「基本情報技術者試験ってどんな試験なんだろう?」
「IT関連に興味あるけど、取得しておいたほうがいい?」
「基本情報技術者試験の勉強ってどうやってすればいい?」
基本情報技術者試験を検討している方は、いろいろな疑問が浮かびますよね。
基本情報技術者試験はIT系の国家資格のひとつです。
IT関連に興味があるのなら、取得して損はありませんし、将来のキャリアアップにもなります。
この記事では、基本情報技術者試験について詳しくご紹介します。
- 基本情報技術者試験とは?ITエンジニアの登竜門!
- 基本情報技術者試験の難易度は?IT初心者には難しい
- 基本情報技術者試験の内容は?2022年度もCBT方式で行われる!
- 基本情報技術者試験の独学は難易度が高い?IT経験者なら可能!
- 基本情報技術者試験の独学におすすめの参考書は?最新のものを選ぼう!
- 基本情報技術者試験の難易度が高いと感じたら?対策講座の受講を検討しよう!
- 基本情報技術者試験に合格したら?より難易度の高い資格でキャリアアップに繋げよう!
ぜひ参考になさってください。
コンテンツ
基本情報技術者試験とは?ITエンジニアの登竜門!
経済産業省の発表によると、2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると試算しています。
そのためITエンジニアの重要性が高まっています。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門と言われており、ITエンジニアが共通して理解しておくべき基本的知識・技能を身につけた者が取得できる資格です。
以下では、基本情報技術者試験についてお伝えします。
- 情報処理技術者試験の一区分!スキルレベル2に該当する
- 情報セキュリティマネジメント試験との違いは?取得できる範囲が違う
情報処理技術者試験の一区分!スキルレベル2に該当する
基本情報技術者試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する、情報処理技術者試験の中の一つです。
基本情報技術者試験合格者は、「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技術を持ち、実践的な活用能力を身に付けた者」と定義されます。
スキルレベルとは、経済産業省が策定・公表した「ITスキル標準」のことを指し、IT関連サービスの提供に必要な実務能力を明確化・体系化した指標です。
ITスキル標準は全部で7段階あります。
レベル5以上については、プロフェッショナルとしての貢献等も含めて、経験や実績が必要となります。
基本情報技術者試験はレベル2に該当します。
- レベル7
- プロフェッショナルとし てスキルの専門分野が確立し、社内外において、テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。市場全体から見ても、先進的なサービスの開拓や市場化をリードした経験と実績を有しており、世界で通用するプレーヤとして認められます。
- レベル6
- プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内外において、テクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。社内だけでなく市場においても、プロフェッショナルとして経験と実績を有しており、国内のハイエンドプレーヤとして認められます。
- レベル5
- プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、社内においてテクノロジやメソドロジ、ビジネスを創造し、リードするレベル。社内において、プロフェッショナルとして自他共に経験と実績を有しており、企業内のハイエンドプレーヤとして認められます。
- レベル4
- プロフェッショナルとしてスキルの専門分野が確立し、自らのスキルを活用することによって、独力で業務上の課題の発見と解決をリードするレベル。社内において、プロフェッショナルとして求められる経験の知識化とその応用(後進育成)に貢献しており、ハイレベルのプレーヤとして認められます。スキル開発においても自らのスキルの研鑽を継続することが求められます。
- レベル3
- 要求された作業を全て独力で遂行します。スキルの専門分野確立を目指し、プロフェッショナルとなるために必要な応用的知識・技能を有します。スキル開発においても自らのスキルの研鑽を継続することが求められます。
- レベル2
- 上位者の指導の下に、要求された作業を担当します。プロフェッショナルとなるために必要な基本的知識・技能を有する。スキル開発においては、自らのキャリアパス実現に向けて積極的なスキルの研鑽が求められます。
- レベル1
- 情報技術に携わる者に最低限必要な基礎知識を有します。スキル開発においては、自らのキャリアパス実現に向けて積極的なスキルの研鑽が求められます。
出典元:IPAホームページ ITスキル標準とは?
情報セキュリティマネジメント試験との違いは?取得できる範囲が違う
「共通キャリア・スキルフレームワーク」とは?情報処理技術者試験の対応関係と客観的な人材育成・評価を示したもの
高度IT人材育成のため、経済産業省が定めたものに、情報処理技術者試験の対応関係と客観的な人材育成・評価を示した「共通キャリア・スキルフレームワーク」があります。
キャリアとは、3つの人材類型とこれをさらに6つに分類した人材像を指します。
さらにスキルについては、上記のITスキル標準の他に、組込みスキル標準と情報システムユーザースキル標準の3種類です。
表にすると以下のようになります。
情報処理技術者試験はこの「共通キャリア・スキルフレームワーク」に準拠した設計になっており、ストラテジスト、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、サービスマネージャ、テクニカルスペシャリストの5人材像のレベル1〜レベル4を試験対象としています(クリエータは試験対象外)。
情報セキュリティマネジメント試験との比較
情報セキュリティマネジメント試験とは、情報セキュリティの確保に貢献し、標的型攻撃や内部不正といった様々な脅威から組織を守るための基本的なスキルを認定する資格で、2016年から開始されました。
基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験は、レベルで言えば同じ「2」です。
しかし、試験要綱のレベル対応の欄に、基本情報技術者試験は「5人材像のレベル2に相当」と記載されていますが、情報セキュリティマネジメント試験は人材像の記載はありません。
また、情報処理技術者試験の試験区分で、基本情報技術者試験は「情報処理技術者」、情報セキュリティマネジメント試験は「ITを利活用する者」と種類が分けられています。
基本情報技術者試験 | 情報セキュリティマネジメント試験 | |
---|---|---|
スキルレベル | 2 | 2 |
レベル対応 | 5人材像のレベル2に相当 | 記述無し |
試験区分 | 情報処理技術者 | ITを利活用する者 |
対象 | システムエンジニアなどの技術者向け | IT利用者向け |
簡単に言えば、基本情報技術者試験はプログラマ、システムエンジニアなどの技術者向けの試験であり、情報セキュリティマネジメント試験はIT利用者向けの、セキュリティに特化した試験と言えます。
基本情報技術者試験の難易度は難しすぎる?IT初心者には難しい
基本情報技術者試験はどのくらい難しいのでしょうか?
以下では4つの観点からお伝えします。
- 難易度はどのくらい?合格率は20~30%が平均「だった」!?
- 合格基準のラインは?合格点は6割必要
- 偏差値はどのくらい?偏差値は49が目安
- 関連資格の難易度を知っておこう!基本情報技術者が一番難しい
難易度はどのくらい?合格率は20~30%が平均「だった」!?
基本情報技術者試験の合格率は平均して20%〜30%位です。
関連試験のITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験は概ね50%前後ですので、少々難易度が高めになります。
ですが、合格率が20〜30%なのは過去の話になるかもしれません。
下記の表をご覧になると分かりますが、令和2年度から合格率が平均45%前後になっています。
年度 | 合格率 |
---|---|
平成24年度 | 25.5% |
平成25年度 | 22.5% |
平成26年度 | 23.7% |
平成27年度 | 25.8% |
平成28年度 | 26.6% |
平成29年度 | 22.1% |
平成30年度 | 25.6% |
令和元年度 | 25.7% |
令和2年度 | 48.1% |
令和3年度 | 40.7% |
年度 | 合格率 |
---|---|
令和2年度試験(令和3年1月実施) | 57.9% |
令和2年度試験(令和3年2月実施) | 50.4% |
令和2年度試験(令和3年3月実施) | 44.1% |
令和3年度上期試験(5月実施) | 49.9% |
令和3年度上期試験(6月実施) | 39.3% |
令和3年度下期試験(10月実施) | 46.0% |
令和3年度下期試験(11月実施) | 38.8% |
理由として考えられるのは、以下の通りです。
- 試験が延期になっていたため、再開された令和2年度の場合は受験生が十分な試験対策ができていたこと。
- 令和2年度から試験がCBT方式で実施され、午前試験と午後試験を別日に受験できるようになり、同日試験より心身の負担が少なくなったこと。
- 令和2年春期試験(試験延期)から適用予定だった出題の見直しにより、解答数が減少したこと。
以前より合格率が高くなってきたように見えますが、決して簡単になったわけではありません。
油断せずに対策は怠らないようにしましょう。
合格基準のラインは?合格点は6割必要
基本情報技術者試験には午前試験と午後試験があります。
各100点満点中、合格基準点は60点です。
午前試験も午後試験も60点以上取らなければなりません。
午前試験は80問出題され、配点割合は各1.25点です。
午後試験は11問出題されますが、解答は選択した5問です。
問番号 | 解答数 | 配点割合 |
---|---|---|
1 | 1問 | 20点 |
2〜5 | 2問 | 各15点 |
6 | 1問 | 25点 |
7〜11 | 1問 | 25点 |
合計 | 5問 | 100点 |
但し、注意しなければならないのは、試験後の自己採点で60点を取っていたとしても合格するとは限らないということです。
「試験結果に問題の難易差が認められた場合には、ITパスポート試験以外の試験区分では基準点の変更を行うことがある」と試験要綱に記載されています。
つまり、難易度によって基準点が変わる可能性があります。
60点を目標にするのではなく、それを大幅に超える点数を取ることを目標にしましょう。
偏差値はどのくらい?偏差値は49が目安
IT系の資格では偏差値を使い、難易度を比較することがあります。
基本情報技術者試験の偏差値は49だと言われています。
ITパスポート試験は45、情報セキュリティマネジメント試験は47、応用情報技術者試験は65程度です。
IPAのレベルから見てもこのような順番が妥当でしょう。
この偏差値は各サイトが独自で判断し発表しており、公式のものではありません。
あくまでも目安として見ましょう。
関連資格の難易度を知っておこう!基本情報技術者が一番難しい
基本情報技術者試験とよく比較されるのが、ITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験です。
結論を申し上げますと、基本情報技術者試験は、ITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験よりも難易度が高いです。
以下ではその2つの試験の難易度をお伝えします。
ITパスポート
ITパスポート試験とは、IPAでは「ITを利活用する者」の分類となり、社会人が共通に備えておくべきITに関する基礎的な知識を証明できる国家資格です。
スキルレベルは「1」で、情報セキュリティマネジメント試験の下位資格です。
問題は100問で1000点満点ですが、1問10点の配点ではありません。
ITパスポート試験はIRT(項目応答理論)方式を採用しており、解答結果から評価点を算出するからです。
合格基準点は、総合評価点が1000点中600点以上、3分野別評価点が1000点中各300点以上で、それぞれが基準点以上で合格となります。
合格率は平均して50%前後ですので、難易度としては高くはないでしょう。
年 | 合格率 |
---|---|
2016年 | 48.3% |
2017年 | 50.4% |
2018年 | 51.7% |
2019年 | 54.3% |
2020年 | 58.8% |
ITパスポート試験の対策については、こちらの記事が参考になります。
情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティマネジメント試験とは、IPAでは「ITを利活用する者」の分類となり、情報セキュリティの確保に貢献し、標的型攻撃や内部不正といった様々な脅威から組織を守るための基本的なスキルを認定する国家資格です。
スキルレベルは「2」で、ITパスポートの上位資格です。
問題は、午前試験・午後試験、各100点満点で、合格基準点が60点です。
基本情報技術者試験がCBT方式に変わって少し合格率が上がりましたが、情報セキュリティマネジメント試験は合格率は60%前後ですので、こちらの方が難易度は低いと考えられます。
年 | 合格率 |
---|---|
2016年 | 79.0% |
2017年 | 58.4% |
2018年 | 49.9% |
2019年 | 49.4% |
2020年 | 66.6% |
2021年 | 53.2% |
基本情報技術者試験の内容は?2022年度もCBT方式で行われる!
基本情報技術者試験の内容を確認しましょう。
以下で詳しくお伝えします。
- 試験の日程は?年2回の開催
- 基本情報技術者試験の申込方法は?インターネット受付のみ!
- 午前の試験内容は?3つの分野から出題される
- 午後の試験内容は?長文形式の問題が出題される
- 試験の時間は?午前と午後でそれぞれ150分
試験の日程は?年2回の開催
基本情報技術者試験はCBT方式で実施されます。
実施時期は上期4月〜5月と下期10月〜11月の年2回です。
「午前試験」「午後試験」「免除試験」があります。
「免除試験」とは、IPAが認定した講座を受講し修了試験に合格すると、午前試験が免除される制度です。
試験科目 | 申込期間 | 試験実施期間 |
---|---|---|
午前試験 | 2022年3月1日(火)10時〜2022年5月19日(木)23時59分 | 2022年4月1日(金)〜2022年5月24日(火) |
午後試験 | 2022年3月1日(火)10時〜2022年5月24日(火)23時59分 | 2022年4月1日(金)〜2022年5月29日(日) |
免除試験 | 2022年3月1日(火)10時〜2022年5月19日(木)23時59分 | 2022年4月1日(金)〜2022年5月24日(火) |
合格発表は受験が完了した月の翌月下旬(予定)です。
CBT方式なので、受験後に「スコアレポート」によって成績照会が可能です。
得点からある程度の合否は判断できますが、これは正式な合否ではありません。
合格発表はIPAホームページに受験番号(プロメトリックID)が掲載されます。
注意点としては、期間内の再受験はできません。
午前試験、午後試験それぞれ1回です。
例えば4月の午後受験に不合格だった場合に5月に受け直すことはできず、下期に再受験することになります。
また、上期に午前試験に合格して午後試験に不合格だった場合、下期にもう一度午前試験から受け直さなければなりません。
詳しくはIPAホームページをご覧ください。
基本情報技術者試験の申込方法は?インターネット受付のみ!
基本情報技術者試験の試験予約方法はインターネット受付のみです。
プロメトリック株式会社にて予約を受け付けています。
試験予約にはプロメトリックIDが必要になるので、IDを取得しましょう。
プロメトリックIDを取得すると、プロメトリック社が実施する数多くの試験を予約することができます。
受験手数料(受験料金) | 7,500円(税込) 午前試験または免除試験の予約時に支払い |
支払い方法 | ・クレジットカード ・コンビニエンスストア払い ・Pay-easy払い ※コンビニエンスストア払いとPay-easy払いは、支払手数料242円(税込)の負担 |
予約受付期限 | ・クレジットの場合 受験希望日の3営業日前まで(土・日受験の場合は4営業日前まで)予約可能 ・コンビニエンスストア払い、Pay-easy払い 受験希望日の4営業日前まで(土・日受験の場合は5営業日前まで)予約可能 ※申込日を1日目として60日目まで受験希望日として選択可能(試験期間外・祝日・年末年始を除く) |
試験日時・試験会場の変更期限 | 試験日の3営業日前まで(土・日受験の場合は4営業日前まで)変更可能 |
予約のキャンセル | 予約のキャンセル不可 |
詳しくはプロメトリック基本情報技術者試験(こちら)をご覧ください。
午前の試験内容は?3つの分野から出題される
テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3つから出題され、IT全般の幅広い知識が問われます。
出題形式は多肢選択式(四肢択一)、出題数は80問、解答数は80問です。
テクノロジ系の問題が半分なので、重要度が高いことが分かります。
ここは重点的に勉強し、きっちり高得点を狙いましょう。
テクノロジ系 | 50問 | 基礎理論、アルゴリズムとプログラミング、ハードウェア、ソフトウェア、、データベース、ネットワーク、セキュリティ、システム開発技術など |
マネジメント系 | 10問 | プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査 |
ストラテジ系 | 20問 | システム戦略、技術戦略マネジメント、企業活動、法務など |
午後の試験内容は?長文形式の問題が出題される
出題形式は多肢選択式、出題数11問中、解答数は5問です。
過去問題が出題される午前試験に対し、午後試験は毎回テーマが変わります。
午後試験の特徴は長文があるため、国語力、読解力が必要となります。
過去の問題が出題されないとはいえ、過去問から出題パターンを見つけ出し、読解力を鍛えましょう。
IPAホームページには、試験講評が掲載されているので、問題作成者の意図を把握することも重要です。
問題番号 | 選択方法 | 分野 | 出題数・解答数 | 配点 |
---|---|---|---|---|
問1 | 解答必須 | 情報セキュリティ | 1問 | 20点 |
問2〜問5 | 選択解答 | ・ソフトウェア・ハードウェア・データベース、ネットワーク、ソフトウェア設計 3問 ・プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム戦略、経営戦略・企業と法務 1問 | 出題数4問中、解答数2問 | 各15点 |
問6 | 解答必須 | データ構造とアルゴリズム | 1問 | 25点 |
問7〜問11 | 選択解答 | ソフトウェア開発 (C言語、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフトの問題を1問ずつ出題し、この中から1問選択して解答) | 出題数5問中、解答数1問 | 25点 |
合計 | 5問 | 100点 |
試験の時間は?午前と午後でそれぞれ150分
以前は1日で試験を行うため、午前試験150分と午後試験150分、1日合計6時間費やすことを余儀なくされていました。
現在はCBT方式に変わり、試験時間は午前試験も午後試験もそれぞれ150分のままですが、別日に受検することが可能になりました。
「午前試験」や「午後試験」は試験名称なだけなので、CBT方式では午前試験を午後の時間帯で受験することも、午後試験を午前の時間帯で受験することも可能です。
また、順序も関係ないので午後試験から先に受験することもできます。
但し、予約自体は午前試験→午後試験の順に予約しなければなりません。
基本情報技術者試験の独学は難易度が高い?IT経験者なら可能!
基本情報技術者試験を独学で取得することは難しいのでしょうか。
以下では4つのポイントから独学での学習について考察します。
- 独学で合格するのに必要な勉強時間の目安は?およそ200時間
- ITパスポートは必要?出来れば取得しておいた方が良い
- 初めに必要なことは?試験日から逆算して学習計画を立てよう
- 実力を付けるには?インプットとアウトプットが大切
独学で合格するのに必要な勉強時間の目安は?およそ200時間
基本情報技術者試験を独学で合格するために必要な勉強時間は、およそ200時間と言われています。
1日2時間勉強したとして、3ヶ月以上かかります。
しかしこれは一般的に言われている目安でしかなく、勉強に要する時間は人それぞれです。
ITに関してもともと基礎知識があるかないか、ITに関して興味があるかないかという点でも、さらに勉強時間が変わってきます。
初学者の場合、テキストを開いても専門用語がわからないと思います。
ひとつひとつ言葉の意味を調べながら読み進めることになるので、初学者はもっと時間がかかると考えておいた方がよいでしょう。
ITパスポートは必要?出来れば取得しておいた方が良い
ITパスポートを取得しておいたほうが良いかどうかは、必ずしも必要という訳ではありません。
もし時間が許されるのであれば、基本情報技術者試験を受けるための準備として、ITパスポートを取得することは有効に働きます。
基本情報技術者試験とITパスポートは基本的に出題範囲が同じです。
違う点は難易度です。
ITパスポートは、ITに関する基礎的知識が問われる試験で、スキルレベル1に該当する入門レベルです。
IT関連初学者であれば、ITパスポートを取得することで基礎的知識を身につけることができ、基本情報技術者試験への理解を早めることができるでしょう。
初めに必要なことは?試験日から逆算して学習計画を立てよう
初めに必要なことは、試験日をいつにするかを決めることです。
試験日を決めてから、逆算して学習計画を立てることが重要です。
基本情報技術者試験は、上期と下期の2回で、CBT方式で行われます。
一つの期間は約2ヶ月あります。
午前試験や午後試験をいつのタイミングにするかは、ある程度自分の都合で決められます。
試験日をいつにするか考えるポイントとして、以下のことを考えましょう。
- ITの基礎知識はありますか?全くの初学者ですか?
- 基礎知識があるかないかで必要な勉強時間が変わります。
初学者の場合は、時間に余裕を持たせましょう。 - 自分のライフスタイルから、1日何時間の勉強時間を確保できますか?
- 週末に勉強できる時間も考えましょう。
社会人の場合、無理な時間設定は避けたほうがよいです。 - ゆとりのある時間に設定していますか?
- 急用や体調不良などで勉強できない日、思うように勉強が進まない日などは必ずあると思っておくことが必要です。
計画通りには進むものではないと心得て、ゆとりのある計画を立てましょう。
実力を付けるには?インプットとアウトプットが大切
インプットとアウトプットが大切です。
この順序で学習してみましょう。
①インプット
- 最初は、テキストの言葉や意味がわからなくてもサラッと通読しましょう。通読することでテキストの概要を掴むことができ、自分はこの先どんなことを勉強するのか把握することで頭の整理ができます。
- 2回目に読むときは、言葉が分からないものは面倒でもしっかり調べ、正しい意味を理解してください。
- 何度かテキストを繰り返し読み、基礎知識を身につけます。
②アウトプット
- 過去問が重要です。過去問を何度も繰り返し解きましょう。
- 過去問を解きながら、出題傾向や頻出問題が分かるようにしておくとよいです。
③インプットとアウトプットの交互
- 過去問で解けない問題が出てきたら、テキストに戻り理解を深めましょう。
- 過去問とテキストの行き来で、弱点を少しでも減らすことが重要です。
基本情報技術者試験の勉強時間については、こちらの記事が参考になります。
基本情報技術者試験の独学におすすめの参考書は?最新のものを選ぼう!
基礎情報技術者試験の独学におすすめの参考書を種類別にご紹介します。
必ず最新版のものをご購入ください。
- テキストのおすすめ
- 問題集のおすすめ
- 過去問題集のおすすめ
①テキストのおすすめ
令和04年2022情報処理技術者試験 キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者
初学者向けです。
イラストが豊富で知識0から始めるには最適でしょう。
初めて学習するときのコツとして、一般的なテキストを読み始めるより、まずはこのような初学者用の読みやすい解説書から入ると、今後の理解度が増します。
令和04年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室
全くの初学者ではなく、IT系の知識が少しある方向けです。
ゆるめのイラストを使用し、文字とイメージで頭に入りやすく簡潔に解説されています。
ここで言うクレバー方式とは、用語の要点を「◯◯とくれば◯◯」のように覚えることを指します。
2022年度版ニュースペックテキスト 基本情報技術者 シラバスVer7.2対応
オールカラーでイメージしやすい図解になっていて、午後試験にも対応しています。
イラストは少なめです。
全くの初学者には理解するのが難しいかもしれません。
解説書で基本知識を学んだ後に、試験対策としてしっかりと学習する際に読みましょう。
②問題集のおすすめ
令和04−05年上期 基本情報技術者 試験によくでる問題集[午後]
テーマ別に48問収録されており、丁寧な解説が付いています。
CBT試験の攻略法として、問題・解答画面の概要や解説、メモ用紙を使った時短方法なども載っています。
※午前試験は過去問の出題比率が高いため、過去問題集をおすすめします。
下記をご覧ください。
③過去問題集のおすすめ
令和04年[上期] 基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集
誌面では模擬問題1回+過去問題3回、PDFファイルで模擬問題2回+過去問題15回の計21回の問題を演習できます。
午後試験にも対応しており、図解が多く分かりやすい解説がついています。
令和3年度下期 かんたん合格 基本情報技術者 過去問題集
問題+解説+合格力UPのカギという3ステップ構成になっており、午後試験の対策もできます。
電子書籍のダウンロードやスマホ専用アプリもあるのでスキマ時間に活用できます。
この表示は令和3年度版です。
令和4年度版が発売されましたらそちらをお買い求めください。
基本情報技術者試験のおすすめ参考書については、こちらの記事も参考になります。
基本情報技術者試験の難易度が高いと感じたら?対策講座の受講を検討しよう!
独学では難しいと感じたら、通信講座を利用してみてはいかがでしょうか。
以下では2つの通信講座をおすすめします。
- 試験免除制度を活用するなら?「大原」がおすすめ
- リーズナブルな料金で選ぶなら?「スタディング」がおすすめ
午前試験免除制度を活用するなら?「大原」がおすすめ
「免除試験」とは、IPAが認定した講座を受講し修了試験に合格すると、午前試験が免除される制度です。
午前試験免除制度を使うと、修了試験合格後は午後試験の学習に集中できるメリットがあります。
大原には、午前試験免除対象コースが2つあります。
- ①午前試験免除つき総合本コース
Web通信・教室通学・映像通学ともに95,700円(税込) - 午前試験免除制度に対応していることはもちろん、午後試験対策や模試試験もあり、初学者におすすめのコースです。
午後試験の対策もしっかりできるのは安心です。 - ②午前試験免除対策コース
Web通信 27,500円(税込) - 学習経験者、受験経験者専用コースで、午後試験対策はついていません。
独学スタイルになっているので自分のペースで学習できます。
大原の特徴
- 圧倒的な合格数を誇る資格の大原
- 教室通学、映像通学、通信講座から選べる受講スタイル
- まずは気になる資格の資料請求から
\受講スケジュールや受講者の声も確認できます!/
大原のカリキュラムを確認
リーズナブルな料金で選ぶなら?「スタディング」がおすすめ
通信講座の中でも低価格なのはスタディングです。
紙のテキストはなく、マルチデバイスでいつでもどこでもスキマ時間を活用して勉強できるところが魅力です。
スタディングには2種類のコースがあります。
- ①基本情報技術者 合格コース[2022年試験対応] 36,800円
- 対象者は「ITパスポート合格レベルにある方」です。
ある程度IT関連の基礎知識があり、効率的に短期間で学習したい方におすすめです。
午後試験対策や模試もあります。 - ②基本情報技術者 初学者コース[2022年試験対応] 43,800円
- 今までIT系の勉強をしたことがない方やIT系試験を受けたことがない方など、初学者のためのコースになっています。
午後試験対策や模試もあります。
特徴的なのは、ITパスポートコースが付いていることです。
前述しましたが、ITパスポートは入門レベルなので、基礎固めには良いでしょう。
コース名 | 基本情報技術者 初学者コース |
税込み価格 | 43,780円 |
受講形式 | オンライン |
教育給付金制度 | 2021年下期試験対応版:2022年2月28日まで 2022年試験対応版:2023年2月28日まで |
特典や割引 | 調査中 |
受講者の合格率 | |
公式サイト | スタディング公式 |
基本情報技術者試験に合格したら?より難易度の高い資格でキャリアアップに繋げよう!
基本情報技術者試験に合格したら、次はキャリアアップに繋がる資格にチャレンジしてみませんか?
以下では2つの資格をご紹介します。
- 次に取得したい資格は?応用情報技術者を目指そう
- 将来的に視野に入れたい資格は?高度情報処理技術者を取得しよう
次に取得したい資格は?応用情報技術者を目指そう
基本情報技術者試験の次は、応用情報技術者資格を目指してみましょう。
基本情報技術者試験の上位資格で、スキルレベル3になります。
技術、管理、経営といった幅広い知識が身につき、高度IT人材として重宝されます。
合格率は20%前後です。
数字で言えばCBT方式になる前の基本情報技術者試験と同じですが、難易度は高くなります。
令和3年度では、応募者が89,685人で受験者が59,698人となっていて、約30,000人が受験をしていません。
受験しなかった理由の一つに試験対策が追いつかなかったということもあるでしょう。
将来を踏まえてキャリアアップを図りたいのであれば、応用情報技術者試験に合格することは大きなメリットになります。
応用情報技術者の資格については、こちらの記事が参考になります。
将来的に視野に入れたい資格は?高度情報処理技術者を取得しよう
高度情報処理技術者とは、応用情報技術者資格の上位資格で以下の8つの試験区分で構成されています。
- ITストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- ITサービスマネージャ試験
- システム監査技術
スキルレベルは4に位置付けられています。
難易度も専門性もとても高くなっており、合格率は15%前後です。
応用情報技術者試験を目指し、さらに将来的な方向性が定まっているのなら、高度情報処理技術者試験も視野に入れて学習を進めていくと良いでしょう。
補足
上記の表「試験区分」にある、「情報処理技術者」の中のレベル4の8種類の試験をIPAでは「高度試験」と呼んでいます。
IPAでは12種類の「情報処理技術者試験」と「情報処理安全確保支援士試験」を区別しています。
詳しくはIPA試験要綱をご覧ください。
高度情報処理技術者については、こちらの記事が参考になります。
基本情報技術者試験の難易度はIT初心者には難しい!対策講座の活用を検討しよう!
この記事のまとめ
- 基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門!
- 基本情報技術者試験はCBT方式で合格率が少し上がった!
- 初学者の独学は時間がかかる
- 独学におすすめの参考書
- おすすめの通信講座はこの2つ
- 基本情報技術者試験に合格したらさらに上の資格を目指してみよう!
いかがでしたでしょうか。
少し情報量が多めでしたね。
IT初学者にとって専門用語を理解することが第一関門です。
独学をして挫折してしまうくらいなら、分かりやすく解説されている対策講座を活用しましょう。
対策講座によって、学習スケジュールも立てられていますし、流れに沿って無理なく学習することができます。
IT関連に勤めたい方、勤めている方、エンジニアやプログラマを目指している方など、IT関連に興味のある方は、まずは基本情報技術者試験を取得することをおすすめします。
そして次はその上の資格を目指してみましょう。
基本情報技術者試験は、将来のキャリアアップの第1歩です。
合わせて読みたい!
基本情報技術者試験の次のステップを目指す方はこちら!