「スポーツフードアドバイザーってどんな資格?」
「そもそも、スポーツフードって何?」
そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか?
スポーツフードアドバイザーは、あまり聞き慣れない資格です。スポーツフードは、単に健康食という意味ではありません。アスリートたちが勝つための食事のことです。
もちろん、健康なことは基本です。その上に、その競技に必要な体形や体力を作る食事のことです。アスリートのための食事を的確に提案できるのが、スポーツフードアドバイザーです。
スポーツフードアドバイザーの試験の内容や求人など詳しく説明します。
- この記事で分かること
- ・スポーツフードアドバイザーの仕事内容
・スポーツフードアドバイザーの試験概要
・スポーツアドバイザー資格が生かせる職業と求人
・そのほかの食事関連の資格について
コンテンツ
スポーツフードアドバイザーとは?食事で選手をサポートする
スポーツフードアドバイザーとはアスリートの食事関連の管理アドバイスする人のことです。食事にかかわる的確なアドバイスをするためは、様々な知識が必要です。
体の仕組みや栄養素に関する知識などを駆使して、アスリートの身体づくりのアドバイスをします。フィジカルな面だけではなく時にはメンタルな部分にかかわることもあります。
相手に合わせて食事面のアドバイスをする人
スポーツアドバイザーの仕事は、単に栄養豊富なメニューを提案するのではありません。アスリート個人個人に合わせた綿密な食事計画を立てます。
食事計画とは単にメニュー提案ではなく、毎日、季節ごと、試合までなど短期長期にわたる食べ方も含んだ計画のことです。
スポーツフードアドバイザーは、競技の種類、アスリートの年齢、性別なども考慮に入れて食事計画を提案するのです。
スポーツフードアドバイザーの仕事は?3つの内容
スポーツアドバイザーの仕事は大まかにいうと3つあります。身体面を強化するためのメニュー提案です。
二つ目は試合に向けた体調管理、調整です。そして三つめは疲労回復を早めるための食事支援です。
①身体面の強化
競技の種類で必要な栄養素は変わってきます。たとえば、体重が多い方が有利なスポーツ、体重を増やすと不利になるスポーツがあります。体重だけではなく、体のあらゆる部分にそのスポーツにふさわしい強化が求められます。
また、アスリートだって好みがあります。競技にふさわしく、なおかつアスリートの希望に沿ったレシピの提案はスポーツフードアドバイザーの大きな役割です。
②試合に向けた調整
最高の体調で試合に臨みたい。これはアスリート個人もチームも共通の願いです。スポーツフードアドバイザーは、試合までの日数や季節の変化などを考慮しながら食事計画を提案します。
疲労回復のサポート
疲れているとケガをしやすいということはスポーツ関係者の共通認識です。アスリートたちは日々厳しいトレーニングをこなします。トレーニング疲れはアスリートの大きな悩みでもあります。
また、試合中の疲労は勝負を左右します。長期的にも短期的にも疲労回復力は、アスリートにとって大きな問題なのです。スポーツフードアドバイザーは疲労回復のサポートもします。
スポーツフードアドバイザーの資格概要を紹介!
スポーツフードアドバイザーは、一般財団法人日本能力開発推進協会が主催する民間資格です。
アスリートの栄養管理に必要なメニュー提案をします。資格はこれらの専門知識を持っているという証明になります。
スポーツフードアドバイザーの資格取得方法は?講座受講と試験合格が必要
スポーツフードアドバイザーと名乗るためには、資格試験に合格しなければなりません。
また、受験資格を得るためには、認定講座を修了しなければなりません。認定講座とは、キャリカレのスポーツフードアドバイザー養成講座です。
独学ではスポーツフードアドバイザーの資格は取れない
スポーツフードアドバイザー資格は独学では取得できません。主催団体である一般財団法人日本能力開発推進協会の公式HPには、スポーツアドバイザーの受験資格が記載されています。
受験資格は「協会指定の認定教育機関等が行う教育訓練において、その全カリキュラムを修了した者」と明記されています。
その、認定教育機関というのがキャリカレです。スポーツフードアドバイザー資格試験は、キャリカレのスポーツフードアドバイザー養成講座を受講しなければ受験できないのです。
スポーツフードアドバイザー資格取得の費用
スポーツフードアドバイザー資格試験の受験量が5,600円(税込)です。受験資格を得るための認定講座受講料は47,400円,ネット申し込みで10,000円割引で37,400円になります。
受講料は分割払いも可能です。分割払いでは1,800 円×24回(24ヶ月)になります。ただし、学習期間は3ヵ月です。
受講料と受験料を足した費用43,000円がかかります。
スポーツフードアドバイザー資格の難易度
スポーツフードアドバイザー資格試験の合格基準は得点率 70%以上です。この資格試験は、認定講座受講終了後、在宅受験です。試験はテキストを見ながら受験できます。
合格率は、主催団体HPにも認定講座公式サイトにも記載されていません。しかし、相当高い合格率であることが推測できます。
スポーツフードアドバイザーを取得するメリットは?3つの魅力
スポーツフードアドバイザー資格を取得する主なメリットは3つです。栄養の知識が身につくこと、特にスポーツをするための栄養について学べることは大きなメリットです。
このような知識を生かして、アスリートを栄養成分と体の仕組みを考えて科学的に支援できます。
①栄養について学べる
栄養は私たちの生活に欠かせないものです。その知識を身に着けることは、アスリートだけではなくすべての人に役立ちます。
スポーツフードアドバイザー試験の受験勉強をすると、栄養の基礎知識を一から学べます。
②スポーツ栄養について学べる
栄養に関する基礎知識が身に付けば、次はスポーツ栄養の勉強をします。競技によって、「勝てるカラダ」は違います。
極端な例を挙げればウェイトリフティングとフィギュアスケートでは勝てる体型は全く違います。競技によって勝つために必要な栄養は全く違うのです。
また、激しいトレーニングをする時期と緩やかなトレーニングをする時期では必要な栄養は違ってきます。アスリートの体調を見ながらどの栄養を強化するべきなのか?といった、スポーツ栄養が詳しく学べます。
③スポーツマンに対して科学的なサポートができる
栄養の知識が身に付けば、アスリートに対して栄養という科学的な側面からアドバイスをすることができます。言葉で励ます以上に身体の中から、力をつける方法をアドバイスできるのです。
技術的な指導はアスリートに必要不可欠な指導です。また、精神的なアドバイスもアスリートを勇気づけます。その上に栄養という科学的な知識で体を作るアドバイスをすることでさらに勝利に近づくことができるのです。
スポーツフードアドバイザーとスポーツフードマイスターの違い
スポーツフードアドバイザー資格とよく似た資格にスポーツフードマイスターがあります。スポーツフードマイスターもアスリートの体づくりを食事、栄養という面からサポートするための資格です。
どちらの資格もスポーツフードの専門家として働ける資格です。
スポーツフードアドバイザー資格は、認定講座修了を受験資格に掲げています。それに対してスポーツフードマイスターは受験資格の定めがありません。そのため、独学受験もあり得ます。
主催団体 | 一般財団法人 日本能力開発推進協会 | 日本安全食料料理協会 |
資格名 | スポーツフードアドバイザー®資格 | スポーツフードマイスター |
受験資格 | 協会指定の認定教育機関等が行う教育訓練において、その全カリキュラムを修了した者。 | 特になし |
認定講座 | キャリカレのスポーツフードアドバイザー養成講座 | SARAのスポーツフード アーキテクトラーニングの資格講座スポーツフードマイスターW資格取得講座など |
試験日程 | カリキュラム修了後、随時 | 偶数月20日から24日(年6回) |
会場 | 在宅 | 在宅 |
履修内容 | ・体と栄養 ・運動とエネルギー ・スポーツと食事 ・ライフステージ別の栄養と食事 ・スポーツと水分補給 ・期別の栄養と食事 ・スポーツ選手のメンタルケア ・食事指導(レシピ含む) | トレーニング期の食事 メンテナンス期の食事 試合前日の食事 試合当日の食事 試合後の食事 練習中、試合中の水分補給 オフ期の食事 間食・補食のとり方 サプリメントの使い方 |
税込み受験料 | 5,600円 | 10,000円 |
試験申込 | 認定教育機関での全カリキュラムを修了後随時 | 試験月前月末まで |
合否の判定 | 70%以上得点 | 70%以上得点 |
合格発表と通知 | 答案受付後約1ヶ月 | 試験月翌月20日 |
スポーツフードアドバイザーの資格はどこで活きる?活かし方
スポーツフードアドバイザー資格を取得すると、栄養と体の知識、各スポーツ競技粗食時の関連性などが身につきます。これらの知識は、一般的な生活の中でも大いに役に立ちます。
また職業として役に立てることもできます。ここでは、スポーツフードアドバイザーの資格が役に立つ3つの職業をご紹介します。
スポーツチームのマネージャー・コーチ
プロスポーツチームやアマチュアスポーツチームにはマネージャがいます。ここでいう、アマチュアとは実業団や高校、大学のクラブチームのことです。
プロスポーツのマネージャーはプロのマネージャーです。アマチュアスポーツの場合にはプロマネージャーの場合とアマチュアマネージャーの場合があります。
ただし、アマチュアマネージャーと言えど、いい加減な知識では務まりません。能力的にはプロと同等のマネージャーが必要です。
マネージャーの仕事は、チームが勝つための環境づくりやスケジュール管理、練習場の手配、準備片付け選択にまで及びます。
スポーツフードアドバイザーの知識があれば、マネージャーとしてチームの食生活の管理サポートができます。
スポーツトレーナー
スポーツトレーナーは、アスリートの健康管理、体づくりに深くかかわり、アスリートの能力を最大限に生かし切るのが仕事です。
アスリートの体調維持、トレーニングの管理計画、けがの時の応急対応などが仕事です。食事管理にも深くかかわります。スポーツフードの知識は欠かせないのです。スポーツフードアドバイザーの知識はトレーナーの仕事に大いに役立ちます。
プロスポーツチーム、アマチュアスポーツチーム、スポーツジム、アスリート専属トレーナーなどの道があります。
スポーツ関連の教育機関
スポーツフードアドバイザー資格はスポーツ関連の教育機関への就職にも役立ちます。体育大学や体育学科、健康科学部、体育科学科などの学部がある教育機関で学生や生徒を指導、サポートをする職種が考えられます。
また、体育教師を目指す人にも役立つ資格です。
関連した求人の探し方は?スポーツフードアドバイザーの求人募集例
スポーツフードアドバイザーで検索してみても、ヒットする求人は見当たりません。現在スポーツフードアドバイザーは職種としては認識されていないようです。
スポーツフードアドバイザーはあくまで資格名です。
スポーツ関連の職種、または業種をあたってみましょう。多いのは、スポーツジムやフィットネスクラブのパーソナルトレーナーです。
そのほかにも、テニスクラブやサッカー教室、児童体操教室のインストラクター、コーチという募集もあります。これらの職種ではスポーツフードアドバイザーの資格は有利に働きます。
ただし、これらの仕事は運動能力や競技経験なども必要になります。
競技経験がない人がスポーツフードアドバイザー資格を生かすためには、料理教室の講師、施設の食事担当部署、食品メーカーなどの求人があります。
食事関連の資格はほかにもある!他の注目資格をチェック
食生活の改善は現代人共通の課題です。食生活関連の資格は非常に注目されています。
食生活関連の資格は他にもあります。
食生活アドバイザー®️
食生活アドバイザーは一般社団法人FLAネットワークが主催する民間資格です。食生活にかかわる知識を身に付けて取得する資格です。
スポーツフードに特化されていないので、生かせる職業の幅は広くなります。また家庭生活や一人暮らしの自己管理などにも非常に役に立ちます。
受験資格の定めがないので独学でも受験できます。確実に合格したいならユーキャンの講座がおすすめです。
講座名 | |
コース名 | 食生活アドバイザー講座 |
受講料(税込み) | 39,000円 |
講座スタイル | 通信 |
標準学習期間 | 標準学習期間は4ヵ月 |
合格率 | 記載なし |
公式サイト | 公式サイト |
食生活アドバイザー資格に興味がある方は、「食生活アドバイザーの仕事って?仕事内容から資格の活かし方まで紹介!」を読んでお役に立ててください。
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生活習慣病とは食生活をはじめとする、不適切な生活習慣が原因でかかってしまう病気全般を指します。過度のストレス、不規則な生活、栄養バランスの良くない食事が要因です。
高血圧や肥満など生活の質を下げる病気が進むと脳卒中など命にかかわることも少なくありません。生活習慣病予防は現代社会の大きな課題です。
生活習慣予防プランナーはそんな要望に応えた資格です。受験資格の定めはないので独学受験も可能です。一発合格を目指すならユーキャンの講座がおすすめです。
講座名 | |
コース名 | 生活習慣病予防プランナー講座 |
受講料(税込み) | 32,000円 |
講座スタイル | 通信 |
標準学習期間 | 3ヵ月 |
合格率 | 記載なし |
公式サイト | 公式サイト |
食育インストラクター
昨今、盛んに言われる言葉に「食育」があります。食育は幼児のころから「食」に関する知識を身に付けて健全な食生活を送れる大人になることを目指すことです。適切な食育ができるように指導するのが食育インストラクターです。
保母職や教職にある人だけではなく、育児を担う方すべてに役立つ資格です。この資格はNPO 日本食育インストラクター協会が主催する民間資格です。
プライマリー級から3級から1級へと順次試験を受けます。受験資格は主催団体が指定する講座を修了です。各級で講座が指定されています。
「食事の資格にはどんな種類がある?スポーツやダイエットにも役立つ人気おすすめ資格一覧!」には食事資格のことが詳しく書かれています。ぜひ参考にしてください。
スポーツフードアドバイザーの資格で選手をサポートしよう
現状スポーツフードアドバイザーという職種は認識されていません。フードアドバイスだけの仕事はほとんどないのが現実です。
しかし、スポーツに関連する職場や健康な食事を提供しなければならない職場で働くには有利な資格です。
スポーツフードアドバイザーは栄養、食習慣など食べることを科学的にとらえて選手をサポートできます。スポーツ関連の職場では、非常に役に立つ資格です。
インストラクターやトレーナー以外でもスポーツ関連施設のキッチンススタッフ、アスリートの家族にも役立つ知識が満載です。