MOSとは、有資格者のMicrosoftOffice製品(WordやExcelなど)に関するスキルを証明する資格です。
取得すると、オフィス製品の使用について一定レベル以上のスキルを持っていることが証明できます。
この資格を持っていることで、就職や転職時に有利に働く場合もあります。
MOS資格の取得を検討するうえで…
「MOS資格を取りたいが、難易度は?」
「試験対策をどのくらいすればよいのかわからない」
「そもそもエキスパートとスペシャリストの違いは?」
こういった部分が気になるかと思います。
そこで、今回は下記の内容を紹介したいと思います。
- MOSの難易度や対策方法
- 資格取得にかかる時間
- 独学で試験に挑戦する際のポイント
MOSの資格を取得し、自身のスキルアップに目指している方ぜひ、参考にしてみてください。
コンテンツ
MOSの難易度や勉強時間は?スペシャリストとエキスパートで違う!
MOSには『スペシャリスト』と『エキスパート』の2種類があり、それぞれ取得の難易度や目安の勉強時間が異なります。
また、その違いとしては以下のようになります。
- スペシャリスト:実務に必要な基本的な知識や操作を理解してる
- エキスパート:業務改善などのよりハイレベルなスキルを有する
自身に必要なスキルレベルを見極め、どちらを取得するかを選びましょう。あまり、PCの操作に慣れていない方はスペシャルストから始めるのがオススメです。
次にそれぞれのレベルでの難易度や必要な勉強時間にどんな違いがあるかをご紹介します。
MOSスペシャリストの取得難易度は?合格率は約80%!
MOSスペシャリストは『基本的な編集機能や操作を理解している』一般レベルで、取得難易度はそれほど高くありません。
合格率も約80%で、点数の基準が1000点中700点と比較的合格しやすい試験と言えます。
これまでオフィス製品を使用してこなかった方の場合、必要な勉強時間の目安は60~80時間と言われています。
1日2~3時間勉強できるのであれば、1カ月程度が目安になります。
パソコン自体に不慣れな方は、半年~1年程度前から余裕をもって勉強を開始し、まずはパソコンの操作から慣れていく必要があるでしょう。
MOSエキスパートの取得難易度は?合格率は約60%!
MOSエキスパートは『基本的な高度な機能を理解している』上級レベルで、より難しい試験となっています。
合格率は約60%で、合格基準はスペシャリストと同様、1000点中700点が目安となります。
ただ、合格基準は同じですが難易度は違うのでそれなりの準備が必要になります。
オフィス製品を業務などで使用して慣れている人であれば、目安の勉強時間は約30~50時間です。2週間~1ヶ月を目安に勉強期間を設けるのが良いでしょう。
また、エキスパートの場合、その中でもパート1とパート2の2つがあります。
ここからはこの2つの違いを解説していきたいと思います。
MOSエキスパートはパート1とパート2に分かれる
MOSエキスパートのパート1とパート2の違いですが、以下のようになります。
出題範囲 | パート1 | パート2 |
ブックの管理と共有 | ブックの変更を管理する | 複数のブックを管理する 校閲用にブックを準備する |
ユーザー設定の書式やレイアウトの適用 | 詳細な条件付き書式やフィルターを適用する ほかの言語やユーザー補助機能に対応したブックを準備する | ユーザー定義の表示形式をデータに適用する ユーザー設定のスタイルやテンプレートを適用する |
高度な機能を使用した数式の作成 | 関数を使用してデータを検索する 高度な日付と時刻の関数を適用する | 数式に関数を適用する シナリオを作成する |
高度な機能を使用したグラフやテーブルの作成 | 高度なグラフ要素を作成する ピボットテーブルを作成する、管理する | ピボットグラフを作成する、管理する |
出題範囲に大きな差はありませんが、内容がそれぞれで少し異なっています。
MOSの難易度順は?簡単なのはスペシャリスト
「それぞれの違いはわかったけど、どちらから受験すればいいの?」
「スペシャリストとエキスパートで難易度は違うの?」
MOSのスペシャリストとエキスパートを比較した際に、難易度としてはスペシャリストの方が簡単です。
また、その理由としては以下になります。
- スペシャリストの場合、出題範囲が一般レベル(普段よく利用される基本的な機能が中心)となる為
- エキスパートの場合、Part1とPart2の両方を合格しなければならない
普段からExcelを使用しているのであれば、エキスパートからの受験で問題はありません。
一方で、Excelの使用に慣れていないor基礎から学び直したいという方はスペシャリストからの受験がオススメです。
MOSの試験科目や範囲は?自分の取得したい科目をチェック!
MOSの試験科目は、下記の通りオフィス製品のソフトごとに5種類あります。
- Word ワード(文章作成ソフト)
- Excel エクセル(表計算ソフト)
- PowerPoint パワーポイント(プレゼンテーション ソフト)
- Access アクセス(データベース管理ソフト)
- Outlook アウトルック(電子メール・情報管理ソフト)
WordとExcelが人気の高い科目です。詳しい資格の種類や出題範囲を次から紹介していきます。
こちらから公式の詳細範囲も確認できるので、より詳しく確認したい方はチェックしてみてください。
MOSの資格の種類はどんなものがある?科目は全5種類
MOSの資格の種類は科目、バージョン、難易度ごとに分かれています。
科目はそれぞれのソフト5種類で、バージョンは2013、2016、2019があり、難易度が先ほど解説したスペシャリストとエキスパートの2種類です。
バージョンごとには大きな違いはありませんが、出題形式が変わるため自分が普段使用しているバージョンの試験を受けるのがよいでしょう。
試験科目一覧は下記の表を参考にしてください。
試験科目 | ソフトの内容 | スペシャリスト | エキスパート |
---|---|---|---|
Word | 文書作成ソフト | Word 365&2019 Word 2016 Word 2013 | Word 365&2019 エキスパート Word 2016 エキスパート Word 2013 エキスパート Part1 Word 2013 エキスパート Part2 |
Excel | 表計算ソフト | Excel 365&2019 Excel 2016 Excel 2013 | Excel 365&2019 エキスパート Excel 2016 エキスパート Excel 2013 エキスパート Part1 Excel 2013 エキスパート Part2 |
PowerPoint | プレゼンテーションソフト | PowerPoint 365&2019 PowerPoint 2016 PowerPoint 2013 | – |
Access | データベース管理ソフト | Access 2016 Access 2013 | Access 365&2019 エキスパート |
Outlook | 電子メール・情報管理ソフト | Outlook 365&2019 Outlook 2016 Outlook 2013 | – |
次に、具体的にどのような問題が出題されるのか見ていきましょう。
それぞれの資格の出題範囲を簡単に解説!
受験者が多い試験のひとつ、WordとExcelの難易度ごとの試験範囲を公式サイトから簡単にご紹介します。
Wordの難易度ごとの出題範囲は下記の通りです。
- スペシャリスト:文字サイズやフォントの変更、表の作成・編集、作成した文書の印刷など
- エキスパート:スタイル機能や目次・索引作成などの長文機能、他のアプリケーションソフトからのデータ取り込みなど
Excelの難易度ごとの出題範囲は下記の通りです。
- スペシャリスト:数式や基本的な関数の作成、セルの書式設定、グラフ作成など
- エキスパート:ピボットテーブルなどのデータ分析、条件付き書式や入力規則の設定、マクロの作成・編集など
自分の習熟度に合った難易度で試験に臨みましょう。
MOS難易度別の対策方法は?習熟度ごとに解説!
MOS試験に向けたおすすめの試験対策方法を、習熟度別に下記の3つに分けて解説します。
- オフィス製品に慣れている人⇒独学で合格を目指す
- オフィス製品に不安がある⇒予備校の活用を検討
- パソコン初心者⇒パソコン教室に通う
下記の記事にも試験対策方法について詳しく説明されていますので、ぜひご覧ください。
それぞれの習熟度でおすすめの勉強方法を、次から順に解説していきます。
【オフィス製品に慣れている】独学で合格を目指せる!
仕事でオフィス製品を使用していているなどで、オフィス製品に既に慣れているひとは独学で合格を目指すことが可能です。
ただし、この場合の“慣れている”はスペシャリストを目指す方とエキスパートを目指す方では少し違いがあります。
- スペシャリスト:簡単な操作や基礎的な知識が理解できている
- エキスパート:実際に実務で使用している
自分自身がどちらに分類されるかを考えながら学習を進めていきましょう。
スキルにやや不安がある場合は、スペシャリストに向けた内容からスタートしましょう。
もし簡単に感じる方は、ぜひエキスパートの取得を視野に入れて勉強してみてください。
MOS試験の公式サイトにおいて、参考テキストが紹介されています。
MOSの独学におすすめのテキスト
学習において公式サイトのテキストを利用するのもありですが、まだ購入していないなら一般で販売されているテキストも検討してみましょう。
学習効率をアップさせるには自身にあったテキストを選ぶのが一番です。
ここでは、おすすめのテキストをWord/Excel分野に絞って3冊ピックアップしました。
MOS Excel 365&2019 Expert対策テキスト&問題集 (よくわかるマスター)
MOS Excel 365&2019 Expert対策テキスト&問題集 (よくわかるマスター)
<特徴>
・出題範囲を100%網羅!
・Excelのスキルをチェックできるチェックシート付き!
・本試験さながらの模擬試験を体験!
・試験中でも各問題を採点できる自動採点プログラム!
<価格>
・¥3,410-
<備考>
・Word/Powerpoint/Acces版の書籍もあるので、そちらの資格を取得したい方もぜひ参考にしてみてください。
30レッスンで絶対合格! Microsoft Office Specialist Word 2013 テキスト+問題集
30レッスンで絶対合格! Microsoft Office Specialist Word 2013 テキスト+問題集
<特徴>
・試験の出題範囲「内容評価基準」を完全に網羅
・Office本来の学習しやすさを考慮したオリジナルのカリキュラム順に再構成
・ 自動採点プログラム付き
・本番さながらの模擬テストで試験対策はばっちり!
・弱点の重点学習機能
<価格>
・¥1,958-
<備考>
・Excel版の書籍もあるので、そちらの資格を取得したい方もぜひ参考にしてみてください。
MOS攻略問題集Excel 365&2019エキスパート
MOS攻略問題集Excel 365&2019エキスパート
<特徴>
・模擬練習問題
・模擬テストプログラム
・MOS試験の出題範囲を完全に網羅
<価格>
・¥3,300-
<備考>
・Word版の書籍もあるので、そちらの資格を取得したい方もぜひ参考にしてみてください。
【オフィス製品に不安がある】予備校の活用を検討しよう!
スペシャリストでの受験を目指している、オフィス製品は普段使用せず不安があるor基本操作しかできないという方には、予備校の活用をおすすめします。
予備校を利用すれば、ポイントを押さえて効率よく学習を進めることができ、オフィス製品に不慣れでも短期間での合格を目指せます。
できれば独学で合格を目指したいという方は、参考テキストを書店などで見て、難しそうと感じるのであれば予備校を検討するのが良いでしょう。
一方、エキスパートを目指す方の場合だと、短期で合格したいという場合には受講のメリットがあるかと思います。
【パソコン初心者】パソコン教室に通おう!
オフィス製品はもちろん、パソコン自体に不慣れな初心者の方は、パソコン教室に通うことをおすすめします。
こちらは完全にゼロベースからの学習なのでスペシャリストでの資格取得を目指す方の受講が大半かと思います。
日常的にパソコンに触らない人が独学で勉強するのは、少し大変です。パソコン教室に通うメリットとしては、着実にスキルが身につくという点です。ただ、一方で時間とお金がかかってしまい、本来のMOSの勉強から遠ざかってしまうというのがデメリットかもしれません。
その為、パソコン教室の学習を考える場合は十分にスケジュールに余力を持って取り組みましょう。
MOS以外にもある!ビジネスシーンで使える資格を紹介
ここまではMOSの特徴や資格取得に必要な情報をご紹介してきました。
ここからはMOS以外でビジネスシーンで活用できる資格もご紹介したいと思います。
今回、ご紹介するのは以下の2つです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者
こちらはIT系の資格に分類されるものになります。
近年、事務職のカバーする役割が拡大しており、事務職の方が社内のヘルプデスクやユーザーサポート的な業務を担うケースも増えてきました。
つまり、MOS(事務の実務的なスキル)+IT系の知識を合わせることで、あなたの市場価値をより高めることができます。
折角の機会ですので、ぜひ参考にしてみてください。
基本的なIT機器操作を身に付けたいなら?ITパスポート
ITパスポートとはITに関する基礎的な知識が証明できる資格のことです。
また、ここで学べる知識の中には情報セキュリティやコンプライアンスに関するものも含まれているので、一般事務職以外にも労務関係の業務に就業する際にも活かせる資格になります。
また、内容としても基礎的な部分になるので初めて勉強する方ににもオススメです。
資格取得に興味がある場合は「ユーキャンITパスポート試験講座の口コミ評判を紹介!他社との料金比較や特徴も一挙解説します」も参考にしてみてください。
本格的な知識を身に付けたいなら?基本情報技術者
基本情報技術者はより高度なITの知識を取得したいプログラマー・システムエンジニア向けの資格となっています。
これだけ聞くと事務の関連性がイマイチ湧きませんが、この資格は一般事務職というよりは製造現場などの工程管理や改善業務などの事務作業に従事される方が取得するとメリットがあるかと思います。
こちらの資格取得に挑戦してみたい方は「基本情報技術者の勉強時間を習熟度別に解説!少ない勉強時間で合格する人の特徴も紹介!」を参考にしてみてください。
MOSの難易度は2種類ある!習熟度に応じた対策で合格しよう!
オフィス製品のスキル向上を目指す方に向けて、MOS試験について解説してきました。
改めて内容をご確認ください。
- MOSのスペシャリストは比較的取得しやすく合格率は80%程度で、必要な勉強時間は約60~80時間
- MOSのエキスパートは合格率60%程度で、必要な勉強時間はオフィス製品に慣れている人で約30~50時間
- オフィス製品に慣れている人は独学で合格を目指せる
- オフィス製品に不安がある人は予備校を利用して勉強するのがおすすめ
- パソコンに不慣れな人はパソコン教室に通うのがおすすめ
- MOS試験はソフトごとの科目、バージョン、難易度によって選択ができる
自分に合ったレベルの試験を、自分の習熟度に沿って学習を進めるのが合格への近道です。
MOS試験は、一般的に合格しやすい試験と言われていますので、何か資格を取りたい方はぜひ受験を検討してみてください。