「1級建築士試験は独学では無理?」
「2級建築士試験独学で合格するには、どれくらい勉強したらいい?」
建築士試験は資格試験の中でも難関です。「資格は欲しいけれど挑戦する勇気がない!」
そんなお悩みはありませんか?
建築士資格は就職や転職、独立にも有利な資格です。
しかし、合格率は低く容易にとれる資格でもありません。通信講座、通学講座とも費用も決してお安くはありません。
「ぜひ独学で建築士資格に合格したい!」そこで、建築士試験独学合格に必要な情報を集めました。
コンテンツ
建築士の独学は可能?難易度は1級も2級も高い!
1級建築士、2級建築士とも合格率は低く難易度の高い資格試験です。しかし、独学で合格する人はいます。確かな対策を立てれば決して不可能ではないのです。
下の表を見れば、1級建築士は行政書士と同等、社労士より合格率が高いことがわかります。2級建築士はそれよりは合格率が高いので、独学合格の可能性は高まります。
1級建築士 合格率(%) | 2級建築士 合格率(%) | 行政書士 合格率(%) | 社会保険労務士 合格率 (%) | |
---|---|---|---|---|
平成23年 | 11.70 | 24.80 | 8.10 | 7.20 |
平成24年 | 12.40 | 24.80 | 9.20 | 7.00 |
平成25年 | 12.70 | 23.10 | 10.10 | 5.40 |
平成26年 | 12.60 | 19.50 | 8.30 | 9.30 |
平成27年 | 12.40 | 24.30 | 13.10 | 2.60 |
平成28年 | 12.00 | 21.50 | 10.00 | 4.40 |
平成29年 | 10.80 | 25.40 | 15.70 | 6.80 |
平成30年 | 12.50 | 25.50 | 12.70 | 6.30 |
令和元年 | 12.00 | 22.20 | 11.50 | 6.60 |
令和2年 | 10.60 | 26.40 | 10.70 | 6.40 |
2級建築士の独学は無理?正しく対策すれば可能!
2級建築士試験の合格率は20~25%程度です。難関ではありますが、超難関とまではいきません。正しい対策をすれば合格可能な試験です。2級建築士資格試験独学合格に関しては、経験者の体験談がとても役に立ちます。中には「目からウロコ」の意見も載っています。
最も多い意見は、過去問重視と暗記力重視です。これは体験者だけではなく、資格学校のサイトにも記載されています。
建築士試験は他の資格試験よりも過去問からの出題率が高いのです。過去問出題が多いということは、毎年よく似たパターンの問題が出るということです。
解答自体も解答の出し方も似てきます。解答の導き方や計算の公式を暗記することが大きな力になります。
- 2級建築士試験独学の効果を上げるために必要なこと
- ・過去問を徹底的に演習する
・過去問の内容や公式をしっかり暗記する
1級建築士の独学は無理?通信講座での独学がおすすめ!
1級建築士資格試験も過去問重視、暗記重視に変わりはありません。しかし、1級建築士試験は非常に難易度の高い試験です。もちろん、独学合格者もおられますが少数です。独学にこだわるよりも、プロの力を取り込んだ方が確実な対策になります。
1級建築士資格試験のための講座には通学講座と通信講座があります。おすすめは通信講座です。テキストはもちろん、CDやDVDがついていたり、eラーニングを利用できることもあります。スマホで勉強できるのでスキマ時間を有効に使えます。
通信講座なら勉強時間や場所が自由に選べるので独学のメリットを守ることができます。
- 1級建築士試験独学の効果を上げるために必要なこと
- ・完全独学かプロの手を借りるか早急に判断する
・プロの手を借りるなら通信講座を選ぶ
建築士の独学は文系や初心者でも可能?得意を生かせば可能性あり!
建築士の印象は計算が得意な理系男子というのが多いのではないでしょうか?初心者の人、文系の人や女性の方には向かない仕事と思っている人も多いようです。
確かに建築士の仕事に計算はつきものです。ただし、実務では複雑な計算は計算ソフトがこなします。絶対に間違ってはいけないのですから機械的に正確な計算をするのです。構造計算に関しても構造設計士という専門家がいます。
建築士には、コミュニケーション能力や文章力、プレゼンテーション能力が求められます。施主や関連スタッフとの意思疎通、企画書作り、コンペなどでの説明能力が必要なのです。
確かに、「計算はからっきしダメ」となると建築士試験合格は難しいでしょう。しかし、高校数学程度の計算ができれば建築士試験合格を目指すことができます。
初心者の場合でも、建築士を目指すうえで要求される事前知識はそう多くありません。勉強する過程で分からない部分があっても、ネットで調べたり講師に質問することで解決できるケースがほとんどです。
初心者や女性の方、文系の人でも建築士に合格できる可能性は大いにあります。
- 文系で建築士を目指すのに必要な能力
- ・コミュニケーション能力
・文章力
・プレゼンテーション能力
・高校程度の数学力
・暗記力
建築士の独学が難しい理由は?試験のむずかしさが大きな要因!
建築士試験に独学で合格する人は少数派です。大多数の人は何らかの講座を受けるか、大学の建築学部で勉強します。どうして、建築士は独学合格が少ないのでしょうか?
答えは簡単です。難しいからです。では、どうして建築士試験は難しいのでしょうか?
建築士試験が難しい大きな要因は、その出題範囲です。試験科目としては1級建築士6科目、2級建築士5科目です。資格試験としては一般的な科目数です。ただし、1科目ごとの内容の多さは驚異的です。
1科目が3~4分野に分かれ、それぞれの分野はまた細かい項目に分かれます。一つの科目で20項目以上の出題範囲があります。技術の進歩に従ってさまざまな法改正があります。それに伴って、出題範囲はますます広がりつつあります。
建築士試験が難しいもう一つの要因が合格基準点の高さです。各科目ごとに合格基準点が定められています。1科目でも合格基準点に満たないと不合格になるのです。
総合点にも合格基準点が定められています。すべての科目が合格であっても、総合点が足りないと不合格になります。この厳しい基準点制度が建築士試験の難易度を上げているのです。
<1級建築士試験学科別合格基準点>
科目 | 満点 | 合格基準点 |
---|---|---|
学科Ⅰ(計画) | 20 | 10 |
学科Ⅱ(環境・設備) | 20 | 11 |
学科Ⅲ(法規) | 30 | 16 |
学科Ⅳ(構造) | 30 | 16 |
学科Ⅴ(施工) | 25 | 13 |
総得点 | 125 | 87 |
建築士を独学で取得する方法は?スケジュール管理と勉強方法がカギ!
建築士資格試験は1級、2級ともに難易度の高いものです。独学で合格するには、相応の努力が必要です。努力を具体的にいえば実行可能なスケジュールと的確な勉強方法です。
建築士試験の勉強時間は?2級は700時間・1級は1000時間以上が目安!
2級建築士の必要勉強時間は700時間以上,1級建築士は1000時間以上と言われています。これだけの勉強時間を、働きながらこなしていくには、相当の日数が必要になります。
いつから勉強を始める?最低でも1年前から!
働きながらの受験として、一日の勉強時間は長くて3時間程度です。とすれば234日必要になります。現実的には、毎日3時間は困難です。たまには風邪もひくし、残業の日もあるのです。受験勉強期間は最低でも1年必要と考えられます。
2級建築士でこれだけの日数がかかるのですから1級はさらに厳しくなります。効率を考えたしっかりしたプランが必要になります。
建築士の勉強法は?問題演習と反復がカギ!
建築士試験では過去問の類題が多いのが特徴です。過去問の演習は建築士試験勉強のカギになります。多くの建築士試験向け講座でも過去問の分析をセールスポイントに挙げています。
過去問を何度も演習するうちに、苦手な問題、分野もはっきりしてきます。その部分をしっかり補強すれば弱点克服にも役立ちます。
建築士独学におすすめのテキストは?通信講座のものを活用しよう!
過去問に挑む前にはテキストで基礎知識をインプットする必要があります。テキストは、過去問で行き詰ったときにも必要なので一通りは用意しましょう。
おすすめは、建築士受験向け通信講座のテキストです。建築士試験向け通信講座のランキングで常に登場するのが、スタディング、タック、総合資格学院、日建学院です。特に日建学院やタックは講座運営だけではなく教材の出版でも実績があります。
- 『1級建築士要点整理と項目別ポイント問題』
1級建築士要点整理と項目別ポイント問題 令和3年度版 | 日建学院教材研究会 |本 | 通販 | Amazon - 日建学院が年度ごとに改版出版しています。建築士志望者にはよく知られたテキストです。要点を見やすく整理しているので、スキマ時間のポイント学習にも使える優れものです。
- 『建築基準関係法令集』
建築基準関係法令集 2022年度 | TAC建築士講座 |本 | 通販 | Amazon - 建築士試験のバイブルともいえるのが法令集です。常に手元に置いて使い慣れる必要があります。早い時期に入手しておきましょう。
- 『スタンダード 二級建築士』
スタンダード 二級建築士 2022年版 | 建築資格試験研究会, 建築資格試験研究会 |本 | 通販 | Amazon - 建築資格試験研究会も毎年スタンダードシリーズとして、受験生の間では定番のテキストを出版しています。解答が別冊仕様になった、使い勝手のいい対策本です。
また、公益財団法人建築技術教育普及センターのホームページから9年間の過去問をダウンロードできます。実際の試験様式そのままなので、試験様式に慣れることができます。
建築士試験におすすめのテキストについては、「建築士のテキストはどれがおすすめ?自分に合ったものの選び方を解説!」で詳しくまとめています。
建築士の独学は順番も重要!まずは「法規」からがおすすめ
建築士試験は計画を立てて効率的に勉強しないと合格ラインには近づけません。勉強を始める順番も大切です。最初に勉強を始める科目としておすすめは法規です。
法規は出題数が多く、法規で好成績を上げることで総合点の底上げができます。また、試験場に法令集を持ち込めるので、満点を目指すこともできます。ただし、法令集の扱いに慣れていないと、法令集を繰っているだけで時間を費やしてしまいます。
法令集に慣れるという意味でも、早い時期から勉強を始める必要があります。
建築士の独学取得は難しい!長期的な計画と問題演習が合否を分ける!
建築士の独学取得は容易ではありません。しかし、計画性をもってスケジュールを立てて挑めば決して不可能ではないのです。
よい教材を入手して一通り知識を付けた後は過去問を徹底的に演習する。同じところで複数回間違えた場合にはテキストで復習する。この経過を何周も繰り返しているうちに実力がついてきます。
この過程を何度繰り返せるのかで合否が分かれます。大切なことは、受験期間と定めた期間中のモチベーションを保ち続けることです。建築士独学合格は勉強のやり方次第で現実にできます。さあ、第一歩を踏み出しましょう。