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食品衛生責任者の資格に期限はある?資格の取り方や必要性を解説!

飲食にまつわる関係にはさまざまな資格があります。例えば調理士免許や栄養士、ソムリエ、フードコーディネーターなどは多くの方が聞いたことがある資格ではないでしょうか。

ご存じの方は少ないかも知れませんが、食品衛生責任者は飲食店など食品を扱う店舗にはなくてはならない資格です。

そこでここでは食品衛生責任者について以下の事柄を解説します。

  1. 食品衛生責任者とは?衛生上の管理の責任者
  2. 食品衛生責任者の資格の取り方は?指定の講座を受講しよう
  3. 食品衛生責任者の資格に期限はある?原則ない!
  4. 食品衛生責任者と食品衛生管理者は別物!違いに注意
  5. そのほか食品衛生に関する資格は?注目資格・検定を紹介

食品販売に興味のある方はぜひご参考になさってください。

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食品衛生責任者とは?衛生上の管理の責任者

食品衛生責任者とは食品の製造や販売をする際に必ず必要になる資格です。そのため、飲食店だけでなく食品を扱う店舗などでも必ず食品衛生責任者の資格を持っている方を配置しなくてはいけません。これは、食品衛生法により定められています。

では、具体的に食品衛生責任者とはどのような役割を持っているのでしょうか。ここでは以下の2つについて解説いたします。

  1. 各店舗1人以上常駐している必要がある
  2. 開業時も食品衛生責任者資格が必要

では、1つずつ確認していきましょう。

各店舗1人以上常駐している必要がある

食品衛生責任者は食品を扱う店舗に必ず1名常駐しなければいけません。自治体により多少規定が異なることもありますが、基本的に店の大きさは関係なく、必ず食品衛生責任者の配置をする必要があります。

食品衛生者は以下の役割が義務付けられています。

  • 設備の衛生確認や改善
  • スタッフの健康管理
  • スタッフの手洗いや店舗の清掃チェック
  • 食品の管理

要するに食品を扱う上で衛生的に問題がないかを管理する責任者となります。食品は人の口に入るものですから、資格を持っている方がきちんと確認する必要があるのです。

食品衛生責任者がいない場合は処分対象

食品衛生責任者がいないまま営業をすることは食品衛生法違反となり行政処分の対象となります。具体的には店舗への指示や営業停止、営業許可の取り消しになることが考えられます。最悪の場合、懲役刑や罰金が科せられることもあるので、注意が必要です。

食品衛生責任者は複数の店舗を掛け持ちすることを禁止されています。もし食品衛生責任者の資格を持っている方が店舗を辞める場合、食品衛生責任者の資格を持っている方が途切れないようにしなければいけません。

開業時も食品衛生責任者資格が必要

食品衛生責任者は食品を扱う店舗を開店するときに必ず必要になります。万が一スケジュール的に間に合わない場合は、保健所に数か月後に食品衛生責任者の有資格者を設置する旨を記載した食品衛生責任者設置誓約書を提出すれば、数か月の猶予を得ることは可能です。

出店前に余裕をもって取得しよう

原則的には営業許可を得るときには食品衛生責任者の設置が義務となっています。猶予が得られるのはあくまでも緊急措置として考えておかなければ、食品衛生責任者の設置をしないまま長期間ずるずると営業してしまうこともあります。

行政処分を受けないためにも出店前に必ず食品衛生責任者の資格を取得するようにしましょう。

食品衛生責任者の資格の取り方は?指定の講座を受講しよう

食品衛生責任者の資格は試験などを受験するのではなく講習を1日受けるだけです。そのため、事前に勉強する必要はありません。

食品衛生責任者の資格を取得するため、以下の4つのことを確認しておきましょう。

  1. 食品衛生責任者の申し込み方法は?
  2. 食品衛生責任者講習会の流れ
  3. 都道府県によってかなり差がある
  4. 食品衛生責任者になれる資格があれば確認証がもらえる

では1つずつどのようなことをすれば良いのかを確認してみましょう。

食品衛生責任者の申し込み方法は?

食品衛生責任者の資格を取得するためには、各都道府県の食品衛生協会が行っている講習会に参加する必要があります。

講習会への申し込みは郵送、窓口、インターネットなど各都道府県によって異なりますので、事前に該当する食品衛生協会のホームページを確認するようにしましょう。

食品衛生責任者講習会の流れ

食品衛生責任者講習会の講習会は1日だけで済みます。講習が終了すれば、地域によりますがその日に受講修了証を受け取れます。この修了証がなければ食品衛生責任者としての登録ができないので、無くさないように保管しておきましょう。

食品衛生責任者の講習を受けるにあたり気を付けなければいけないことはあるのでしょうか。

ここでは以下の2つについて解説いたします。

  1. 持ち物・内容・受講条件など
  2. 受講時の注意点

では1つずつ確認してみましょう。

持ち物・内容・受講条件など

食品衛生責任者の講習の概要は以下のようになっています。

持ち物
受講料は10,000円前後です。地域によって値段が異なるので、事前に確認するようにしましょう。当日持参することが多いので、忘れないようにしてください。その他には筆記用具と申し込むと後日発送される受講票が必要です。
内容
講習の内容は全国で統一されており、以下の内容が行われます。
・衛生法規(2時間)
・公衆衛生学(1時間)
・食品衛生学(3時間)
地域にもよりますが講義は9時前後から始まり、受付時に講習のテキストが渡されます。指定された会場に遅刻しないように早めに向かうようにしましょう。
受講条件
各都道府県により異なりますが、多くの場合17歳以上(高校生を除く)であれば誰でも取得することができます。外国籍の方でも取得はできますが、日本語での講習となるため日本語が理解できることと在留カードか特地永住者証明書を持っている方に限られます。

上記のことを確認したうえで食品衛生責任者の講習を受けるようにして下さい。

受講時の注意点

食品衛生責任者の資格は基本的に講習を受けるだけで得られるものです。しかし、場合によっては講習の終了後に簡単な試験を行うところもあります。しかし、きちんと講義を受けていれば解ける問題なので安心してください。

もしも試験の得点があまりよくなくても、あくまで確認する程度の試験なので不合格と言うことにはなりません。その場合は再度講師が間違った問題を説明してくれることもあります。

都道府県によってかなり差がある

食品衛生責任者の管理は各都道府県の食品衛生協会が行っているため、詳細は少しずつ異なっています。食品衛生法は各都道府県で条例が設定されていることもあるため、同じ資格であっても詳細が異なることがあるのです。

そのため、必ず自分の住んでいる地域の食品衛生協会について調べておかなければいけません。

自治体のホームページなどで確認しよう

例えば東京で食品衛生責任者の資格を取ろうとしている方が神奈川県の食品衛生協会の内容を調べても内容が異なるため意味がありません。

食品衛生責任者を取得する前に必ず自分の住んでいる地域の食品衛生協会のホームページを確認しておきましょう。そこには講習の申し込み方法や受講料、講習を受ける会場の詳細などさまざまなことが書かれています。

食品衛生責任者についても記載されているので、必ず詳細に調べるようにしてください。

食品衛生責任者になれる資格があれば確認証がもらえる

以下の資格を持っている方は食品衛生責任者の講習が免除になります。

  • 栄養士
  • 調理士
  • 製菓衛生士
  • 食鳥処理衛生管理士
  • 船舶料理士
  • 畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者
  • 船舶料理士
  • 食品衛生管理者か食品衛生監視員の有資格者

上記の資格をお持ちの方はすでに食品衛生責任者になる資格がある、ということになります。食品衛生責任者として登録する際には、各食品衛生協会に確認証を発行してもらってください。

ただし、確認証の発行をしていない都道府県もあるので、事前に確認をしておきましょう。発行をしていない場合、該当する資格の証明書があれば食品衛生責任者として登録することができます。

食品衛生責任者の資格に期限はある?原則ない!

食品衛生責任者には有効期限がありません。そのため一度取得してしまえばずっと使い続けることができます。更新する必要もありません。しかし、以下の3つの注意点があります。

  1. ただし自治体によっては定期的な研修が推奨されている
  2. 食品衛生責任者の手帳を紛失した場合は?再交付が可能
  3. 食品衛生責任者資格の氏名変更はできる?可能!

ではどういうことなのかを確認してみましょう。

ただし自治体によっては定期的な研修が推奨されている

地域によっては食品衛生責任者が定期的に研修を受けることを条例に定めているところもあります。地域によっては任意となっているところや義務となっているところもあるので、確認しておくと良いでしょう。

任意であっても食品衛生法に関する新しい情報を得ることはとても大切です。講習がある場合はできるだけ参加することをおすすめします。

食品衛生責任者の手帳を紛失した場合は?再交付が可能

食品衛生責任者の受講修了証を紛失した場合、食品衛生責任者の講習を受講したした都道府県の食品衛生協会にて再交付してもらえます。しかし、場合によって受講修了証に記載されている番号が必要になることもあるので、事前に別途記載しておくことをおすすめします。

再交付手数料は地域によりますが2,000円前後で行えます。もしも郵送してもらう場合は別途郵送料がかかり、この費用は各都道府県によって異なるので、食品衛生協会のホームページや電話をして確認をしておきましょう。

食品衛生責任者資格の氏名変更はできる?可能!

結婚などで氏名に変更があった場合は、旧姓と改姓後の公的書類と食品衛生責任者の受講修了証を提示することで変更することができます。地域によりますが、窓口に行かずとも郵送で行ってくれるところもあります。

また、手数料は地域によって発生することもありますので、事前に食品衛生協会のホームページを確認するようにしましょう。

食品衛生責任者と食品衛生管理者は別物!違いに注意

食品衛生管理者と食品衛生責任者は似たようなものと思われる方もいるかもしれませんが、実は全く違う資格です。求められている役割も取得方法も全く異なるので、その違いをしっかり理解しておく必要があります。

ここでは食品衛生管理者と食品衛生責任者はどのように違うのか、以下の3つについて解説いたします。

  1. 食品衛生管理者とは?食品衛生に関する国家資格
  2. 指定された食品を扱う場合に必要
  3. 食品衛生管理者の方が難しい

では、1つずつ確認をしていきましょう。

食品衛生管理者とは?食品衛生に関する国家資格

食品衛生管理者は食品の加工や製造をする過程で特に重要な衛生管理が必要になる施設において配置することが必要になる国家資格です。そのため、食品衛生責任者よりもさらに専門的な知識が必要になります。

食品衛生管理者の役割は食品衛生責任者と大きく変わりません。登録されている施設や働いている従業員の衛生管理を行います。

指定された食品を扱う場合に必要

食品衛生管理者は以下の施設において配置が必要な資格になります。

  • 全粉乳(容量が1,400グラム以下である缶に収められるもの)
  • 加糖粉乳
  • 調製粉乳
  • 食肉製品(ハム、ソーセージ、ベーコンなどこれらに類するものを指す)
  • 魚肉ハム
  • 魚肉ソーセージ
  • 放射線照射食品
  • 食用油脂(脱色又は脱臭の過程を経て製造されるもの)
  • マーガリン
  • ショートニング
  • その他食品衛生法第13条第1項の規定により企画が定められた添加物

食品衛生責任者は食品に関わる場所の多くに必要になりますが、食品衛生管理者は上記のような食品を扱う工場に必要な資格です。また、食品衛生管理者と食品衛生責任者の両方を置く必要はありません。

食品衛生管理者の方が難しい

食品衛生管理者の資格の取得は食品衛生責任者のように講習を受ければ誰でも取得できるものではありません。

以下の資格を持っている方のみが取得できる国家資格なのです。

  • 医師、歯科医師、薬剤師、獣医師の資格を保有している者
  • 大学等で医学、歯学、薬学、獣医学、畜産学、水産学、農芸化学の課程を修めて卒業した者
  • 都道府県知事の登録を受けた食品衛生管理者の養成施設において所定の課程を修了した者

また、「食品衛生管理者を置かなければならない製造業又は加工業において食品又は添加物の製造又は加工の衛生管理の業務に3年以上従事し、かつ、都道府県知事の登録を受けた講習会の課程を修了した者」に該当する方は、講習を修了すれば取得できます。

講習会は対象の業種によって異なるので、公益社団法人日本食品衛生協会のホームページで確認をして下さい。

そのほか食品衛生に関する資格は?注目資格・検定を紹介

食品衛生に関する資格は食品衛生責任者以外にもさまざまな種類があります。ここではその中でも取得しやすい資格である以下の3つをご紹介します。

  1. 食品表示検定
  2. 食品安全検定
  3. 食品衛生管理者

ではどのような資格なのかを確認してみましょう。

食品表示検定

食品表示検定は一般社団法人食品表示検定協会が行っている民間資格です。スーパーなどで食品を購入する場合、必ず産地、原材料、添加物、栄養成分などは表示されています。これは購入する食品が安全安心なものであることを示すため、食品表示法の施工により行われているものです。

食品表示検定は食品の生産や製造、流通などに関わる方だけでなく、日々食品を購入する方にも役に立つ資格になります。

食品表示検定には初級~上級の3段階が設けられています。階級の違いは以下の通りです。

初級
・食品表示の基本についての知識がある
・受験方法…CBT方式
・試験日…年2回(前期・後期)
・合格基準…70点以上
・合格率…約60%
・受験料…5,000円(税込)
中級
・食品の生産や製造、流通など専門的な分野で食品表示の知識を生かすことができる
・受験方法…CBT方式
・試験日…年2回(前期・後期)
・合格基準…70点以上
・合格率…約50%
・受験料…8,500円(税込)
上級
食品表示が適切か検証する責任者として働くことができる
・受験条件…食品表示検定中級を有している
・受験方法…ペーパー試験(マークシート式と記述式)
・試験日…年1回
・合格基準…80点以上
・合格率…約16%
・受験料…21,000円(税込)

試験対策として、公開講座やオンデマンド講座を受講することができますし、初級と中級は認定テキストや問題集が販売されています。食品表示検定の取得を考えている方はぜひそちらをご利用になってみて下さい。

食品安全検定

食品安全検定は、一般社団法人食品安全検定協会が行っている民間資格です。食品は誰もは安心安全なものを購入して食したいと考えています。食品安全検定は科学的な知識により食の安全についての問題を解決できる資格です。

食品安全検定は初級と中級の2段階があります。階級の違いは以下の通りです。

初級
食の安全に関する基本的な知識がある
・試験方法…CBT方式
・出題数…50問
・試験時間…60分
・受験料…6,600円(税込)
中級
科学的根拠に基づいて食の安全管理ができる
・試験方法…CBT方式
・出題数…50問
・試験時間…90分
・受験料…8,800円(税込)

食品安全検定は公式テキストが販売されていますし受験対策アプリもあるので、受験を検討されている方はぜひこちらを利用しながら受験対策をしてみて下さい。

食品衛生管理者

食品衛生管理者は先にも説明しましたが、食品の加工や製造をする工場など特に重要な衛生管理が必要になる施設に必ず配置しなければならない国家資格です。この資格は定められた資格のある方でなければ取得することはできません。

食品衛生管理者に関しては、食育資格一覧!食に関するおすすめ資格25選を通して本格的に勉強・指導しようでもご紹介しているので、こちらも合わせて参考にしてみて下さい。

食品衛生責任者の資格に期限はない!氏名の変更などは随時申請しよう

ここまで食品衛生責任者について以下の事柄を解説いたしました。

  1. 食品衛生責任者は食品を扱う店舗に必ず配置が必要
  2. 食品衛生責任者がいない場合は行政処分を受ける
  3. 食品衛生責任者は誰でも1日6時間程度の講習を受ければ取得可能
  4. 食品衛生責任者と食品衛生管理者は意味が異なる資格

食品衛生責任者は飲食店などを開業する方にとっては必ず取得しておいたほうが良い資格です。また、食品に関する仕事に就いている方も今後のスキルアップなどを踏まて検討しておいたほうが良い資格でもあります。

食品衛生責任者を取得し、食の安全の知識を付けてお客様に対して安心安全な食品を提供するためにその知識を生かすようにしてください。