ITの仕事は、社会からの需要が高い将来性がある人気の業界といえます。
未経験からIT業界に挑戦したい方も、IT業界に就職して間もない方も、業界で長く働くために実力を身につけてスキルアップすることが重要です。
客観的な実力を証明してくれる「ITに関わる資格」を取得すると、内定獲得や資格手当てで収入アップが見込めるなど、将来に投資できるメリットがあるでしょう。
本記事では、最新版の「IT業界で稼げる資格」をピックアップして5つ解説します。
IT業界の国際資格、未経験者の転職に役立つ資格の項目にわけて解説するので、平均年収やどんな職種があるのか気になる方は参考にしてください。
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IT業界で稼げる資格は就職や転職にいらないって本当?
IT業界では、経歴や実力が重要視される傾向があります。そのため、実務経験がない未経験から飛び込む場合は「資格取得=実力がある」と、面接官や現場の人間に認めてもらえない可能性もあります。
ただ、資格取得が無意味というわけではありません。
どんなIT資格でもOKというわけではなく、資格取得の目的、活用方法をハッキリさせて勉強に取り組むことが大切です。
- 未経験からIT業界に就職、転職したい方:就職や転職に役立つレベルの資格か?(×誰でも取得できる内容)
- IT業界に踏み込んで間もない方:仕事場の業務に直結するような資格か?(×業務に関係のない内容)
たとえば、求人の募集要項に「○○○資格レベルの理解力」「○○○資格取得者歓迎」と書かれている場合、条件に当てはまる資格を持っていると、面接で有利に働く可能性が高くなるのです。
IT業界の就職や転職に資格が不必要というわけではなく、企業の求めるレベルに合う資格取得を目指すと、採用選考時のアピール材料に活用できます。
未経験から始めるときに資格を勉強するメリット
IT業界の求人には、未経験・実務経験なしOKの内容もありますが、現場で一から仕事を覚えるのは難しいことが予想できます。
そのため、IT業界と相性のよい人気の資格である「情報処理技術者試験」が初心者におすすめです。IT業界で働きたい人が知っておきたい基礎知識、現場に活かせる応用知識が身につけられます。
ただ、闇雲に「IT業界=情報処理技術者試験の取得=就活に有利」と考えてしまうと、想像と違った結果につながる可能性もあるので注意が必要になります。
エンジニア職に関わる仕事に就きたい方は、情報処理技術者試験のレベル2~4の難易度に挑戦して合格を目指しましょう。現場で働ける基礎知識が身につけられて、求人の応募条件にも記載があるレベルです。
詳細は「IT業界に転職したい未経験者におすすめの稼げる資格」で解説するので、参考にしてください。
IT業界に就職後のスキルアップにおすすめの稼げる国際資格
IT業界は実力を身につければ国内や海外など、好きな場所で働けるようになります。
将来的に大企業や外資系のIT企業に転職を検討されている方は、国際資格の取得で仕事のスキルを高める手段に活用しましょう。
IT業界に就職後、スキルアップにおすすめの稼げる国際資格をピックアップして解説します。
CISM(公認情報セキュリティマネージャー)
IT業界で重要になる情報セキュリティの専門知識や能力が認められる国際資格です。CISM認定に年齢や学歴は問われませんが、試験の合格+実務経験が求められます。
CISMの資格が活かせるセキュリティエンジニアの仕事は、平均年収570~600万円程度です。企業の規模や本人の実力によっては、年収1,000万円以上の高収入が期待できるでしょう。
セキュリティエンジニアとは、システムのセキュリティを守るための設計や運用などを中心に関わる仕事です。
CISM認定を受けるには、下記の1、2の手順を踏んだ方が対象になります。
- CISM試験に合格した方(450点以上の獲得が条件)
- 情報セキュリティに関する5年以上の実務経験がある方(※その内、3年以上のセキュリティマネージメントの実務経験が必要)
CISM試験の点数は200~800点で評価され、450点以上の獲得が合格の目安ラインになります。IT業界の経験が浅い方でも試験は受験可能で、認定に実務経験が5年以上必要になる形です。
試験では「情報リスクの管理」「情報セキュリティの開発と管理」など、IT業界の方が情報を守るために知っておきたい項目が出題されます。情報のリスク管理やセキュリティに関する知識は、IT業界に就職されている方全般に役立つ内容です。
IT業界に就職後、スキルアップにおすすめの稼げる国際資格を取得したい方は、CISMの受験をご検討ください。
*「転職や副業に役立つ稼げる資格」は、下記の記事をご参照ください。
PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)
IT業界のプロジェクトマネジメントスキルの上級者が目指せる国際資格です。
プロジェクトマネジメントとは、仕事の計画や進行を調整して納期を無事に完了させる能力を示す言葉です。IT業界のシステム開発や運用に関わる方に欠かせないスキルといえます。
PMPの資格を持っている方の平均年収は965万円程度と高収入です。本人の実力によっては、年収1,000万円以上も期待できます。
PMP資格は、下記の手順で取得を目指す流れです。
- PM公式の研修を35時間受講する
- 試験の予約、受験
- 試験合格後は3年ごとに指定単位を取得する
上記に加えて、受験資格には学歴によってプロジェクトリーダーの実務経験が必要です。
- 4年制大学の卒業者:プロジェクトマネジメントの実務経験が36ヶ月以上※4,500時間以上)
- 高校の卒業者:プロジェクトマネジメントの実務経験が60ヶ月以上※7,500時間以上)
- ※上記の学歴に相当する資格を取得している方も対象
IT業界で働くには、効率よくシステム開発を進むための計画や進行管理が重要になります。
IT業界に就職後、スキルアップにおすすめの稼げる国際資格を取得したい方は、PMPの受験をご検討ください。
*関連記事の「定年後に稼げる資格」は、下記の記事をご参照ください。
IT業界に転職したい未経験者におすすめの稼げる資格
「IT業界は稼げる」というイメージを持たれている方は、実際に自分がIT業界に向いているか確かめるためにも、資格取得を始める方法がおすすめです。
安定的に働きたい方や手に職をつけられるデスクワークの仕事に憧れる方などに向いているでしょう。
IT業界に転職したい未経験者の方に向けて、おすすめの稼げる資格をピックアップして解説します。
基本情報技術者
IT業界の就職で定番になるシステムエンジニアとして経験を積みたい方におすすめの情報処理技術者試験のひとつです。
情報処理技術者試験とは、国が認めるITに関わる試験のことで、基本情報技術者ではシステム開発や運用などの基礎知識が身につけられます。
基本情報技術者の資格を活かしてシステムエンジニアになれると、年収350~600万円程度が見込めるでしょう。
「未経験から業界に飛び込める求人はあるの?」と不安を感じておられる方は安心してください。下記のような職種でステップアップが踏めます。
- ITサポート事務
- プログラマー
- システムエンジニア
とくに、プログラマーに必要なプログラミングのスキルは、IT業界やWeb業界全般に役立ちます。覚えておいて損のないスキルなので就職や転職に関わらず、気になる方は勉強を始めてみてください。
基本情報技術者は、情報処理技術者試験のスキルレベル2にあたる中級者レベルの難易度です。
合格率は約20~30%、勉強時間は100~200時間程度(約3~4ヶ月)かかります。
IT業界は社会からの需要が高く、安定的に稼げる将来性のある仕事です。社会を動かすシステムづくりの根幹に関われる社会に貢献できる仕事といえます。
未経験からIT業界の稼げる資格を取得して、IT事務関係やエンジニア系の職種に就きたい方は、まずは基本情報技術者の勉強を始めましょう。
*関連記事の就職に役立つ「大学生が稼げる資格」は、下記の記事をご参照ください。
応用情報技術者
システムの設計や開発において、システムエンジニアが責任のある立場にスキルアップできるレベルの理解力が求められます。
応用情報技術者は、情報処理技術者試験のスキルレベル3にあたる中級者レベルの難易度です。基本情報技術者よりもレベルアップした難易度といえます。
顧客の注文や要望を的確に聞き取って、システム設計や開発が大きく修正することなく作業効率化が図れる能力が重要です。
応用情報技術者の取得者でシステムエンジニアの平均年収は450~650万円程度が見込めます。企業によっては、毎月5,000~20,000円程度の資格手当てが付いて給料アップが見込めるメリットも。
未経験から勉強を始める場合は、難しいことが予想されるので「基本情報技術者⇒応用情報技術者」の順番に取得を進めるのがおすすめです。
合格率は20%台、勉強時間は500時間程度(約6~8ヶ月)かかります。
応用情報技術者は現場に求められる高い能力を持つ証明につながるため、就職活動の採用選考で有利に働く可能性が期待できるでしょう。
資格手当てのある企業では、一年間に換算すると数万円~10万円以上の差が出ることもあるかもしれません。同じ時間を使って働くなら、効果的に給料が稼げるように資格取得を活用しましょう。
未経験からIT業界の稼げる資格を取得したい方で、基本情報技術者に合格した方、上級者に近いレベルの受験から始めたい方は、スキルアップに応用情報技術者の受験をご検討ください。
*関連記事の学歴を重視しない「高卒でも稼げる資格」は、下記の記事をご参照ください。
システムアーキテクト
IT業界の上流工程における仕事で、システムの設計や現場を管理する立場で活躍できる実力が求められます。
システムアーキテクトは、情報処理技術者試験のスキルレベル4にあたる最上級の難易度です。IT業界で生涯を通してスキルアップに取り組みたい方、就職活動で確実に内定をゲットしたい方におすすめできます。
システムアーキテクトの取得者でシステムエンジニアの平均年収は700万円台程度、1ヶ月の給料は60万円程度の高収入が見込めます。企業によっては、毎月10,000~20,000円程度の資格手当てが付く場所も。
システムアーキテクトの合格率は約12~15%台、合格者が語る勉強時間は平均100~200時間程度(約2~3ヶ月)です。
ただ、システムアーキテクトの難易度は上級者レベルなので、上記の合格時間はある程度、基礎知識のある方が受験した想定の勉強時間だと予想できます。
たとえば、スキルレベル3の応用情報技術者では、勉強時間は500時間程度(約6~8ヶ月)かかるため、システムアーキテクトの勉強を初心者から始めた場合は、500時間以上の勉強時間を想定しておきましょう。
現実的には「基本情報技術者」または「応用情報技術者」で基礎知識を学んで、合格後にシステムアーキテクトを受験するのが無難です。
受験資格はないので、ITの専門知識や技術の勉強が楽しいと感じられる方は、システムアーキテクトから受験しても問題はありません。就職活動の内定では、面接官の目に留まるアピール材料にできるでしょう。
未経験からIT業界の稼げる資格を取得したい方、情報処理技術者試験に合格後のスキルアップを図りたい方は、システムアーキテクトの受験をご検討ください。
*それぞれの業界で「稼げる資格」をお探しの方は、下記の記事もご参照ください。
IT業界で稼げる資格と相性のよい職種・年収を解説
IT業界で稼げる資格や人気の職種、仕事内容や年収を簡単にまとめています。
どんな仕事内容があるのか気になる方は、さらっと読み進めて今後のキャリアプランを検討する参考にしてください。
開発職のシステムエンジニア
IT業界で人気のシステムエンジニアとは、システムの設計や開発に関わる職種です。顧客の要望をヒアリングしながら作業に反映していきます。
平均年収はスキルや実力に応じて、350~650万円程度が見込めるでしょう。
システムエンジニアに関連する資格には、情報処理技術者試験の「基本情報技術者」「応用情報技術者」などがあげられます。どちらの資格も、システムエンジニアが現場で働く基礎知識や理解力が問われる内容です。
*応用情報技術者の詳細は、こちらの記事をご参照ください。
営業・コンサル職のITコンサルタント
ITコンサルタントとは、企業の問題や課題を聞き取り、IT技術の導入から事業をサポートできる仕事です。
ITコンサルタントの平均年収は647万円程度が見込めます。上流工程を担当できる仕事になるので、IT業界のシステム戦略や設計全般に関する高いスキルが求められるでしょう。
ITコンサルタントの高いスキル証明に役立つ資格には、情報処理技術者試験の「ITストラテジスト」、プロジェクトマネジメントスキルが証明できる国際資格の「PMP」などがあげられます。
上記以外でITに関わるおすすめの職種
ITやインターネット業界に関わる人気の職種には、Webデザイナーがあります。Webサイトのデザインやコーティングを担当できる仕事として、Webの集客に関わる重要な役割を担えるのです。
Webデザイナーの平均年収は300~400万円程度になります。スキルを磨けば、在宅ワークと相性のよい職種で副業の小遣い稼ぎにもできるでしょう。
Webデザイナーのスキルアップに役立つ資格には、コーティングの技術が学べるWebクリエイター能力認定試験がおすすめです。
*主婦(主夫)の方におすすめの稼げる資格は、下記の記事をご参照ください。
ITで稼げる資格まとめ
最新版の「IT業界で稼げる資格」をピックアップして解説しました。もう一度、資格をおさらいしましょう。
*IT業界に就職後のスキルアップにおすすめの稼げる国際資格
- CISM(公認情報セキュリティマネージャー)
- PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)
*IT業界に転職したい未経験者におすすめの稼げる資格
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
- システムアーキテクト
未経験からスタートするときは、資格の勉強を通して基礎知識を身につけてから飛び込むことで、現場で求められるスキルを身につけられます。
IT業界に未経験から飛び込みたい方におすすめの職種については「ITサポート事務」「プログラマー」「システムエンジニア」などの職種があげられるでしょう。
IT業界は実力重視の世界なので、スキルアップを積んでいけば安定的に高収入が期待できる業界です。将来性のある業界なので、気になる方は資格取得の勉強を通して、IT業界に向いているのか確かめてみてください。
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