさんの学習他のための機会が与えられています。
給料も他職種と比較して高水準
市役所職員の平均年収は約600万円で、日本全体の平均年収の約436万円と比較するとおよそ170万円も高くなっています。
年功序列で毎年昇給があり、賞与も月給の4カ月分ほどもらえます。
成果を追い求めてがむしゃらに仕事をしなくても、安心して高水準の給与がもらえるのは非常に魅力的な職種と言えます。
市役所職員になるには?
市役所職員になるには一般の民間企業と異なり、採用試験に合格する必要があります。
どのような試験なのか、次で解説していきます。
採用試験に合格する必要がある
市役所職員になるためには、働きたい市役所が実施する採用試験を受験し、合格する必要があります。
採用試験は下記の構成となっています。
- 教養試験…一般教養についての五肢択一式の筆記試験
- 論文試験…与えられた課題に対して800~1200文字の論文を作成
- 面接試験…個別もしくは集団面接で複数回実施の場合も有
- 適性検査…職務適正能力を確認する、性格検査とも呼ばれる試験
上記試験に限らず、自治体によっては専門試験が課される場合もあります。
適性検査以外の試験においては、十分な試験対策が必要になります。特に論文試験ははっきりした回答がないため、独学での対策が難しい試験です。
仕事などで忙しく、独学での合格が不安な方は、予備校の利用をおすすめします。特にオンラインで学習できる講座は、スキマ時間を利用して学習できるため、より効率的に対策が進められます。
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市役所の仕事内容は部署によって異なり幅広い
市役所職員の魅力や特徴、市役所職員になる方法などをご紹介してきました。
下記に内容をまとめますので、改めて市役所職員のポイントをご確認ください。
- 市役所職員には事務職以外の職種もある
- 市役所には多数の部署があり、それぞれ専門性が異なる
- 市役所勤務は残業も少なく仕事上のプレッシャーも少ないホワイトな環境
- 福利厚生や研修制度が充実している
- 高水準の給与が安定してもらえる
- 市役所職員になるには採用試験に合格する必要がある
- 効率よく試験合格を目指すには予備校を利用するのがおすすめ
市役所職員といっても、部署により仕事内容は大きく変わります。
高水準の給与やホワイトな環境が魅力的で、幅広い分野の部署がある市役所職員について興味がある方は、市役所職員を目指すことを検討してみてください。
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