動物好きでトリマーを目指している人の中には、これから具体的にどうやってトリマーを目指していけばよいのかわからず、悩んでいる人もいるでしょう。必要な資格や学ぶべき知識がわからないと、どう行動していけばよいか悩んでしまいますよね。
そこでこの記事では、トリマーになるために必要な資格や取得すると有利な資格、そして知識を身につけるための学習方法などを解説します。大変役立つ記事となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
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トリマーに資格は必要?資格なしでも働ける
トリマーは資格なしでも働けます。資格が必要な仕事の多くは、法律によって取得すべき資格が決まっています。しかし、トリマーに必要な資格を定めた法律はありません。
一方でトリマーとした働く際に、資格を取得しておくと有利なのは確かです。以下ではトリマーについて、基本的な知識として以下の点を解説します。
- トリマーとはどんな職業か
- トリマーに必須資格はないが求人で求められる資格は多い
- トリマーは資格取得の講座や道具にお金がかかる
- トリマーの関連資格は通信講座と通学で取得するパターンが多い
以下で上記の点を解説するので、ご覧ください。
そもそもトリマーとは?ペットの美容師
トリマーはペットの美容師のことを指し、主にペットの毛のカットやスタイリングを行います。基本的な仕事内容は美容師と大きく変わりません。
ただし、ペットの毛と人間の髪の毛は別物のため、専門知識が求められます。また、単にスタイリングを行うだけでなく、必要に応じて飼育などのアドバイスできなければなりません。他にもペットの健康維持のために、様々な業務を行います。
特にトリミングはペットの見た目を良くするとともに、伸びすぎた毛をカットすることで健康維持にもつなげられる重要な仕事です。伸びすぎた毛は、肉球などに絡まって転倒の原因になります。
このように、トリマーはペットの美容だけでなく健康の分野まで担当する仕事です。
海外ではグルーマーと呼ばれる
トリマーは海外ではグルーマーと呼ばれています。仕事内容はトリマーと同じで、呼び方が違うだけです。海外で活動したいのであれば、この違いはあらかじめ認識しておきましょう。
また、トリマーの年収について知りたい人には「トリマーの年収はどれくらい?地域・年齢による違いや年収1000万を目指す方法もチェック!」がおすすめです。トリマーの年収の水準について、詳しく知ることができます。
トリマーの必須資格はない!ただし求人には条件も多い
トリマーになるにあたって、必須資格はありません。働く意思があり、ペットサロンなどで採用されればトリマーとして働けます。一方で、経験や資格が合った方が有利なのも事実です。
働くために経験や資格があった方が有利
トリマーは、様々な資格を取得したうえで経験を積むと、就職活動において有利です。トリマーには多くの関連資格があり、様々な団体が公認しているトリマーの資格や、ペット・グルーミングスペシャリストがあります。
トリマーの関連資格は、求人の採用条件に含まれていることが多いです。また、経験年数を積んでいけば多くの職場で採用される可能性が上がります。自身のトリマーとしてのキャリアアップを図るためにも、積極的に資格取得を目指しましょう。
専門学校を卒業するのも手段
トリマーは専門学校もあり、そこでは専門知識を学んだり、資格取得をしながら実戦経験を積めます。就職活動でも、トリマー関連の専門学校を卒業した学歴は、強いアピールポイントです。
専門学校に通えば、同じくトリマーを目指す人たちと一緒に専門知識を学べるのでモチベーション維持につながります。
トリマー資格の取得にかかる費用は?講座と道具などに費用がかかる
トリマーは主に講座の受講と仕事道具の準備に費用がかかります。講座は通信講座や専門学校への学費です。受講するコースにもよりますが、1年で約100~120万円の学費がかかります。また、資格取得を目指すのであれば教材代や受験料も必要です。
学費にはカット用ハサミなどの仕事道具にかかる費用も含まれています。ほかには、爪切りやヤスリ、スリッカー、ブラシなどが主な仕事道具です。これらの道具代は合計で2万円くらいが相場となっています。
トリマー資格の取得方法は?主な2つの手段
トリマーの関連資格は、主に通信講座か通学のどちらかで取得します。それぞれのケースの特徴について、以下で解説するのでご覧ください。
通信講座で取得する
通信講座の特徴は、自宅でカリキュラムを進めることができ、通学よりも短期間で取得を目指せる点です。自分のペースで学習を進められるので、自宅の場所やスケジュールの問題で通学が難しい人でも資格取得を目指せます。
ただし、学習を自分で進めなければならないため、自分でモチベーションを維持したり学習計画を立てたりしなければなりません。
通学して取得する
通学して資格取得を目指す場合、1年や2年といった一定期間、学校に通って学習を進めます。通信講座と比較して費用や時間はかかるものの、同じトリマーを目指す人たちと一緒に学べるのでモチベーション維持をしやすいです。
通学制の中にも短期集中のコースもあるため、自分のペースに合わせて勉強することもある程度はできます。また、本物のペットへのカットなどの実践的なカリキュラムができるのも、通学して資格取得するメリットです。
トリマー関連の資格一覧!種類が多いので自分に合ったものを探そう
ここからはトリマー関連の資格を紹介します。以下はトリマー関連資格をまとめた一覧表です。
資格名 | 主催団体 | 種別 | 主な取得方法 |
JKC公認トリマー | ジャパンケネルクラブ | C級・B級・A級・教士・師範 | 「トリマー試験」「競技会入賞」又は「推薦」 |
AAV認定トリマー | 全国動物専門学校協会 | サロントリマー/トリマー3級・準2級・2級・1級・S級 | 最低受験時間を満たしたうえで、検定試験に合格する |
JDA公認 トリマー | 全日本愛犬技術者指導協会 | 3級・2級・1級 | 全日本愛犬技術者指導協会の認定校で学ぶ |
AKC認定 トリマー | 青山ケンネルカレッジ | なし | 青山ケンネルカレッジへ既定のカリキュラムをクリアする |
SAE公認 トリマー | 全日本動物専門教育協会 | 初級・中級・上級・教師 | 受験資格を満たしたうえで試験に合格 |
JPLA公認トリマー | 日本ペット技能検定協会 | 2級・1級・教師 | JPLA認定のカリキュラムを学ぶ |
JCSA公認トリマー | 日本キャリア教育技能検定協会 | C級・B級・A級・マスター | 認定講座を受講後、検定試験に合格する |
ICCグルーマーライセンス | インターナショナルキャットクラブ | C級・B級・A級・教士 | 受験資格を満たし学科試験と実技試験を受ける |
ペット・グルーミング・スペシャリスト | NPO法人日本動物衛生看護師協会 | なし | NPO法人日本動物衛生看護師協会の行う資格認定試験を受験し合格する |
これらの資格について、以下でそれぞれ解説します。
JKC公認トリマー
JKC公認トリマーは、ジャパンケネルクラブが主催するトリマーの資格です。資格取得には、ジャパンケネルクラブが公認している養成機関に所属し、所定の課程を修了したうえで、卒業試験に合格しなければなりません。合格して与えられるのはC級の資格です。
C級取得後2年以上でB級、B級取得後3年以上でA級の資格をそれぞれ取得できます。JKC公認トリマーは全国各ブロックで毎年1度開催される試験です。上のレベルになるほど難易度は上がりますが、トリマーとして着実にレベルアップしていることを証明できます。
AAV認定トリマー
AAV認定トリマーは全国動物専門学校協会が主催する資格で、各クラスごとに定められた最低授業時間数を満たすのが受験資格の1つです。授業を受けたあと、筆記試験と実技試験を受験し、合格すればトリマーとして認定されます。
AAV認定トリマーは、ペットの中でも犬を対象とした資格です。取得していれば、様々なペットサロンや動物病院で活用できます。取得に必要な授業時間は、もっとも少ない3級でも150時間あり、1級とS級では700時間です。しかし、試験の難易度は決して難しくなく、しっかり勉強した人であれば合格できるでしょう。
JDA公認 トリマー
JDA公認トリマーは、全日本愛犬技術者指導協会が主催する資格です。全日本愛犬技術者指導協会は厚生労働省から許可を得ている公益団体なので、資格に対する信頼は高くなっています。
行政から許可を得ているトリマーの資格は、JDA公認のもののみなのでより幅広いキャリアを得たい人におすすめです。JDAが認定している専門学校で、トリマーについての知識を学ぶことで取得できます。関東圏だけでなく、東北から九州地方まで、幅広い地域に認定校はあるので、多くの人が学ぶ機会を得やすいです。
AKC認定 トリマー
AKC認定トリマーを主催している青山ケンネルカレッジは、日本小動物獣医師会認定校です。また、青山ケンネルカレッジを運営している、株式会社青山ケンネルはグルーミングやペットホテルの事業を手がけています。
AKC認定トリマーの取得は、青山ケンネルカレッジで専門知識を学ぶのが条件です。しっかりと学習を進めれば、順調に取得できる資格と言えます。
SAE公認 トリマー
SAE公認トリマーは、様々な種類の犬の知識が求められる資格です。特に上級では、犬種ごとの正確なトリミングをできる知識と技能が求められます。
初級・中級・上級の他にも教師の資格も取得できますが、難易度は非常に高いです。トリマーとしてキャリアアップしていくのであれば、上級までの取得でも十分と言えます。
また、各区分では受験資格があるので注意が必要です。それぞれ認定校での学習や実務経験が求められるため、トリマーとして継続的に活動しなければなりません。ただしその分、取得後のキャリアに役立つでしょう。
JPLA公認トリマー
JPLA公認トリマーは日本ペット技能検定協会が平成8年から運営している資格で、業界での信頼が高いです。全国の動物関連の専門学校を傘下に置いているので、どこに住んでいる人でも一貫したカリキュラムを学べます。
また、カリキュラムに基づいた公式テキストもあるので、自宅でも知識を吸収しやすいです。実技研修施設も全国にあるため、就職前からトリマーとして経験を積めます。
JCSA公認トリマー
JCSA公認トリマーは、日本キャリア教育技能検定協会の公認のドッグトリマーに関する資格です。A級からC級までは、それぞれ定められたカリキュラムを所定の単位数だけ修了すると取得できます。マスター級では、ドッグトリマー養成専門講座の修了が条件です。
JCSA公認トリマーは、認定校である日本ケンネルカレッジに通学する必要があります。資格取得までの平均時間は5か月程度となっており、他のトリマー関連の資格よりも取得しやすい資格です。
ICCグルーマーライセンス
ICCグルーマーライセンスはキャット系トリマーの関連資格です。全国にあるICC認定校で資格取得できます。資格はA~C級と教士の4つに分かれており、それぞれ受験資格が違うので注意が必要です。
公認の養成機関でトリマーとしての技術を学んだあと、実務経験を積むことで次のランクの試験を受けられるので、キャリアアップのわかりやすい目安になります。猫に対する知識や技術を学びたい人におすすめの資格です。
ペット・グルーミング・スペシャリスト
ペット・グルーミング・スペシャリストは犬や猫など、幅広い動物に関する知識とグルーミングの技術があることを証明する資格です。受験資格は以下の2つのどちらかを満たすものに限られます。
- ペット美容に関する3年以上の課程を有する専門学校、短期大学、大学の卒業者
- ペット美容に関する2年以上の課程を有する専門学校を卒業し、2年以上の実務経験
どちらかの資格を満たす必要があるため、トリマーとしての知識と技術の両方が求められます。試験内容はトリマーとしての能力だけでなく、ペットサロンの受付業務や動物愛護精神など、人格的な要素もあるのが特徴です。
ただし、試験の合格率は高い傾向にあり、しっかりと知識や経験を積み上げてきた人にとって難しい試験ではありません。
トリマーの資格はどれがいい?ポイント別おすすめ資格
ここからはトリマーの資格の中でも、どの資格の取得が特におすすめか解説します。以下は段階別に取得がおすすめの資格です。
- 初心者ならJKC公認トリマー
- 働きながらの通信講座はJPLA公認トリマー
- ペットのためならJCSA認定マスターライセンス
- プロトリマーを目指すならAAV認定トリマー検定
それぞれ以下で解説します。
全くの初心者なら?「JKC公認トリマー」
トリマーとしての知識や経験がなく、まったくの初心者であればJKC公認トリマーがおすすめです。JKC公認トリマーは、認定校に通って所定のカリキュラムを修了することで取得できます。知識ゼロの状態でも、段階的に専門知識やスキルを身につけられるので、初心者におすすめです。
また、経験を積めばB級やA級、教士、師範といった上位の資格を取得できます。長期的にキャリアアップを目指すのにも適した資格です。
通信講座・働きながらトリマー資格を取るなら?「JPLA公認トリマー」
時間の都合で通信講座での資格取得を目指したい人や、働きながらトリマーを目指している人には、JPLA公認トリマーがおすすめです。
JPLA公認トリマーは通信講座で取得可能であり、取得にかかる期間も6ヵ月程度と比較的短くなっています。通信講座なので、仕事から帰ったあとに自分のペースで学びたい人におすすめの資格です。転職をスムーズに進められるでしょう。
ペットのために取得するなら?「JCSA認定マスターライセンス」
自分のペットのケアに活かせる知識を身につけたいのであれば、JCSA認定マスターライセンスがおすすめです。JCSA認定マスターライセンスは、通信講座を受講し、認定試験に合格することできます。
ペットの世話や仕事でなかなか自宅を離れらない人でも、在宅試験を受けられるため、負担が少ないです。ペットの世話に役立つ知識を幅広く身につけられ、すぐに活かせるのがJCSA認定マスターライセンスを取得するメリットと言えます。
プロトリマーを目指すなら?「AAV認定トリマー検定」
AAV認定トリマー検定は、受験のために必要な最低授業時間がクラスごとに定められており、一定の学習が必要な資格です。その分、トリマーに求められる知識やスキルを多く身につけられます。
資格を取得すると、カットや爪切りなどの業務やペットについて専門知識を身につけていることを証明可能です。特にサロントリマーは、全犬種に対するカットや爪切りの技能があることを認められます。プロのトリマーとしてキャリアアップしていくのであれば、AAV認定トリマー検定がおすすめです。
トリマーの通信講座はどこがおすすめ?「たのまな」を検討してみよう
トリマー関連の通信講座はたのまながおすすめです。たのまなのトリミングプロフェッショナル講座では、約10ヵ月で4つの資格取得を目指せます。自宅でなければ学ぶのが厳しい人でも、自分のペースでトリマーを目指せるので便利です。
取得できる日本ペット技能検定協会認定のトリマー1、2級と動物健康管理士、ペット販売士の4つとなっています。自分のペットの世話や、ペットサロン・動物病院への就職、独立など幅広い場面で活かせる資格です。
興味のある人は、ぜひたのまなのトリミングプロフェッショナル講座へ申し込みをしてみてください。
たのまなの特徴
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その他取得しておきたい資格は?動物関連資格があると有利
動物関連の資格はトリマー系以外にもあります。たとえば、キャットフレンドリーパーソンなど猫好きの初心者向け資格から、認定ペットシッターといったプロ向けの資格まで、対象は幅広いです。
自分の目的に合った資格を取得することで、キャリアアップやペットの世話に役立てられます。
ペット関連資格について、さらに詳しく知りたい人には「猫関連の検定・資格ってどんな種類がある?関連検定を一覧にして紹介!」を読んでみてください。ペットの資格について、どんなものがあるかだけでなく、詳細まで知ることができます。
トリマーの資格で就職を目指そう!
ここまでトリマーや関連資格について解説しました。トリマーは資格なしでも働けますが、資格を採用条件にしている求人も多く、取得していた方が有利です。また、資格取得することでペットの世話にも役立てられます。
これからトリマーになりたいと思っている人や、トリマーとして独立を目指している人はぜひこの記事で紹介した資格の取得を目指してみてください。知識やスキルを身につけながら、就職や転職のアピール材料をつくることができます。