「ITサービスマネーシャ試験の難易度は、どれくらいなのだろう?」
「ITサービスマネージャーの資格を取ることで、年収に影響するのだろうか」
ITサービスマネージャは、顧客のニーズに応え、ITサービスの保守や運用を担当します。
資格は、IPA独立行政法人が主催するIT関連の国家試験の1つです。
資格取得が、将来的にメリットになるのか気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、ITサービスマネージャの仕事と資格試験について次の内容をご紹介します。
- ITサービスマネージャとは?ITサービスのスペシャリスト!
- ITサービスマネージャは将来性あり!IT以外の業界でも活躍可能!
- ITサービスマネージャの資格試験とは?難関国家資格の1つ!
- ITサービスマネージャの勉強方法は?おすすめの参考書もご紹介
ぜひ、最後まで読んでみてください。
コンテンツ
ITサービスマネージャとは?ITサービスのスペシャリスト!
ITサービスマネージャは、ITサービス全体の計画や設計、統制業務や運用状況を把握して、システムを運用する際にチーム全体を管理する仕事です。
ITサービスのスペシャリストとして、安全性と信頼性の高いサービスの提供を目指します。
ここでは、ITサービスマネージャの仕事内容と、資格取得のメリットについてお伝えします。
ITサービスマネージャはIT全般のマネジメントを行う仕事!
ITサービスマネージャは、ITサービスを提供するときのマネジメントを行う仕事です。
詳しい仕事内容は次の通りです。
- 運用リーダーとしてチームメンバーに指示を出すなど、管理者としての役割
- 顧客のニーズを把握し、ITサービスが顧客のビジネスに貢献できるようにハードウェアやソフトウェアの導入を提案する
- 課題を見つけて改善を続け、安定的にサービスを提供する
- 情報セキュリティに関する事故や攻撃を管理して、実効性の高い情報セキュリティサービスを行う
- データセンターの施設とその環境を総合的に企画・管理・活用をする
IPAが公開しているITサービスマネージャに求められる業務スキルは108あります。以下はその一部です。
- ITサービスマネージャに求められる業務スキル
- ・製品やサービス、システムの戦略
・サービス、システムの企画
・サービス、システムの運用・保守・評価
・障害修理技術
・セキュリティ(基礎・構築・利用)技術
など
参考元:iコンピテンシ ディクショナリ概要
ITサービスマネージャの資格を取るメリットとは?
ITサービスマネージャの資格は、IT関連の国家資格です。
IT業界には、国家資格がなければできないという仕事はないため、実務力があれば仕事を得られます。
しかし、求人によっては資格保有者が優遇される場合があり、就職時や転職時には有利に働くでしょう。
また、社内の資格保有者の人数が多いと、会社としての信用度が向上するという面もあります。会社として仕事を受注する際、社内の資格保有者が多い企業が優遇されるなんていうケースもあります。
ITサービスマネージメントは、将来にわたって求められるスキルであるため、資格を持っていることで活躍できる場が広がっていきます。
時代はIT!事業範囲は拡大し続けるので将来性がある!
ITサービスは、従来のように物を売って終わりではなく、安定的に供給を続ける仕組みを作る必要があります。
情報サービスのシステムが複雑化しており、サービスを管理するスキルが求められています。
顧客のニーズを分析するスキルと、サービスの保守や管理など行うスキルの両方を持っているITサービスマネージャは、今も将来にわたっても求められるでしょう。
IT関連の人材は現在でも不足していますが、将来的にもIT業界全体の需要は増え続けて、人材不足は続くと言われています。私たちの生活に欠かせなくなっているITサービスは、今後も利用される範囲を拡大し続けます。
それに伴い、今後もITサービスを管理できる人材の重要は、ますます高まるでしょう。
ITサービスに関するスキルの証明になる!
ITサービスマネージャは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA) が運営するIT関連の国家資格です。ITサービスマネージャは、その中でもレベル4に該当する難易度の高い資格です。
ITサービスマネージャの資格を保有していることで、スキルを証明できるでしょう。
保有していると有利になる資格の1つであると同時に、難易度の高い資格にチャレンジしたという実績が有利に働く場合もあります。資格を保有することでスキルを証明して、転職や昇進時にもアピールできる要素になります。
レベル4
プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、自らのスキルを活用することによって、独力で業務上の課題の発見と解決をリードするレベル。社内において、プロフェッショナルとして求められる経験の知識化とその応用(後進育成)に貢献しており、ハイレベルのプレーヤとして認められます。スキル開発においても自らのスキルの研鑽を継続することが求められます。
IPA情報処理推進機構 ITスキル基準とは?
ITILの基礎知識が身につく!現場で使える知識を習得
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)は、効率よくITサービスの運用を行うためのプロセスをまとめたガイドブックです。世界中のITサービスマネージメントで利用されています。また、ITILの認定資格試験もあります。
ITサービスマネージャの資格取得のために勉強することで、ITILの基礎知識が身に付きます。ITILの知識は、ITサービスマネージャの試験でも求められているからです。
ITILを参照して問題が作られているため、ITILファンデーションの参考書も持っておくと理解が深まるでしょう。
ITILの資格試験もありますが、現場で使える知識がより修得できるのはITサービスマネージャ試験になります。
ITサービスマネージャは将来性あり!IT以外の業界でも活躍可能!
実務経験が乏しくても、ITサービスマネージャの資格があれば、転職時に有利になることがあります。
「ITサービスマネージャ」は、より大規模なシステムを扱いたい、最先端のテクノロジーに携わりたいという方にとっては、活躍の場が広がる資格です。
IT業界だけでなく、グローバルに展開している企業や金融、流通での需要も高まっています。
ITサービスマネージャの年収は?平均530万円!
ITサービスマネージャの平均年収は、530万円です。
一般的な会社員の平均年収が454.5万円であるため、比較的高い水準の職業でしょう。
特に、システムエンジニアやITコンサルタント、プロジェクトマネージャをしている方には、レベルアップのためにおすすめの資格です。
ITサービスマネージャの資格試験とは?難関国家資格の1つ!
ここまでITサービスマネージャーの仕事についてみてきましたが、ITサービスマネージャーになるには試験に合格して資格を取得する必要があります。
ITサービスマネージャの資格試験は、IT関連の国家資格で、情報処理技術者試験の1つです。
情報システムの管理や保守だけでなく、顧客のニーズに答えるコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も必要です。
また、サービスを提供するうえで分析する力も欠かせません。
ITサービスマネージャの資格を得ることで知識を増やし、多岐にわたる業務内容に携われるようになるでしょう。
ここでは、ITサービスマネージャ資格試験についてご紹介します。
ITサービスマネージャの試験詳細
ITサービスマネージャの試験は、毎年1回4月に行われています。(春期のみ)
2022年度は4月17日(日)に行われ、受験手数料は7500円です。
申しこみ期間は1月で、合格発表は例年6月です。
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
---|---|---|---|---|
試験時間 | 9:30~10:20 (50分) | 10:50~11:30 (40分) | 12:30~14:00 (90分) | 14:30~16:30 (120分) |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) | 多肢選択式 (四肢択一) | 記述式 | 論述式 |
出題数 | 30問 | 25問 | 3問 | 2問 |
回答数 | 30問 | 25問 | 2問 | 1問 |
出典元:IPA情報処理推進機構 試験時間・出題形式・出題数(解答数)
ITサービスマネージャは難易度が高い!合格率は13%
ITサービスマネージャの試験は、2021年度は2018人の受験者のうち合格者が303人で、合格率は15.0%でした。
例年、合格率は13~15%を推移しており、難易度の高い資格と言えます。
受験資格は必要ないため、誰でも、何歳からでも受験が可能です。
受験年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2017 | 3,932人 | 535人 | 13.6% |
2018 | 3,715人 | 530人 | 14.3% |
2019 | 3,388人 | 497人 | 14.7% |
2021 | 2,018人 | 303人 | 15% |
ITサービスマネージャの試験申し込み方法
ITサービスマネージャの試験に申し込む方法は、インターネットでの個人申し込みのみです。
ただし、身体障がいがあるなどの理由があり、受験時に特別措置を希望する場合で、インターネットの申し込みができない方については、郵送での申し込みも可能です。
申し込みページから手順に従って必要事項を記入すると、後日、受験票が送付されます。
2022年度春期の申込期間は1月11日(火)~2月1日(火)18時まででした。申込期間に気をつけましょう。
申し込み方法
①インターネット申し込みページを開く
②必要事項を入力する
③受験手数料7500円を支払う(コンビニで支払う、クレジットカード決済、Pay-easyペイジーによる支払い)
④受験票が送付される
ITサービスマネージャの勉強方法は?おすすめの参考書もご紹介
ITサービスマネージャの資格試験は、多くの方が働きながらステップアップのために受験します。
どのくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。
ここでは、必要な勉強時間と、おすすめの参考書をご紹介をします。
ITサービスマネージャの資格勉強時間は100~150時間!
合格するために必要な勉強時間は、100~150時間と言われています。
1日に1時間ずつ勉強すると、およそ3ヵ月~5か月程度かかります。
元々持っている知識量や実務力によって、必要な勉強時間は変わりますが、受験日の5か月前くらいから準備を開始しましょう。
まずは、過去問を解いてみて、どれくらいの点数が取れそうなのか試してみると現時点での理解度がわかります。
午後試験は記述式・論述式で答える問題となっており、選択式の午前試験よりも難易度が高くなっているため、午後試験の対策をしっかり行いましょう。
ITサービスマネージャの勉強方法は過去問と参考書を活用!
ITサービスマネージャの試験は、午前I・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4つの試験があります。
- 午前(I・Ⅱ)
- 四肢択一式で、過去問からの類似問題が多く出題されます。
過去問を繰り返し解くことが大切になりますが、間違えた問題については、参考書などを活用しながら確認しましょう。
- 午後Ⅰ
- 3問出題される中から、2問を選択して記述式で答えます。
答えを記述する文字数は40文字程度が多く、短い文章で答えを簡潔に述べる力が求められます。
問題文は長文で出題されるため、時間内に読解する力も必要です。
過去問を繰り返し解いて、問題文に慣れましょう。
- 午後Ⅱ
- 2問から1問を選択して論述式で答えます。
文章を組み立てて答える必要があり、午後Ⅰよりも長い文章を書く練習が必要です。
過去問を実際に解きながら論文の書き方を勉強しましょう。
ITサービスマネージャの過去問(午前・午後)をご紹介!
ITサービスマネージャの試験は、過去問を中心に勉強を進めていきましょう。
過去問の類似問題から出題されているので、過去問で分からない問題を中心に勉強します。
また、問題形式に慣れることも大切です。
こちらのサイトは、過去問がWEBアプリで解け、ダウンロードもできます。
是非参考にしてみてください。
ITサービスマネージャのおすすめの参考書はこれ!
- 2020 ITサービスマネージャ 「専門知識+午後問題」の重点対策 (重点対策シリーズ)
- 2019年の本試験を分析して作られた、無駄のない解説が好評の一冊です。
内容がコンパクトにまとめられており、忙しい学習者向けの参考書です。
解説を読むだけでも勉強になるでしょう。
- ALL IN ONE パーフェクトマスター ITサービスマネージャ 2022年度 (情報処理技術者試験)
- 重要キーワードが理解しやすい解説と、効率よく学習できる演習問題が載っています。
また、どのような問題にも対応できる解答テクニックについて説明しています。
各試験ごとに分かりやすくまとめられており、効率よく勉強ができるでしょう。
- 情報処理教科書 ITサービスマネージャ 2022~2023年版
- 合格に直結するような実力をつけるために、厳選された問題と解説で構成されています。
多くの過去問と解説が載っており、効率よく勉強できます。
午前試験、午後試験のすべてに対応している参考書です。
難関国家資格であるITサービスマネージャを取得して、求められる人材になろう!
ここまでITサービスマネージャについて解説してきました。
ITサービスマネージャの特徴は以下の通りです。
- ITサービスマネージャは将来性のある仕事
- ITサービスマネージャは、難易度の高い国家資格
- 平均年収は約530万円
- 合格率は13~15%を推移している
- 必要な勉強時間は100~150時間
- 過去問を中心に勉強しよう
ITサービスマネージャ以外の情報技術者試験については、こちらをご覧ください。