CCNAの難易度は、IT関連資格の中で易しい方です。取得すると、日本だけでなく海外でも評価される資格なので、キャリアアップを考えるなら、早めに取得しておくべきでしょう。
ですが、資格の概要や受験方法がわからず、受験に踏み切れていない方が多くいます。
そこで、この記事では、CCNAの試験概要や基本情報を詳しく解説します。さらに、CCNAの難易度を他の資格と比較しながら解説するので、ぜひ参考にしてください。
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CCNAとは?ネットワークエンジニア向けの資格!
CCNAは、Cisco(シスコ)社によるネットワークエンジニア向けの入門資格です。
ネットワークの世界では、もっとも有名な資格なので、取得しておくと世界に通用します。あくまで入門資格のため、比較的簡単で合格しやすいのが特徴です。
CCNAに合格するための勉強時間の目安や、勉強方法について以下の記事で解説しています。
CCNAの勉強方法については「CCNAの勉強ってどうすればいい?勉強時間の目安や勉強方法など詳しく解説!」で詳しく紹介しています。
正式名称は?「Cisco Certified Network Associate」
CCNAの正式名称は「Cisco Certified Network Associate」です。
「Network」という言葉が用いられているとおり、ネットワークに関する基礎的な知識が求められます。
CCNAの資格を保有していると、ネットワークエンジニアとしての基本的なスキルが身に付いていることを証明できますが、3年という資格保有期限があるので注意しなければなりません。
目まぐるしい進化を遂げるIT業界は、一度保有した資格をいつまでも活用できるわけではないのです。
シスコシステムズ社主催の資格
CCNAを主催するシスコシステムズ社は、世界最大手のネットワーク関連機器メーカーです。
そのため、CCNAは世界基準の資格とされ、ネットワーク業界でもっとも有名な資格といえます。シスコシステムズ社が主催する資格は、CCNAだけではありません。
ネットワークエンジニアに必要なスキルを5つのグレードに分けており、2番目に易しいレベルがCCNAです。
その他のグレードは、以下のようになっています。
- CCENT :エントリー
- CCNA:アソシエイト
- CCNP:プロフェッショナル
- CCIE:エキスパート
- CCAr:アーキテクト
5段階の中で、一番下の「CCAr:アーキテクト」がもっとも難易度が高い資格です。
過去に8種あったものが統一された
CCNAは元々に8種類の資格に分かれていました。
- CCNA Cloud
- CCNA Collaboration
- CCNA Cyber Ops
- CCNA Data Center
- CCNA Industrial
- CCNA Routing and Switching
- CCNA Security
- CCNA Service Provider
- CCNA Wireless
上記の中で「CCNA Routing and Switching」はもっとも人気があり、国内外で多くの受験者がいました。
2020年2月24日にCCNAの大幅な改定が行われ、8種類が1つの資格に統一されたのです。これにより、試験範囲は増えたものの、マニアックな問題は減少したとされています。
何が学べる?ネットワークに関する知識
CCNAの試験では、ネットワーク業界で技術者として働くために必要不可欠な知識が問われます。
合格を目指して学習することで、ネットワークに関する基本的な知識はもちろん、世界シェアが高いシスコ社の製品についての知識を身に付けることが可能です。
圧倒的なシェアを誇るシスコ社の製品を詳しく理解しておけば、日本だけでなく海外でも評価の高い人材になれるでしょう。
メリットは?3つのポイント
CCNAを取得するメリットは、以下の3つです。
- 力を証明できる
- 業務知識が増える
- 仕事をもらいやすくなる
世界的に認められているCCNAを取得すると、スキルの証明につながることはもちろん、業務知識が増え仕事をもらいやすくなります。
さらに、キャリアや収入にも大きく影響するのがCCNAの魅力です。
それぞれのメリットを具体的に確認していきましょう。
力を証明できる
CCNAは世界に通用する資格なので、国内外でネットワークに関するスキルの証明になります。
海外に拠点を置く場合、明確なスキルの証明として役立ち、自分の実力を提示するわかりやすい指標になるのです。シスコシステムズ社が主催する試験なので、出題される問題はシスコ製品に偏ります。
しかし、圧倒的な世界シェアを誇る製品のため、知っておいて損することはないでしょう。
業務知識が増える
CCNAの試験範囲は、ネットワークに関する基礎知識を丁寧に網羅しています。
特定の業務をこなしていると知識が偏る傾向にありますが、CCNAを受験することで不足していた知識を補えるでしょう。
ネットワークについての知識が足りないと感じたら、基礎知識を満遍なく学習できるCCNAの受験をおすすめします。
仕事をもらいやすくなる
CCNAを取得しておけば、国内外で仕事をもらいやすくなります。
取引先や職場内でも評価が高く、優先的に仕事を受けられるでしょう。仕事の受注が増えるほどスキルアップにつながり、技術に磨きがかかります。
ネットワークエンジニアとして活躍の場を広げるには、高い技術が必要不可欠ですので、CCNAを取得することでスキルを向上させていきましょう。
資格は3年ごとに更新が必要!
CCNAを含むシスコシステムズ社が主催する資格は、3年で失効してしまいます。
資格を保持するには、3年以内に同じレベルの資格を再取得するもしくは、レベルの高い資格を取得しなければなりません。
CCNAを取得しても更新を忘れてしまうと、失効になるので注意しましょう。
取得した後も学習やスキルアップを継続し、スムーズに更新できるよう準備しておくことが大切です。
CCNAの難易度は?入門的な資格!
CCNAを受験するうえで気になるのは、試験の難易度ではないでしょうか。
時間をかけて勉強しても、あまりに高い難易度の試験では合格するのが難しいでしょう。そのため、学習を始める前に難易度をチェックしておくことが大切です。
合格に必要な学習時間や、合格率などから難易度を確認していきましょう。
誰向けの試験?初心者にもおすすめ!
CCNAは初心者でも十分合格可能な資格です。
しかし、やみくもに学習するだけではモチベーションを維持できません。まずは、合格までに必要な学習時間や、合格率を確認しておくことが重要です。
CCNAの目安の勉強時間は160時間程度
CCNAに合格するには、160時間ほどの勉強時間が必要とされています。
1日1時間コツコツ勉強すると、6ヶ月で160時間を超え、合格に必要な勉強時間を満たせます。会社に通いながらでも、1日1時間であれば無理なく確保できるでしょう。
学習範囲が広いので、記憶に自信がない人は、ゆとりを持った勉強時間を確保することが大切です。
改正でCCNAの難易度が上がった
2020年までは8つの分野に分かれていた試験が、1つに統一されたことで難易度がアップしました。
その理由は、これまで各専門分野に分かれていた試験内容が統一され、試験範囲が一気に拡大したことです。
ネットワーク基礎に始まり、ネットワークアクセスやIPコネクティビティ、セキュリティなどの範囲から出題されるため、幅広い知識が必要とされます。
試験範囲が広い分、時間をかけて満遍なく学習しておくことが合格への近道です。
偏差値は?やや高め
CCNAの偏差値を他のIT関連資格と比べてみます。
資格 | 資格概要 | 偏差値 |
---|---|---|
ITパスポート | IT基礎に関する国家資格 | 45 |
CompTIA Network+ | セキュリティに特化した認定資格 | 46 |
基本情報技術者 | 情報処理技術系の国家資格 | 49 |
CCNA | ネットワーク基礎に関する認定資格 | 49 |
LinuC | Linux操作に関する認定資格 | 52 |
応用情報技術者 | 基本情報技術者の上位の国家資格 | 65 |
ネットワークスペシャリスト | ネットワークエンジニアの国家資格 | 67 |
ITストラテジスト試験(ST) | 高度情報処理技術についての国家資格 | 70 |
ほかのIT関連資格と比べると、やや高い偏差値といえるでしょう。
合格率は?60%前後
CCNAの合格率は、正式には公開されていませんが、60%前後といわれています。
受験者の2人に1人は合格しているため、時間を確保して学習しておけば問題なく合格できるでしょう。
2020年までは8種類の資格を保有することでCCNAとして認定されていたため、合格するまでに時間がかかり、簡単に取得できる資格ではありませんでした。
8種類の資格が1つに統一されて以降、少ない学習時間で合格可能な資格となったのです。
合格ラインは?8~9割が目安
合格するためには、8〜9割の点数が必要とされています。1,000点満点の試験なので、800〜900点が必要です。
一般的な資格試験は、6割で合格できる場合が多いため、必要な点数から見るとやや難易度が高いと考えられます。
CCNA試験の受験方法は?申し込みから合格までの流れ
CCNA試験を受けるには、以下の2ステップで申し込みする必要があります。
- ビアソンVUEで予約する
- 受験日や会場を選択する
申し込みから受験までの流れを確認していきましょう。
①ビアソンVUEで予約する
まずは、シスコ試験の委託先「ビアソンVUE」に予約します。
国家資格とは異なり、平日であればいつでも試験を受けることが可能です。ただし、試験会場によって定員が決まっているので、事前に確認しておきましょう。
キャンセルや日程変更は、試験日の24時まで手続きできます。
②受験日や会場を選択する
「ビアソンVUE」の画面を開いたら、受験日と会場を選択します。
受験会場は全国のテストセンターになるので、自宅近くで受験可能な場所を探しておきましょう。
受験会場については、こちらからご確認ください。
CCNAと類似資格はどう違う?有名資格と比較!
CCNAのようなネットワーク関連の資格は他にもたくさんあります。
ここからは、ネットワーク関連の類似資格との違いを比較していきます。
比較する有名資格は、以下の5つです。
- 基本情報技術
- 応用情報技術者
- ネットワークスペシャリスト
- CompTIA Network+
- LinuC
それぞれの違いを確認していきましょう。
基本情報技術者との違い
基本情報技術者は、CCNAより優しく合格しやすい資格です。コンピューターやシステムの基本的な仕組みや、ネットワーク・セキュリティの基礎知識が問われます。
エンジニアにとっての入門資格とされているので、CCNAにハードルを感じる場合は、基本情報技術者から受験してみるとよいでしょう。
基本情報技術者については「基本情報技術者の勉強時間を習熟度別に解説!少ない勉強時間で合格する人の特徴も紹介!」で詳しく紹介しています。
応用情報技術者との違い
「応用情報処理技術者」は、基本情報技術者の上位に該当する国会資格です。
CCNAより難易度が高く、合格率は20%ほど。
ITを活かした戦略の立案やシステム設計などのスキルが求められるので、初心者にはかなりハードルが高いでしょう。
ある程度の経験と実績を積んでから受験することをおすすめします。
以下の記事では、「応用情報処理技術者」を取得するメリットについて詳しく解説しているので、合わせてチェックしてみてください。
ネットワークスペシャリストとの違い
「ネットワークスペシャリスト」は、応用情報処理技術者よりさらにレベルが高い国家資格です。ネットワーク分野における最高難易度の資格であり、合格率はわずか10%程度。
CCNAよりも試験範囲が広く、年に1回しか実施されないため、合格するのが非常に難しいとされています。
ネットワークスペシャリストについては「ネットワークスペシャリストは未経験の初心者でも独学できる?おすすめの参考書や勉強方法を解説」で詳しく紹介しています。
CompTIA Network+との違い
「CompTIA Network+」は、IT業界団体の「CompTIA」が主催する認定資格で、IT業務における基本的な技術や応用力が問われます。
世界中で200万人以上が取得する信頼性が高い認定資格です。試験範囲はネットワーク概念やセキュリティなど幅広いですが、1ヶ月ほどの学習期間で十分合格できます。
CCNAと比べても、難易度が低く、合格しやすい資格といえるでしょう。
LinuCとの違い
「LinuC」は、サーバーに用いられるOSのメーカー「Linux」が認定している資格です。
国内のサーバーの約8割に「Linux」のOSが用いられており、WebサイトやWebアプリケーションの制作でサーバーを取り扱う場合、「Linux」に関する知識は必要不可欠です。
暗記やコマンドの記憶で解ける問題が多いので、CCNAよりも簡単な資格といえます。
CCNAと類似資格ならどれを取得すべき?自分のキャリアを見つめて決めよう
ITに関連する資格は、大きく3つに分かれます。
- 情報系
- エンジニア系
- マネジメント系
IT未経験者は、まず情報系の資格取得を目指しましょう。
情報系の資格では、基本的な知識を幅広く身につけられるので、初めて学習する方にも最適です。
以下の資格が「情報系」に該当します。
- 情報系
- ・CCNA
・ITパスポート
・基本情報技術者
スキルを証明するなら、エンジニア系の資格がおすすめです。
以下のような資格が該当します。
- エンジニア系
- ・ネットワークスペシャリスト
・情報セキュリティスペシャリスト
キャリアアップやITコンサルタントを目指すなら、以下のようなマネジメント系の資格がおすすめです。
- マネジメント系
- ・ITストラテジスト
・プロジェクトマネージャ
IT関連の資格取得は、今後のキャリアに大きく影響します。
自分の目標に合わせた資格取得を検討しましょう。
CCNAの難易度は入門者向け!資格取得でキャリアを築こう!
この記事では、CCNAの難易度や資格の基本情報について解説しました。
CCNAの難易度は、ほかのIT関連の資格と比べると、比較的簡単です。
出題範囲は広いですが、160時間ほど学習に充てれば十分合格できる入門者向けの資格といえます。
ITについての知識が少ない方や、これからIT業界への転職を検討中の方は、最初に取得すべきといっても過言ではありません。
国内だけでなく、海外でも評価される資格なので、将来的なキャリアを考えても取得しておいて損はないでしょう。