ネットワーク系に限らず、エンジニアの実力は基本的に積み上げてきた実績で判断されます。
「じゃあ、初心者はどうやって自分の実力を示せば良いのか?」
結論としては、ITに関連する資格を取るのが有効です。
IT系の人材を採用する側の立場としては経験者であることに越したことはありません。
しかし、市場としてIT経験者は貴重な為、採用するのは困難です。そうなると、未経験者を育てるという発想に至ります。
その際に、IT系の資格を持っていることで…
”最低限、このレベルの知識を有している”ということの証明になります。
そこで今回は数あるIT系資格の中で、ネットワークエンジニアの基礎資格となるCCNAについて解説したいと思います。
具体的には…
- CCNAはどんな資格か?
- 独学で取り組む際の注意点
- テキストやスクールの選び方
- 試験概要について
上記の4点を中心に書いていきます。ぜひ、参考にしてみてください。
コンテンツ
CCNAってどんな資格?ネットワークエンジニアの基礎資格
CCNAはCisco(シスコ)社によるネットワークエンジニア向けの入門資格であり、内容としてはネットワークに関する基礎的な知識を網羅しているものとなります。
シスコシステムズ社内での位置付けとしては…
- CCENT :エントリー
- CCNA:アソシエイト
- CCNP:プロフェッショナル
- CCIE:エキスパート
- CCAr:アーキテクト
上記の5段階があり、下に行くに連れて難易度は上がってきます。
また、CCNAを取得するメリットとしては以下のようなものがあります。
- ネットワークエンジニアとして最低限の知識を有していると認められる
- 自分自身のスキルの習熟度合いを確認できる
その為、これからITエンジニア目指すor少し実務経験がある方にはオススメの資格となります。
CCNAを独学で取得する場合の勉強時間は?約160時間程度必要!
CCNAを独学で合格するための勉強時間としては、目安として160時間程度と言われています。
ただ、IT未経験の初学者の方は200時間程度の幅を持たせておいた方がスケジュール的には楽になるかと思います。
また、1日あたりの勉強時間位ついては30分などの細切れではなく、1-2時間程度のまとまった時間で考えた方が良いです。
理由としては、IT系の知識は体系的にまとめて覚える方が効率的だからです。
では、ここからは…
- 試験の対策方法
- 試験の難易度
この2点について説明したいと思います。
基本資格とはいえ難易度はそれなり!対策が必要!
前述の通り、資格としては基礎の分類に入りますが対策は必要です。
CCNAの合格点は1000点満点中800-900点ぐらいです。つまりは、8割の正答率を確保できないと資格が取得できません。
IT未経験の方はもちろん、経験者の方でも試験で初めて見るような知識などもあるので学習に苦戦する部分も予想されます。その為、合格に向けた対策は必要です。
やるべき事としては…
- 試験範囲に沿った基礎知識の習得
- 問題集などを利用したアウトプットを繰り返す
- スキマ時間の活用
- 実際に自分で手を動かしてみる
上記のようなものがあります。より具体的な取り組み方に関しては、後ほど解説したいと思います。
難易度の推移は?2020年にやや難化
そもそも、基礎的な資格と言われながら対策が必要となってしまったのは何故でしょうか?その原因は、2020年以降にシスコ技術者認定試験でおこなわれた試験変更にあります。
従来のCCNA試験では10個の専門技術に分類されており、細分化された専門分野から選択して受験するスタイルでした。
しかし、2020年の改訂時にこれらが1つに纏められた為、受験者の勉強する負担が大きくなりました。その為、初学者の方にはより難易度が高くなってしまいました。
ただ、裏を返せば修得できる知識やスキルの幅が広くなったので、有資格者の市場価値も高くなることが予想されます。
CCNAの勉強方法は?合格までの流れをイメージしよう
「じゃあ、具体的にどんな対策をすれば良いのか?」
「勉強スケジュールはどのように立てれば良いの?」
これから勉強に取り組む上で、こういった悩みがあるかと思います。まず、勉強のスケジュールとしては大まかに以下のようになります。
- 試験範囲に沿って、ネットワークの基礎知識を身につける
- CCNAの問題集を繰り返し解く
- 試験対策問題などに取り組み、本番の流れを把握する
- 実機に触って理解を深める(出来れば…)
上記を踏まえ、ここからは具体的な勉強方法として以下の3点を解説していきます。
- 本・参考書について
- 問題演習の取り組み方
- すき間時間の有効活用方法
まずは何からするべき?本・参考書を理解しよう!
まず、基礎知識を身につける為にも本や参考書の購入は必須です。その際には以下の観点で購入を検討しましょう。
- 膨大な試験範囲に対して要点が絞られている
- 問題に対する解説が丁寧にされている
- 図や表などで知識が体系的に理解しやすい
- 自身の受験スケジュールまでに使い切れる
基本的に本や参考書は1冊で本番まで使い込む前提で買いましょう。
また、自身の学習スケジュールや知識レベルに対応していないモノを購入すると途中で挫折しやすくなってしまうので注意です。
インプットとアウトプットを同時に!問題演習をしよう!
次に注意すべき点としてはインプットと並行してアウトプットを同時に取り組むことです。というのも、人の脳はアウトプットすることで知識の定着率がより高くなります。
その際に有効な手段としては…
- 覚えた知識を人に説明する
- 問題集などで過去問に取り組んでみる
- 学習アプリなどを活用して実践感覚で知識を身につける
上記の3つがあります。1に関してはハードルが高いので、2.3を実践するのが現実的かと思います。
問題集を使ったアウトプットに関しては、間違った部分の解説を熟読し、復習するという取り組みが良いです。
他にもシスコの公式サイトでは練習問題が公式で公開されているのでこちらもチェックしましょう。また、最近は学習用のアプリも充実してきており、より実践的な形式で学習することも可能です。
すき間時間の有効活用!CCNA勉強アプリを試そう!
「勉強したいがなかなかまとまった時間を確保できない」
「スキマ時間を活用して勉強したい」
こういった方の場合はアプリを使った勉強がオススメです。僕がお勧めするのは以下の2つです。
- Ping-t
- クラムメディア
それぞの機能と特徴を解説していきたいと思います。
Ping-tとは?
<概要>
・Ping-tとは、CCNAなどをはじめとしたIT系の資格取得を目指す人向けの学習サイトになります。その特徴としては問題集や助け合いフォーラムといったコンテンツをアプリで利用できる点です。
<特徴>
・コマ問:コマンド入力練習や単元別での勉強が可能。
・暗記ドリル:サブネットマスクの計算スピード向上に向けて、何度も問題を得ことが可能。ネットワーク設定の読み取りや計算対策に活用できます。
・最強WEB問題集:問題に対する解説も丁寧に作られています。また、コマ問と並行して活用することで学習効率がUPします。
・Drag&Drop:CCNAの試験では選択肢の項目を適切な領域にDrag&Dropという問題があります。選択肢問題とは違い、正しい組み合わせを選ぶ必要があるのでここで慣れておきましょう。
<利用料>
・無料
クラムメディアとは
<概要>
・Ping-t同様、CCNAの学習するにあたって有名なサイトです。特筆すべき点はその予想問題の的中率の高さ。その確率は70-80%程度。
<特徴>
・予想問題集:的中率が高く、問題数も500問前後と短時間での学習が可能。
・スマホ利用可:通勤時間での学習ができます。
・トレーニングモード:2回正解した問題は出題しないなどの効率化で、苦手部分を重点的に潰せる。
・テストモード:制限時間付きで、本番さながらでの学習が可能。
<利用料>
・30日間 ¥9,000
・60日間 ¥12,000
・90日間 ¥15,000
・120日間 ¥18,000
初心者向けCCNA勉強方法は?独学が不安ならスクールを検討しよう!
ここまでご紹介した勉強方法やスケジュールを順調にこなせば、初心者の方でも独学で十分に合格は可能です。
しかし、初心者が独学の際に挫折する大きな理由として以下の2つがあります。
- 学習スケジュールが立てられない
- 学習を継続するモチベーションが続かない
こういった場合は、スクールを活用してみるのもアリです。受講費用などはかかりますが、スケジュールや取り組むべき項目を具体的に提示してくれるので、迷わず学習に取り組めます。
ここでは、参考として初心者にオススメしたいスクールをご紹介したいと思います。
ShareWis
<特徴>
・短時間学習:すべての単元が10分程度で構成されており、短時間での学習が可能です。
・模擬問題:最新の試験に対応済。その問題は常に本番を想定して厳選されています。
<料金>
・44,000円
<サイト>
株式会社シェアウィズ コーポレートサイト
ウズウズカレッジ
<特徴>
・完全eラーニング型:全教材が動画となっているので好きな時間での学習が可能です。
・1on1型のフォロー体制:1人に対して担任講師がつき、学習サポートをしてくれます。
・就業サポート:ウズウズカレッジでは転職サポートなどもおこなっており、学習後も資格を活かした仕事を探すことが可能です。
<料金>
・33,000円
<サイト>
ウズウズカレッジCCNAコース
KENスクール
<特徴>
・個別指導学習:受講生の経験の有無やスキル感に合わせて講師が指導してくれます。
・実機操作を使った学習:全校舎にCisco社製のルータとスイッチを多数取り揃えており、実際に手を動かしての学習が可能です。
<料金>
・238,700円
<サイト>
KENスクール CCNA講座
CCNAのテキスト選びの注意点!改定後に対応しているかチェック!
先ほど、参考書を購入する際に注意すべき点をいくつか説明しました。ただ、もう1つ絶対に注意すべき点がもう1つあります。
それは、”改定後の問題に対応しているか?”です。
改訂前の古い試験内容の参考書や対策テキストを購入してしまうと間違った知識を覚えてしまいます。
これを後々に修正するのは少し手間がかかってしまいます。また、その改訂部分が原理等に関わるモノだった場合、それ以降に関連づけて覚えた知識が無駄になるというリスクもあります。
なので、テキストを購入する際には最新版のモノを購入しましょう。具体的にはテキストに「改訂版対応」といった表記があれば問題ありません。
CCNAの試験受験方法は?申し込みから受験までの流れを紹介!
「資格の概要は分かったけど、受験方法はどうすれば良いのか?」
「試験概要などの詳細を知りたい」
「申し込みの際に注意すべき点はあるのか?」
いざ、受験を考えた際にこういった悩みはつきものです。
ここからは、申し込みから受験までの流れを説明したいと思います。
試験概要
<申し込み方法>
ピアソンvueのサイトにて、登録・申し込みが可能です。その際に受験日やテストセンターを選びましょう。※キャンセルや予約変更は48時間前までであれば可能です。
<CCNA受験当日の流れ>
テストセンターにて受付を済ませる。※試験名・時間・氏名を控えておきましょう。その後、本人確認の写真撮影と署名を済ませ、手荷物をロッカーにしまいます。専用のメモとペンを受け取り試験開始となります。
結果については、試験終了と同時に即日公表されます。試験終了後に署名後、結果を受取り終了となります。
<試験概要>
・試験日 月〜土曜日 ※日曜・祝日は除く
・受験料 33,600円(税別)
・試験時間 120分
・出題形式 CBT方式(PCを使った試験)
・会場 最寄りのピアソンVUE公認試験会場
<その他>
・資格は3年ごとに更新が必要となります。また、更新には同レベルまたは上位資格を受験して合格する必要があります。
CCNAの勉強には160時間程度必要!独学が不安ならスクールを活用しよう!
最後にここまでの内容をおさらいしてみましょう。
- CCNAはネットワークエンジニア向けの基礎的な資格である
- 独学の場合、勉強には160時間程度必要
- 独学が不安な場合はスクールなどを活用するのも○
今回の記事を参考に、資格取得に向けて頑張ってください。
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