IT業界で上流工程に関わる仕事のひとつがシステムアーキテクトです。SAと略されることも多いですね。システムの開発に欠かせない立場として、プログラミングやシステムを調整・設計・現場の管理に関わる立場で働けます。
システムアーキテクトの資格を取るには、試験を受験する必要がありますが、難易度はどのくらいに当てはまるのでしょうか。
- IT業界での実務経験があるため、スキルアップで試験に挑戦したい
- 趣味でプログラミングに関する知識を学んでおり、IT業界に転職活動したい
- 就職や転職活動でのアピール材料として試験に合格したい
以上のような気持ちを持たれている方は、システムアーキテクトの試験に合格してスムーズに就職へ活かすためにも、事前に年収や業務内容の情報を集めるための参考にしてください。
おすすめの勉強法もぜひお役立て下さい。
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システムアーキテクトの資格の難易度や勉強時間は?
ITシステムの根幹に関わる仕事を任されるため、システムアーキテクト試験は、非常に高い難易度といえるでしょう。
難易度の高い資格であるからこそ、情報を知って試験対策につなげるためにも、システムアーキテクト試験の合格率・勉強時間を解説します。
システムアーキテクトの合格率はなんと15%以下!
システムアーキテクト試験の合格率は、約12~15%台で推移しています。難易度の高さがわかりやすい数字でしょう。
平成27年度 13.2%
平成28年度 13.9%
平成29年度 12.7%
平成30年度 12.6%
令和1年度 15.3%
上記の合格率をご覧いただければすごい資格なんだということがわかりやすいかと思います。ITに関わる試験はほかにもありますが、システムアーキテクトの合格率は、比較的低い数字といえるでしょう。
現場での実務経験がある方、ITに関する知識のある方は、合格する確率が高くなる可能性がありますが、初心者の方にはかなり高い難易度といえるため、徹底的な試験対策に取り組んでください。
システムアーキテクトの合格に必要な勉強時間
システムアーキテクトは非常に難易度の高い資格です。システムアーキテクト試験は、100~200時間程度を目安に勉強を始めましょう。エンジニアとしてある程度知識がある前提になるため、初心者の方が独学する場合は、もう少し長い勉強時間がかかることもあるでしょう。
ITの基本知識や実務経験がある方は、100時間以下の勉強時間で合格された方もおられます。
仮に200時間の勉強時間のスケジュールを立てるときは、下記の例を参考にしてください。
*200時間の勉強で合格する場合(約3カ月)
200時間÷90日=1日約2~3時間の勉強が必要
午前の対策は、通勤時間や空き時間を活用して暗記する形で対応して、午後の対策は休みの日にまとまった時間をかけて勉強時間を確保していくのがベストです。
記述や論述にどのくらいの時間がかかっているか、おおまかな時間を意識しながら勉強時間の確保、対策を進めましょう。
システムアーキテクトの試験の難易度はどのくらい?他のIT資格とも比較!
情報処理技術者試験のひとつであるシステムアーキテクトについて、どのくらいの難易度にあたるのか、内容を確認していきましょう。
IT系資格の中では最高の難易度
システムアーキテクト試験は、IT資格の中でも最高の難易度といえます。
どのくらい難しいのか、システムアーキテクト試験とほかのIT系資格の難易度と比較してみましょう。
- ITパスポート(スキルレベル1):ITの基本知識を学びたい初心者におすすめ。
- 基本情報技術者(スキルレベル2):システム開発に関わるITの応用知識が学べる内容。
- 応用情報技術者(スキルレベル3):現場に活かせる高いIT技術が身につけられる内容。
スキルレベル4に当てはまるシステムアーキテクト試験は、IT資格の中でも難易度が非常に高いため、最善を尽くして対策に挑む必要があります。
*ITパスポート・応用情報技術者の試験に関する詳細は、下記のページを参考にしてください。
システムアーキテクト試験の勉強法
難関資格であれば尚更、勉強方法についてはしっかりと計画を立てる必要があります。難易度の高いシステムアーキテクト試験の勉強方法については、独学または資格講座を通して対策を進めていきましょう。
下記では、それぞれの勉強法についてメリットとおすすめの参考書・資格講座を解説します。
【おすすめの勉強法①】参考書を利用しよう!
システムアーキテクト試験は、参考書や問題集を活用して独学で進める勉強法もあります。
システムアーキテクト試験におすすめの参考書は、下記の2冊です。
- 情報処理教科書 システムアーキテクト(午前Ⅱ・午後I・午後Ⅱに対応)
システムアーキテクト試験の王道本で、230万部が発行されている参考書。午前Ⅱ、午後I、午後IIの試験が項目ごとにわかりやすくまとめられています。
- 徹底解説 システムアーキテクト 本試験問題(過去問題集として活用)
3期分の過去問題が収録された一冊。資格講座を運営するアイテックが出版しているため、解答シートや解説をインターネットからダウンロードして試験対策に使えます。
参考書は大きめの書店やインターネットから購入できるため、サンプルを確認しながら気になる内容を選んでみてください。
【おすすめの勉強法②】資格講座を利用して効率的に勉強しよう!
システムアーキテクト試験の勉強には、各資格講座のサービスを使って進める勉強法もあります。
インターネットから見られる教材を活用したり、添削課題に取り組んだりするなど、サービスを通して受験者の勉強時間が時短できるでしょう。
午前と午後の対策を効果的に取り組みたい方は、下記で紹介するおすすめの資格講座「アイテック」と「資格の学校TAC」をご検討ください。
システムアーキテクト【SA】|アイテック
資格講座のアイテックでは、システムアーキテクト試験の対策講座が実施されています。
初心者の方におすすめのスタンダードコースでは、テキストや問題集を使って午前から午後までの項目が効率よく理解できるでしょう。
eラーニングシステムや論文添削を通して自身の理解度がわかるため、試験本番までに必要な力を身につけられます。
午前や午後だけに絞ったコースもあるため、自分の理解力や基礎知識に合わせて受講してみてください。
システムアーキテクト|資格の学校TAC
多くの合格者を出しているシステムアーキテクトの資格講座です。対面型の授業を受けている感覚で、スマホやパソコンから講義の動画が視聴できる勉強法を通して、何度も繰り返し学習しましょう。
本科生または本科生プラスコースでは、午後の論述式に向けて本格的な対策ができる内容で構成されているため、ほかの受験者と差をつけられます。
インターネットから見られるWeb通信講座、または自宅のテレビで視聴できるDVD通信講座を選び、本番に向けて効率よく理解を進めましょう。
システムアーキテクト試験とは?概要と関連資格をご紹介!
システムアーキテクトの試験では、ITのシステム開発に関わる専門知識が問われる内容です。
ITに関わる仕事に携わりたい方は、将来への投資も兼ねてシステムアーキテクト試験にチャレンジしてみましょう。
以下では、システムアーキテクトの試験概要や必要な知識、情報処理技術者試験に関する内容をまとめています。
システムアーキテクトの試験概要
システムアーキテクトの試験内容は、以下の4つにわけられています。
- 午前I(50分):多肢選択式(30問出題)
- 午前Ⅱ(40分):多肢選択式(25問出題)
- 午後I(90分):記述式(4問出題のうち、2問解答する)
- 午後II(120分):論述式(3問出題のうち、1問解答する)
試験は1日のうちの午前と午後にわけて、朝から夕方まで途中で昼休憩を挟んで4回実施される流れです。
午前Iと午前Ⅱでは、4つの選択肢から1つを選ぶ方法で解答していきます。午後Iでは、自分で正解の言葉を考えて書き、午後IIは指定の文字数で文章を解答する形式です。
システムアーキテクトに要求される知識や能力
試験では、IT技術と知識に関する幅広い理解が求められます。情報システムなどのシステム開発に欠かせない要件の定義、設計、現場を動かせるだけの能力や実力も求められるでしょう。
それぞれ4つの試験内容は違うため、対策するときもひとつずつ内容を理解する必要があります。とくに、午後の記述式と論述式は、問題に慣れておくためにも、過去問題集を活用して繰り返し対策しましょう。
システムアーキテクト試験では、ITのシステム開発を成功させるために必要な高度な専門知識と能力が問われる内容です。
【IT関連資格】情報処理技術者試験について
国の機関がITに関する技術を向上させるために始められたのが情報処理技術者試験です。IT関連の資格は非常に人気が高く、受験者数も年々増えています。
情報処理技術者試験は13種類にわけられており、システムアーキテクト試験はそのうちのひとつにあたります。
- ITパスポート試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- ITストラテジスト試験
- システムアーキテクト試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- ITサービスマネージャ試験
- システム監査技術者試験
- 情報処理安全確保支援士試験
システムアーキテクト試験に合格したあとも、まだまだスキルアップは可能です。
将来は、情報処理技術者試験の国家資格にあたる「情報処理安全確保支援士試験」を目指す方法もあるため、長期的にIT業界で活躍していきたい方はぜひ参考にしてください。
システムアーキテクト資格保有者の年収や業務内容は?
システムアーキテクト試験に合格するときには、勉強のモチベーションをあげるためにも、実際に働く未来の姿をイメージしておきたいところです。
下記では、システムアーキテクトに関わる現場のリアルな年収・業務内容をリサーチしました。年収や業務内容を知ることでシステムアーキテクトの資格取得後のイメージが持てれば幸いです。
システムアーキテクトの年収
システムアーキテクトの年収について気になる方は少なくありません。システム開発に関わるシステムアーキテクトの平均年収は約700万円台です。一ヶ月あたりの給料は60万円程度で、一般的なサラリーマンに比べると高収入が期待できるでしょう。
会社の規模や業績、本人のスキルによっても年収は変動しますが、地方よりも都会のほうが収入は高い傾向にあります。
経験を積んでスキルアップすると、さらに年収があがりやすくなる傾向があるでしょう。システムアーキテクトは難関資格だけ合って、高年収を狙いたいという方におすすめのすごい資格です。
システムアーキテクトの業務内容
仕事内容の中心は、システム開発に関する大元になる設計です。ほかにも、発注者と作り手側のイメージをすりあわせていく仲介役にもなります。
工程を進めるうちに起こるトラブルの対処を始め、事前にトラブルが起きないように環境を整えることも仕事です。
システムアーキテクトの仕事は、上流工程が円滑に進むための調整役としても活動するため、大きな責任感が伴う内容といえるでしょう。
システムアーキテクトの資格取得を活かせる仕事については、リクナビNEXTで調査した求人を参考に業務内容の例をいくつか紹介します。
1,システム開発のリーダー職
会社が提供するサービスのシステムに関する調整を始め、新しいシステム開発の企画・要件定義など、社員をまとめて成果を出す役回りとして活躍できます。
営業や管理に関わる部署など、作業工程が円滑に進むように調整していくのも仕事です。
募集条件には、システム開発に関わった経験が必要なことが多いでしょう。これからスキルアップしていきたい方ピッタリです。
業界経験が浅い方は、未経験から応募できるIT関連の求人もあるため、経験を積んでスキルをあげてから挑戦してみましょう。
2,インフラの設計・運用担当のエンジニア
システムアーキテクトのSAに対し、システムエンジニアはSEと略されることも多いですね。人気の仕事でしょう。生活に欠かせないインフラに関するシステム設計・運用担当ができる求人も多くあります。
仕事内容には、サーバーやセキュリティ対策の設計など、エンジニアとしての基本的な技術が身につけられるでしょう。業界経験未経験の方がスキルアップを目指すときにもおすすめです。
会社によっては、試験に関する支援金が出る場合もあるため、事前に試験に合格しているとアピール材料につながるでしょう。
ITに関わる技術を深めたい方はまずはエンジニアの仕事からスタートしてみてください。
3,システムコンサルタント
ITのシステム開発に関する相談を中心に担当する業務で、ほかの企業のシステムに関する改善点を模索してアドバイスすることも仕事です。
ほかにも、クライアントと企業の意見を調整する役割など、システム開発に関する教育など、幅広くコンサルティングしていきます。
システムアーキテクトの専門知識や技術についての現場経験がある人におすすめです。試験に合格すると経歴を補強する材料につなげられるでしょう。
相談やアドバイスの仕事に関わることで、業務全体の内容を把握することにもつながり、将来的なスキルアップにつながることが期待できます。
難関だが、高収入を狙えるすごいIT資格!システムアーキテクトを目指そう!
システムアーキテクト試験の難易度を中心に、年収や業務内容を解説してきました。
情報処理技術者試験のひとつであるシステムアーキテクト試験は、スキルレベル4に当てはまる最高レベルの難易度に設定されています。取得すること自体がすごいことです。
気になるシステムアーキテクトの平均年収は約717万で、月収は約60万円の高収入が期待できる仕事です。システムアーキテクトは、年収にこだわりたいという方におすすめのすごい資格です。また、IT関連の資格はニーズが高く、これからも必要とされる仕事です。
システムアーキテクト試験の対策は、独学も可能ではありますが、基本的には資格講座を通して勉強するほうが合格までの道のりがスムーズになるでしょう。
資格講座は、インターネットやDVD教材を使って勉強できる「アイテック」と「資格の学校TAC」が体系的に効率よく勉強するのにおすすめです。
これからシステムアーキテクト試験の受験を目指す方、再度試験に挑戦したい方も、ぜひ諦めずに教材を有効活用して合格を目指してください。