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ビジネス文書検定とは?資格概要や難易度・日程を解説!

「社外の人にお礼のメールを送りたいけど書く方がわからない」
「定型文のひな型を使って文書を作っているけれどあっているか不安」

このようにビジネス文書の作成に不安を持っている方は少なくないでしょう。ビジネス文書については学ぶ機会が少なく、社内研修や実務に取り組む中で覚えていく方がほとんどです。

社会人が社内・社外の人に正しい定型文や表現を使って文書を作成できる知識と技能を測る試験がビジネス文書検定です。今回はビジネス文書検定の試験概要や取得のメリット、対策方法などについてまとめました。

ビジネス文書は会社員、個人事業主を問わず働く人ならば必ず書く機会があるでしょう。自信を持ってビジネス文書でやり取りをしたい、部下にきちんと教えられる知識が欲しいと考えている方にはおすすめの資格です。

コンテンツ

ビジネス文書検定とは?実務技能検定協会主催の民間資格

メールを打つサラリーマン

ビジネス文書検定は、ビジネスで使われる文書を書ける能力を測る試験です。秘書検定などを行っている実務技能検定協会が主催する民間資格で合格率は高めで、きちんと対策をすれば問題なく合格できる難易度は優しい分類といえます。

ビジネス文書検定の正式名称は?「ビジネス文書検定」

以前はビジネス文書技能検定という名前でしたが、現在は「ビジネス文書検定」が正式名称です。ビジネス文書には普段は使わない単語や言い回しが多く存在します。

例えば

「拝啓 貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜わり,厚く御礼申し上げます」

の言い回しは、実務で必要になった際にメールのテンプレートをもらったりインターネットで調べたりして使うことになるでしょう。

このようなビジネス文書を書き表す能力の育成を目指して始まったのがビジネス文書検定です。社内の研修などで習う機会がある方もいるかもしれませんが、社会人なら知っていて当然の知識とされているためなら習う機会はほとんどありません。

ビジネス文書検定のメリットは?3つのポイント

ビジネス文書検定の取得にどんなメリットがあるのでしょうか。

ビジネス文書を習うのは新卒で入社した会社での社内研修くらいで、ほとんどの人は実務をしながら覚えていくことになるでしょう。ビジネス文書検定では、ビジネス文書の書き方を体系的に学ぶことができるので自己啓発に向いています。

社会人としての常識が身につく

ビジネス文書の作成は仕事をしていれば誰もが通る道なので、知っていて当然と思われる社会人としての常識です。

ビジネス文書検定の学習を通してビジネス文章力が身に付くため、仕事をする際には役に立つでしょう。自信を持って文書を作成できるので仕事も円滑に行えます。

定型句を活用できるようになる

ビジネス文書には定型句が存在します。例えば

「折り入ってご相談がございます」

「今後ともお引き立てのほどお願いいたします」

などで、日常生活で使うことはほとんどありません。定型句が正しく使えていないと社会人として恥をかく場面もあるでしょう。ビジネス文書検定で学ぶことで定型句を正しく活用できます

ビジネス文書検定2級以上なら履歴書にも書ける

ビジネス文書検定には1~3級まで3つのレベルが存在します。

3級は上司の指示に基づき文書を作成できる基本能力に留まりますが、2級以上は単独でビジネス文書を作成する能力を証明できるため履歴書でスキルアピールをする際に活用できます。

ビジネス文書検定2級以上は高校生や大学生の就職活動に役立つでしょう。

ビジネス文書検定の級別難易度は?3つの級に分かれている

先ほども紹介しましたが、ビジネス文書検定は1~3級の3つのレベルに分かれています。それぞれの級のレベルや合格率、どんな人におすすめかを解説していきましょう。どの級を受験するか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

3級は指示を受けて文章を作成できるレベル

3級はビジネス文書作成の知識と技術が身に付いており、上司の指示に従って正しく文書を作成できるレベルです。

固有名詞やビジネス用語の知識、漢数字と算用数字の使い分け、文章をわかりやすく書く力、郵便や社外秘文書の取り扱い方を問われます。

資格概要

資格概要は次の通りで、18の都道府県で試験が行われています。

ビジネス文書検定3級
試験日程7月、12月
試験時間120分
試験方法選択問題
受験資格なし
受験料2,800円
合格率・合格ライン

ビジネス検定3級の合格率は80~90%で、受験したほとんどの方が合格しているので易しいレベルの試験です。合格ラインは、表記技能・表現技能・実務技能の3つの試験領域の得点がそれぞれ60%以上の時なため、苦手分野があると合格は難しいです。

取得するべき人

3級はビジネス文書の基本が試験範囲となるため、ビジネス文書に触れたことのない高校生や大学生は3級から挑戦するのがよいでしょう。テキストを読めば合格できるレベルのため社会人として働く前に自信をつけたい方にもおすすめです。

2級は自分でビジネス文書を作成できるレベル

2級はビジネス文書作成の知識と技能が身に付いており、自分1人で文書を正しく作成できる能力があるレベルです。公印の押し方や内容に適した件名の付け方、敬称の使い方、一般的な社内文書(稟議・規定・議事録)の書き方などが試験範囲とされています。

資格概要

試験概要は以下の通りで、試験日程や試験場所はどの級も同じです。

ビジネス文書検定2級
試験日程7月、12月
試験時間130分
試験方法選択問題、記述問題
受験資格なし
受験料4,100円
合格率・合格ライン

ビジネス検定2級の合格率は60%で、きちんと対策を行えば問題なく合格できるレベルの試験です。

合格ラインは、3級と同じく表記技能・表現技能・実務技能の3つの試験領域の得点がそれぞれ60%以上の時なため、満遍なく試験範囲を学習することが大切です。

取得するべき人

2級はこれから就活をし社会人となる学生や社会人になったばかりの方社会人として働く中でビジネス文書の書き方に不安を持っている方におすすめの資格です。

2級以上は履歴書に記載しスキルとしてのアピールができるため、サービス業から一般職へ転職をする際などにも勉強しておくと助けになるでしょう。

1級はビジネス文書作成を指導できるレベル

1級はビジネス文書作成の知識と技能が十分にあり、必要に応じて適切な指導ができるレベルです。

難しい同音異義語や異字同訓語の使い分けや複雑な尊敬語と謙譲語、丁寧な言い回し、複雑な社交文書、部下が書いた文書に対しての助言や添削指導ができるかなどが試験内容とされています。

資格概要

試験概要は以下の通りで、1級のみ実技試験があります。

ビジネス文書検定1級
試験日程7月、12月
試験時間140分
試験方法選択問題、記述問題、実技試験
受験資格なし
受験料5,800円
合格率・合格ライン

ビジネス検定1級の合格率は35%で、選択問題の他に実技試験が加わるため2級に比べて難易度がぐんと上がっています。合格ラインは、2,3級と同じく表記技能・表現技能・実務技能の3つの試験領域の得点がそれぞれ60%以上の時です。

取得するべき人

1級は部下や社内の人に指導する立場にある人はもちろん、全ての社会人におすすめの資格です。

スキルを向上したい方、正しい知識を身につけ自信を持ちたい方、文書作成で恥をかきたくない方は取得しておくと社内で何かと評価を受けやすくなるでしょう。

全商版ビジネス文書検定との違いは?別の資格であることに注意

ビジネス文書検定と似た名前の民間資格に「全商版ビジネス文書実務検定」があります。

名前が似ているため稀に間違えて申し込む方がいますので申し込む際は注意しましょう。「全商版ビジネス文書実務検定」は商業高校の学生向けの検定試験です。早く正確に入力する能力を測るもので試験問題も大きく異なります。

ビジネス文書検定の内容は?3つの科目がある

社内向け文書を作成する人

各級の合格基準でも紹介しましたが、ビジネス文書検定の試験科目は「表記技能・表現技能・実務技能」の3つから成り立っており合格には各科目で60%以上の得点が必要です。各科目の詳しい内容について解説します。

表記技能

表記技能の科目では正しい用字や用語が使え、ビジネス文書の書式等について知っているかを確認します。詳しい試験内容を2級の審査基準を例に紹介します。

総合
・文字を丁寧に、正しく、読みやすく、整えて書ける
用字
・実用文に使われている常用漢字とビジネス用語に使われている漢字が書ける
・仮名書きすべき語句、現代仮名遣いを知っている
・漢数字と算用数字の使い分けができる
用語
・一般の用語、慣用の手紙表現について知っている
・同音異義語や異字同訓語を使い分けられる
書式
・縦書き通信文の構成とレイアウトを知っている
・公印の押し方を知っている

表現技能

表現技能の科目では正確でわかりやすくよみやすい文章や礼儀正しい言葉遣いの文章を知っているかを確認します。

正確な文章
・やや長い文を文法的によじれなく書ける
・意味の誓い類義語を使い分けられる
・曖昧な用語や二通りに解釈できる語句を知っている
分かりやすい文章
・内容を的確に表した表題(件名)を付けられる
・箇条書きを使い文章をわかりやすくできる
・わかりやすくするための図表が書ける
礼儀正しい文章
・人を指す言葉・敬称を知っている
・「お・御」を正しくつけられる
・尊敬語、謙譲語の使い分け、丁寧な言葉遣いや言い回しができる
・手紙上のエチケットやしきたりを知っている

実務技能

実務技能の科目では、社内文書や社外文書が書けることや各種文書の取り扱いの知識があるかを確認します。

社内文書
・一般の社内文書(稟議・規定・議事録)が書ける
社外文書
・業務用社外文書や簡単な社交文書が、文例を見て書ける
文書の取り扱い
・受発信事務ができる
・「秘」扱い文書の取り扱いを知っている
・適切な郵便方法を選べる
・用紙の大きさ、紙質がわかり、印刷物の校正ができる

ビジネス文書検定の試験概要!受験要項や日程をまとめてチェック

試験日程を確認

試験内容が分かったところで最新の試験概要をチェックしましょう。試験申し込みは実務技能検定協会のインターネットサイトか郵便にて行えます。

ビジネス文書検定はいつある?年2回実施!

ビジネス文書検定は例年2回7月と11月に試験が行われています。今年度の試験日と受付期間は以下です。試験後1か月程度で合否通知が自宅に届きます。申し込み後の受験級の変更や追加、次回への持越しはできません。

試験日受付期間
2022年7月3日(日)2022年4月7日~5月30日
2022年11月27日(日)2022年9月5日~10月24日
試験情報

受験資格はある?誰でも受けられる!

ビジネス文書検定に受験資格はなく、誰でもどの級からでも受験が可能です。

3級からステップアップしながらの取得でも、初めから1級に挑んでも問題ありません。公式サイトに過去の試験問題が掲載されているので、実際に問題を見て受験する級を検討してもよいでしょう。

ビジネス文書検定の対策がしたい!おすすめ対策方法

対策を進めよう

ビジネス文書検定の合格に必要な勉強時間は1か月程度と言われています。おすすめの対策方法を紹介しますので、対策を行って一発合格を目指しましょう。

まずはビジネス文書検定公式テキストと問題集を用意しよう

ビジネス文書検定の対策は公式テキストと問題集を使い勉強する方法が最も効率的です。まずはテキストを読み込み、テキストを一周したら問題集を解きましょう。通勤や通学などの隙間時間をうまく使い、効率的に勉強を進めてください。

パターンを暗記するのが大切

過去問題を分析し、出題パターンや出題傾向を把握します。

選択問題部分はほとんど暗記に近い対策になりますが、付け焼刃の暗記で資格を取得しても何の役にも立ちません。どんな場合にどんな定型文を使うのかパターンを暗記し実際の仕事に生かせるように覚えることが大切です。

繰り返し解いて慣れておこう

ビジネス文書検定は過去問題からの出題が多い傾向にあるため、公式の過去問題集をひたすら解くことが合格への近道です。過去問題から学んだ知識は仕事でアウトプットする意識を持ち、インプットした知識が早く定着するように心がけましょう。

1級は時間にも注意

1級はほぼすべてが記述試験で、時間内に書き終えなければいけません。試験対策時も解答を読んで覚えるだけではなく、実際に解答例を書き写して覚えましょう。過去問を解きながら時間を測り、時間内に書き終わっているかチェックすることも大切です。

ビジネス文書検定と合わせて取得したい資格は?

併せて取得したい資格

ビジネス文書検定は仕事上でのビジネス文書の正しい書き方を学べる自己啓発の意味合いが強い試験です。

この資格だけで極端に就活が有利になったり昇格に働くわけではありませんが、持っていることで自信になりスキルアップにつながることは間違いありません。併せて取得することで更なるスキルアップにつながる資格を5つ紹介します。

簿記検定

簿記資格もビジネスパーソンとして持っていて損はなく、生活にも役立つ知識のひとつです。経理の仕事に就こうと考えている方、実際の経理の仕事をしている方以外でも生かせる場面は多いでしょう。

就職でアピールしたい方は2級以上の取得がおすすめです。簿記検定取得のメリットは以下の記事で詳しく紹介しています。

秘書検定

秘書検定はビジネス文書検定と同じく実務技能検定協会が運営している民間資格で、就活に役立つ資格として取得する学生が多い資格です。ビジネスマナーや仕事での話し方など社会人としての基本常識を学べます

就職活動で活かしたい場合は2級以上を取得しましょう。秘書検定について詳しくは以下の記事で紹介しています。

日本語検定

日本語検定は正しい日本語について学ぶ試験で、外国人向けではなく日本人を対象とした試験です。1~7級まで7段階のレベルがあり、受験者の半数は3級の高校卒業レベル~社会人基礎レベルを受けています。敬語、文法、語彙、言葉の意味、表記、漢字の6つの内容を問われる試験です。

言葉遣いや日本語の使い方に不安を覚える方はビジネス文書検定の前にこちらの取得を考えてもよいでしょう。就活で活かせるのは3級以上で、2級以上を取得すると周囲の日本語の乱れを感じ取れるくらいの正しい日本語力が身に付きます。

ビジネス実務マナー検定

ビジネス実務マナー検定はビジネス文書検定と同じく実務技能検定協会が運営している民間資格で、秘書検定に似ていますが「ビジネスマン全般」の知識を学習できます。職場での協調性や訪問先での対応など、社会人でよく遭遇するケースが多く出題される試験です。

新入社員や学生なら秘書検定よりもビジネス実務マナー検定の方が、基礎全般を学べるので営業や企画など自分主体で動いていく仕事をしたい人に向いています。

文書情報管理士

文書情報管理士は会社で取り扱う紙の文書について保存するための技術を学び、それに伴う書類保存に関する法律や企画を学ぶ民間資格です。書類のペーパーレス化や電子化が進み注目を集めている資格で、会社において機密文書を扱う立場にある人にはおすすめの資格といえるでしょう。

文書情報管理士の他にも事務職に人気の資格について以下の記事で紹介しています。

ビジネス文書検定は社会人に重要な力が身につく資格!

自信あふれる社会人

ビジネス文書検定は直接就職が有利にになったり昇給したりする資格ではありませんが、社会人なら必ず行うビジネス文書作成に自信を持って取り組めるようになる資格です。資格取得を通して、人から教わる機会の少ないビジネス文書作成を集中的に学習してはいかがでしょうか。

社外の人とのやりとりが多い部署で働いている方、連絡や調整をすることが多い方は取得することで仕事に生かせるでしょう。もちろん就活を控える学生にとっても社会人にとっての重要な力が身に付く資格です。1か月程度で取得が目指せ、周りの人との差が付けられます。