弁理士試験の近年の合格率は6~10%と、難易度は高めです。しかし、難易度が高い資格こそ、取得する価値があります。
合格者の8割は働きながら弁理士資格を取得しているため、働きながら合格を目指したい方も時間を有効に活用すれば十分に合格は可能です!
本記事では、下記内容を解説し、弁理士試験の統計から合格のカギを読み解きます!
- 弁理士の合格率
- 弁理士試験の概要
- 働きながら弁理士を目指すことは可能?
- 弁理士試験対策に有効な勉強の仕方
弁理士になりたい方、弁理士資格取得の難易度を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
コンテンツ
弁理士試験の合格率は?近年の合格率は6~10%!
特許庁の公式サイトによると、令和3年度の弁理士試験結果については下記の通りです。
志願者数3,859人、受験者数3,248 人に対し、合格者数は199 人であり、合格率は6.1%でした。
過去の試験結果は、下記URLの特許庁公式サイトで確認できます。
弁理士試験の近年の合格率推移や難易度について、より詳しく解説していきます。
近年の合格率は6~10%!難易度は高め!
近年、弁理士試験の合格率は6~10%の間で推移しています。
同じ士業である税理士の合格率は12~15%、最難関と言われている司法試験も、合格率で見れば実は20%を超えており、弁理士試験の難易度の高さが伺えます。
弁理士試験に必要な勉強時間の目安は3000時間と言われており、これは1日の平均勉強時間が3時間とすると3年近くかかる時間です。
難易度が高い試験!だからこそ、取得する価値がある!
弁理士の平均年収は、550万円~650万円前後となっており、日本の平均年収である450万円前後を大きく上回ります。
さらに、独立開業した場合の平均年収は1,500万円とされ、スキルアップすればさらに年収アップが狙えます。多くの弁理士が特許事務所などを開業し、開業弁理士として働いています。
高収入を目指したい、将来独立開業したい方は、弁理士を目指す価値があると言えます。
弁理士試験は資格どんな試験?試験の概要について
特許庁の公式サイトによると、弁理士試験の概要は下記の通りです。
- 弁理士になろうとする方が弁理士として必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定する試験
- 弁理士試験に合格し、実務修習を修了された方は、「弁理士となる資格」が得られる
- 受験資格は特になし
- 弁理士試験は、筆記試験と口述試験により行う
- 短答式に合格した方でなければ論文式を受験することはできず、また筆記試験に合格した方でなければ口述試験を受験することはできない
受験資格や試験内容について、詳しく解説していきます。
受験資格について!弁理士試験は誰でも受験可能!
弁理士試験を受けるのに、学歴、年齢、国籍等による制限は一切なく、必要な受験資格はありません。
しかし、弁理士試験には筆記試験が3項目と口述試験があり、それぞれの試験は順に受けなければなりません。
論文式筆記試験を受けることができるのは短答式筆記試験に合格した人のみ、口述試験を受けることができるのは論文式筆記試験に合格した人のみということになります。
試験科目について、次に解説していきます。
試験科目について!筆記試験と口述試験がある!
弁理士試験の試験科目と令和2年の合格率は下記の通りです。
- 短答式筆記試験(五枝択一のマークシート方式):合格率は18.2%
- 論文式筆記試験(必須科目):論文式筆記試験まとめての合格率は25.0%
- 論文式筆記試験(選択科目)
- 口述試験(面接方式):98.6%
合格を目指すには、合格率が低い筆記試験の攻略がカギとなります。短答式筆記試験については、合格率が8%ほどの年度もあり、非常に難易度が高いです。
論文式筆記試験は、必須科目と選択科目の片方のみでも受験可能です。ただし、両科目に合格しないと次の口述試験を受験することはできません。
どんな人が合格しているの?働きながら、合格している人は8割も!
社会人で働きながら難関の試験に合格するのは難しいと思う方は多いと思いますが、実は弁理士試験に合格している方のうち、8割程度は社会人の方です。
ほとんどの方が働きながら試験対策をし、合格をしているということです。
下記URLの特許庁の公式サイト『令和3年度弁理士試験の結果について』を参考に、合格者の特徴を解説していきます。
働きながらも十分合格可能!合格者の8割は働きながら!
令和3年の弁理士試験合格者 職業別内訳は下記の通りです。
- 会社員: 48.7%
- 特許事務所: 27.1%
- 無職: 7.5%
- 公務員: 6.5%
- 学生: 3.5%、
- 自営業: 2.5%
- 法律事務所: 1.0%
- 教員: 0.0%
- その他: 3.0%
働きながら合格した人は86%で、そのうち特許事務所や法律事務所で働く人を除くと57.9%です。
法律や特許関連の仕事をしていなくても、十分働きながら合格できることがわかります。
弁理士試験に向けた勉強方法については「弁理士試験に合格する勉強方法は?勉強を始める前に知っておくべきことを解説!」で詳しく紹介しています。
合格者は20代~40代が多い!60代で合格する人も!
令和3年の弁理士試験合格者 年齢別内訳は下記の通りです。
- 20代: 23.1%
- 30代: 43.7%
- 40代: 23.1%
- 50代: 8.0%
- 60代: 2.0%
年齢別にみても、合格者数の半数近くが30代であることから、社会人の受験者数が多いことがわかります。
40代で合格を目指す方も多く、最年長の合格者は67歳でした。年齢によって受験を迷っている人も、決して遅すぎることはないでしょう。
補足となりますが、合格者の最年少は20歳でした。
合格率は低くても工夫次第で受かる?そのカギは時間の使い方!
合格率が6~10%とかなり低く、難関である弁理士試験ですが、工夫した学習方法で仕事で忙しい方でも合格を目指せます。
働きながら合格を目指したい方は、下記の3つのポイントを押さえておきましょう。
- スキマ時間を有効に活用する
- 試験免除制度を有効に活用する
- 予備校や通信講座を有効に活用する
それぞれのポイントについて、次から解説していきます。
スキマ時間を有効に活用する!時間をうまく使おう!
弁理士試験に合格するのに必要な勉強時間は、3000時間が目安です。
仕事をしながら試験勉強を進める人は、平日は寝る時間を削ってまとまった時間を確保しようとしたり、休日にまとめて時間を確保をすればよいと思っている方も多いかもしれません。
しかし、仕事が忙しい時期はなかなか思うように時間が取れない、休日は予定が入ったりつい休みがちになる、睡眠不足でパフォーマンスが低下する、などが理由で思ったより勉強時間が確保できなくなる可能性もあります。
おすすめは、細かいスキマ時間を見つけ、勉強にあてることです。
通勤時間やお昼休みの食事後にそれぞれ30分程度確保できる方は多いのではないでしょうか。また、細かい移動時間や家事の途中でも、イヤホンをつけることができれば音声教材で学習が進められます。
疲れがたまっておらず集中しやすい朝に、30分だけでも早起きして勉強時間にあてるのもおすすめです。
細かいスキマ時間が蓄積すれば、平日でもプラス1~2時間は勉強時間が確保できる可能性があります。普段の生活サイクルの中で、どれくらいスキマ時間があるか確認してみましょう。
弁理士試験の勉強時間については「弁理士試験の勉強時間は約3000時間!効率良く合格するための3つのポイント」で詳しく紹介しています。
試験免除制度を有効に活用する!
弁理士試験には、条件を満たす場合に免除申請を行うと、下記試験が免除となる試験免除制度があります。
- 短答式筆記試験
- 論文式筆記試験(必須科目)
- 論文式筆記試験(選択科目)
それぞれの試験が免除となる条件を簡単に下記に記載します。
- 短答式筆記試験の免除対象者
- ・短答式筆記試験合格者
・工業所有権に関する科目の単位を修得し大学院を修了した方で、工業所有権審議会の認定を受けた方
・特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した方
- 論文式筆記試験(必須科目)の免除対象者
- ・論文式筆記試験(必須科目)合格者
・特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した方
- 論文式筆記試験(選択科目)の免除対象者
- ・論文式筆記試験選択科目合格者
・修士・博士・専門職学位に基づく選択科目免除資格認定を受けた方
・特許庁が指定する他の公的資格を有する方
下記の特許庁の弁理士試験の案内からも、試験免除についての詳細が確認できますので、気になる方はご覧ください。
予備校や通信講座を有効に活用する!
社会人の方が弁理士試験の対策を行うには、独学よりも予備校の利用が圧倒的におすすめです。
通信講座を利用すればWEB講義やスマホで学習を進めることができるカリキュラムが組まれているものが多いので、スキマ時間の勉強にも利用しやすいです。
おすすめの通信講座はアガルートのオンライン講座です。効率的に学習が進められるよう熟考されたプログラムで、初学者の方でも安心して合格を目指すことができます。
コース名 | 総合カリキュラム |
税込み価格 | 229,000円 |
受講形式 | オンライン |
教育給付金制度 | なし |
特典や割引 | 2022年試験に合格したら全額返金。お祝い金現金3万円。 |
受講者の合格率 | 記載なし |
公式サイト | アガルート公式 |
また、他の予備校も比較検討したい方は「【2022年度版】弁理士の予備校で社会人におすすめの内容を厳選紹介」を参考にしてみてください。
合格率は低くても十分合格可能!時間を有効に活用しよう!
本記事では、弁理士試験の概要や合格率、社会人の方が合格のために抑えるべきポイントについて解説してきました。
内容をまとめると下記の通りです。
- 弁理士試験の合格率は6~10%と難易度は高め
- 弁理士試験は短答式筆記試験、論文式筆記試験、口述試験で構成されている
- 合格者のうち、8割が働きながら合格している
- 働きながら合格を目指すポイントは時間の使い方
- 通信講座を利用してスキマ時間で学習を進めるのがおすすめ
難易度が高い弁理士試験ですが、働きながら合格を目指すことは十分に可能であることがお分かりいただけたかと思います。
予備校や時間をうまく使って、最短合格を目指しましょう!
その他、弁理士に関する記事はこちら
弁理士の仕事内容については「弁理士の仕事内容を簡単に紹介!向いている人の特徴や仕事の魅力も解説!」を参考にしてみてください。
弁理士の年収については「弁理士の年収って?中央値や分布をチェックして現実の年収をチェック!」を参考にしてみてください。