応用情報技術者試験と聞くと、高度IT人材となるために必要とされる知識・技能を求められるということで、難易度が高いと考える人も多いでしょう。
しかし、応用情報技術者試験は、正しい勉強方法を取れば、独学でも合格できる資格です。
そもそも「応用情報技術試験」は、ITの仕事に関わりたい人のスタートラインとして活用されています。
情報処理に関するレベル3にあたる資格であり、IT資格の中でも比較的認知度が高いです。難易度はそれなりに高いため、独学で勉強するにはある程度基礎知識が求められるのも事実です。
- 応用情報技術者試験の情報をおさらいしておきたい
- 応用情報技術者試験について難易度が知りたい
- 試験本番までに勉強方法を知って対策に取り組みたい
以上のような思いを抱える方に向けて、今回は応用情報技術者試験の資格の難易度や独学での試験対策、勉強方法を解説します。
独学で試験対策に挑むか、通信講座を受講するかで悩んでいる方への参考にもなるため、是非最後までお読みください。
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応用情報技術者試験は独学で合格できます
応用情報技術者試験の試験対策に十分に取り組むことができる場合は、試験対策を独学で進めることは可能です。ただし、初心者の方が独学で応用情報技術者試験に一発合格するには、かなりの労力が必要になります。
ITに関する知識がほとんどない場合は、基本的にはまずレベル1のITパスポート資格を受験、または通信講座を活用しましょう。
以下では、応用情報技術者試験に必要な勉強対策や勉強時間、注意点について解説します。独学の参考にして試験対策を進めてください。
応用情報技術者試験の対策方法
試験の実施回数は、年に2回です。試験の日程に合わせて勉強の計画を立てていきましょう。
応用情報技術者試験の対策にかかる時間は、ITに関する基礎知識がある方は平均200時間、初心者からスタートする場合は平均約500時間といわれています。また、応用情報技術者試験は午前と午後の2パートに分かれており、それぞれに分けた対策をする必要があります。以下、対策方法をまとめました。
*午前の試験についての対策方法
応用情報技術者試験の午前パートについては、過去問題数年分を何度も復習する形で勉強しましょう。試験はマークシート形式のため、一字一句暗記する必要はありません。
例年、過去問で頻出傾向が高い問題が出題されているため、繰り返して学習することで試験の獲得点数アップが期待できます。
試験は150分間で80問が出題されるため、試験本番に向けて時間内に問題が解けるように対策を続けていきましょう。過去問題を繰り返しつつ、重要単語を暗記しながら理解を進めていきます。
*午後の試験についての対策方法
応用情報技術者試験の午後パートについての対策では、必須問題である情報セキュリティについて重点的に取り組みましょう。
午後の試験では150分間で11問出題から5問(必須科目である情報セキュリティ分野1問+4問)を選び、回答します。午前の試験とは違い筆記式になるため、正確に内容を理解しておくことが必要です。
情報セキュリティ以外の試験対策に関しては、下記の10分野から4分野を選択して解いていく流れになります。
- 経営戦略
- プログラミング
- システムアーキテクチャ
- ネットワーク
- データベース
- 組込みシステム開発
- 情報システム開発
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
上記の分野から4つ以上の得意分野を選択しておき、分野を絞って集中的に対策することを意識してみてください。
応用情報技術者試験の勉強時間
初心者からいきなり応用情報技術者試験を受験する場合は、ある程度の勉強時間をかける覚悟が必要かもしれません。例として、勉強時間のスケジュールを以下のように考えてみます。
*500時間の試験対策が必要な場合(約半年かけて勉強)
500時間÷6ヶ月=約83時間(約一ヶ月あたり)=1日約2.5~3時間の勉強が必要
*200時間の試験対策が必要な場合(約3ヶ月かけて勉強)
200時間÷3ヶ月=約66時間(約一ヶ月あたり)=1日約2時間の勉強が必要
ITに関する仕事に就いている方は、ある程度勉強時間を省いて対策ができる分、勉強時間は短くなる傾向があります。初心者の方は、かなりの試験対策が必要になるので十分時間を確保して挑みましょう。自分の知識量に合わせて勉強時間を調整してみてください。
応用情報技術者試験を独学で進めるときの注意点
ある程度基本知識が必要になる資格のため、試験対策は継続的に実施する必要があります。初心者の方が詰め込み型で対策をするには不向きのため、できれば試験日の半年以上前から勉強を進めましょう。
試験では満点を取る必要はありません。合格基準点を目指して理解を進めていきましょう。独学ではわからないポイントを試験日までに理解する必要があるため、できる限り試験対策での不明点をなくすように心がけてください。
応用情報技術者試験を独学で進める難易度は?
IT関連の資格でレベル3にあたる応用情報技術者試験は、比較的難易度が高く設定されています。レベル1の試験は、IT関連資格の中では初心者におすすめの難易度になりますが、それよりもレベルが高いレベル3はある程度の基本知識がある前提になるわけです。
元からプログラミングの知識や勉強経験がある方、仕事でITに関わる職種に就いている方であれば基本知識が備わっているため、難易度はやさしく感じられるかもしれません。
ITに関する知識がなくプログラミングなどの勉強が初心者の方は、難易度はかなり高く感じることが予想されるため、独学で試験対策を進めるのであれば覚悟が必要です。自分の知識レベルを十分把握してからチャレンジすることをおすすめします。
応用情報技術者試験の合格率は約20%台
難易度が比較的高い応用情報技術者試験は、合格率にもその傾向が現れています。ここ最近の合格率はおおよそ20%台前後になるため、関連資格と比べてみても合格率は低い傾向です。
合格率20%とはつまり、応用情報技術者試験を受験した100人のうち20人が合格する計算になります。しかし、初心者が詰め込みの試験勉強で対応できるのは、合格率50~60%前後のラインです。つまり、詰め込み型の勉強での合格は難しいと言えますね。
合格率20%に独学で挑戦するには、それなりの基本知識やスキルが求められます。また、それなりの知識がある方でも継続的に勉強しなければ合格が難しいレベルといえるかもしれません。
初心者ならITパスポートのレベル1がおすすめです
「応用情報技術者試験をいきなり受験するのはどうなのだろう」と心配や不安を抱える方は、まずはレベル1に相当するITパスポートの資格取得がおすすめです。
ITパスポートは、ITに関わる仕事に興味のある方であれば取っておきたい資格の一つで初心者向けの難易度になります。合格率はおおよそ50%前後で推移しているため、きちんと試験対策をすれば合格を目指せるラインです。
ITに関する職種に興味のある方の入り口といえる資格のため、勉強の目的で取得するのにも向いています。最近では「OLの方がスキルアップに身につけたいパソコン関連の資格」として注目されているため、幅広い世代や業種の人が受験している資格です。
*ITパスポート資格の詳細は、下記のページを参考にしてみてください。
応用情報技術者試験の独学用テキストやおすすめの参考書
独学は費用を抑えたいときにおすすめの勉強法です。応用情報技術者試験の対策で独学を選択する基準としては「費用をなるべく抑えて資格が取りたいとき」「ある程度基礎知識がある+少しの試験対策で合格できる」ということが挙げられます。
基本的には他の試験と同様、テキストや問題集を活用して試験対策を進めていくのが一般的です。独学で勉強する場合は、大きめの書店やインターネットの通信販売サイトを利用して試験対策の書籍を購入しましょう。
下記では、独学で応用情報技術者試験の対策を進めたい人に向けて、おすすめのテキストや問題集をまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者
わかりやすくてかわいいイラスト付きの書籍です。勉強している感覚でなく、本を読み進める気持ちで楽しく勉強しやすいメリットがあります。
「文字量が多い書籍は苦手」「視覚的にイメージから理解していくのが得意」な方におすすめです。他の過去問題集と併用しながら、まずは導入を理解するために使ってみましょう。
応用情報技術者試験の書籍に飽きてしまった人、途中で投げ出したくなった人にもおすすめできます。
大容量のページで一つずつ丁寧なイラスト付きで解説してくれる書籍がほしい方は、ぜひこちらを参考にしてください。
【春期】【秋期】応用情報技術者 合格教本
試験の受験者が愛用している書籍の一冊です。応用情報技術者試験の専門用語を理解しながら一つずつ丁寧に理解を進められます。テキストで内容を理解したあとは、過去問の項目から理解度を確認していきましょう。
スマホやパソコンから簡単な試験対策問題に取り組めるシステムも利用できるため、スキマ時間を使って試験の復習ができます。
視覚的に見やすい内容かつ重要な単語や問題がスッキリまとめられている印象です。独学で進めるときのテキスト&問題集として人気の内容で構成されています。
大容量の内容でテキストと問題集の両方をカバーした一冊がほしいときはこちらの書籍を活用してみてください。
【春期】応用情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集
問題集を中心に学びたい方は、この一冊とテキストから学びを進めていきましょう。技術評論者が発売する応用情報技術者試験の各書籍シリーズであり、わかりやすく問題がまとめられています。
構成は午前と午後の問題にわけられており、見開きやポイントごとの分析付きでわからない点を一つずつなくしていける内容です。試験に関わる重要な用語もわかりやすく解説してくれます。
試験の解答用紙も切り取り式になっているため、印刷機でコピーすれば試験本番をイメージして何度も取り組める内容です。
合計で21回分の過去問題に触れる機会ができるため、応用情報技術者試験を受験したい人にとって有効活用できます。秋期の過去問題集も販売されているため、過去問題集を選ぶときの候補に入れてみてください。
通信講座はIT知識の初心者が受験するときに検討!
独学の勉強と悩まれる方は、思い切って通信講座を選択すると効率よく試験対策がスタートできます。ITの知識がほとんどない方は、応用情報技術者試験に苦戦することが予想されるからです。
通信講座は一人で勉強をマイペースに進めながら、講師にアドバイスがもらえるメリットがあります。試験日までに不明点をなくしてスムーズに勉強しやすいため、受験にかかるストレスや負担を減らすことが可能です。
「とにかく確実に応用情報技術者試験に合格したい」と考える方は、通信講座を選んでみてください。
アイテック
応用情報技術者試験の通信講座として、eラーニングシステムを活用しながら試験対策を進めていけます。各コースに合わせて通信講座が利用できるため、試験直前対策として活用する方法もおすすめです。
初心者はプレミアムコースを選択すれば、教材を活用しながら自分で試験対策が進められます。ある程度知識がある方なら、ポイントのみを重点的に対策できるスタンダードコースを選択すれば効率のよい勉強が可能です。
アイテックを活用するメリットとしては、上記のように利用の目的別にコースが選択できる点があるため、ぜひ自分に合う内容を検討してみてください。
資格の学校TAC
応用情報技術者試験のコースを開催する通信講座の一つです。時期が合えば無料で応用情報技術者試験のセミナーも実施しています。
プロの講師による講義がスマホやパソコンを通して何度も再生することが可能です。通信講座のいいところとデメリットをカバーできる講義内容は、試験対策を進める上でも心強い内容になります。
スマホやパソコンがない方でも、DVDコースを選択すれば自宅のテレビで勉強を進められるのも利点です。自分に合った内容を選択して通信講座を活用してみてください。
スタディング
応用情報技術者試験についてスマホやパソコンを中心に勉強できる講座です。映像教材やデジタルテキストで勉強できるため、視覚的に時間や場所を気にせず勉強を進めたい人に向いています。
テキストや問題集を持ち運びする労力を省きやすいメリットもあるため、デジタルでの操作に慣れている人におすすめです。隙間時間や移動時間を活用してすぐに勉強に取りかかれます。
場所や時間にとらわれずに応用情報技術者試験の対策を進めたい方は、ぜひ公式サイトから内容を確認してみてください。
まとめ:応用情報技術者試験は独学なら徹底した対策が必要
本記事では、応用情報技術者試験の対策で独学を選択するときに抑えておきたいポイントを中心に見てきました。
応用情報技術者試験は独学で対策することが可能です。ただ、比較的難易度が高い試験のため、初心者の方は半年以上の勉強期間が必要になります。
独学の試験対策は基本的にテキストと問題集を購入して進めましょう。自分に合う書籍を選んで何度も繰り返して理解していくのがポイントです。
一人での勉強に不安を感じる場合、通信講座を活用して効率よく勉強を進めてみてください。体系的にまとめられた内容でスムーズに理解が進められるメリットがあります。
自分の生活状況に合わせ、独学か通信講座のどちらの勉強方法が合っているかを考えてみてください。
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