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保護司とは?なり方・活動内容・報酬の有無など概要を解説

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保護司は人々の更生を支えるために、民間のボランティアとして活動しています。人々の善意や熱意によって支えられており、全国にいる保護司の数は48,000人程度です。

今回は、保護司のなり方・活動内容・報酬の有無など概要について解説します。

保護司の活動に興味がある方は、本記事を参考に内容を検討してみてください。

保護司とは?簡単に言えば更生をサポートするボランティア

保護司は、犯罪・非行をした人に対して、社会復帰や再犯などを防げるように支援活動に取り組みます。

どんな立場?法務省が管轄している非常勤の国家公務員

保護司の立場は、非常勤の国家公務員にあたります。

保護観察官と助け合いながら、更生保護の活動に取り組む流れです。

保護司という資格があるわけではない

保護司は職務に専門資格が必要というわけではありません。

ただ、保護司になるには、各都道府県の保護観察所で、条件を満たして認定を受ける必要があります。

保護司の報酬は?基本無給

保護司の活動は、基本的に給料はありません。

非常勤の国家公務員にはあたりますが、実質的にはボランティア活動という形です。

規則で定められた報酬は受け取れる

保護司の活動内容にもよりますが、職務で必要になる部分については「実費弁償金」という形でお金を受け取ることが可能です。

費用の詳細としては、補導費・生活環境調整費・特殊事務処理費・旅行実費などがあげられます。

保護司の活動内容は?社会復帰の支援

保護司と保護観察官が力を合わせて、更生保護の支援活動に取り組みます。

主な活動内容は保護観察、生活環境調整、犯罪予防活動の3つです。

保護観察

更生保護の軸になる支援活動です。

  • 遵守事項の指導
  • 生活に関わる助言(環境改善、生活指導など)
  • 就労の援助(職業指導、教育訓練など)

保護観察の期間は、保護観察者の種類に合わせて定められています。

生活環境調整

更生保護の支援活動が必要な人に対して、施設などからの釈放後、住む場所や仕事先などの調査・調整を進めていきます。

犯罪予防活動

地方自治体や地域の機関(警察・学校教育機関・社会福祉機関など)が連携を取りながら、地域で暮らす人々が更生保護の活動に関心を寄せるきっかけをつくります。

たとえば、活動内容は下記のとおりです。

  • 講演会
  • シンポジウム
  • 非行防止教室
  • 非行相談
  • 街頭補導活動

犯罪や非行を予防するには、社会復帰ができる地域社会の環境づくりと地域で暮らす人々の理解が必要です。

法務省では「社会を明るくする運動」という名前で、さまざまな支援活動に働きかけています。

保護司と似ている仕事・活動の違いは?それぞれ解説!

保護司と関わる仕事、保護司のようなボランティア活動について、それぞれ違いをまとめて解説します。

保護司と保護観察官との違い

保護司は、地域や民間のボランティアが支えている活動で、非常勤の国家公務員にあたります。

一方、保護観察官は、専門的な知識を活かして働く国家公務員です。

法務省によると、全国にいる保護司は48,000人程度、保護観察官は1,000人程度になります。

保護司は対象者の生活を見守るために、本人や家族と関わりをもって助言や相談に乗ることが活動内容です。

保護観察官は、保護司に助言する立場を取りながら、対象者の社会復帰を進めるための具体的な計画や措置などを決めていきます。

保護司と民生委員との違い

保護司は、犯罪や非行をした人を支援するボランティア活動にあたります。

一方、民生委員は、地域社会で暮らす住民を支援するボランティア活動です。主に福祉支援の活動、子どもたちと家族を支援する児童委員の役割を兼ねて活動しています。

法務大臣から委嘱されているのが保護司、厚生労働大臣に委嘱されているのが民生委員です。

保護司と人権擁護委員の違い

人権擁護委員とは、人権に関わる相談に乗ることや助言などで支援するボランティア活動にあたります。

法務省によると、人権擁護委員の数は全国で14,000人程度です。常設相談所では、面接・電話相談などから人権に関わるさまざまな相談に対応しています。

保護司の任期は2年、人権擁護委員の任期は3年でどちらも再任が可能です。どちらも法務大臣から委嘱されています。

保護司として活動するメリットとは?人々の善意により支えられている

保護司の活動は、人の世話をすることが好きな人に向いています。対象者の人生に関わる相談・支援業務になるため、過去の人生経験やコミュニケーション能力の高さが役立つでしょう。

保護司に取り組む人の職業・立場・経験はさまざまで、人々の善意や熱意によって成り立っている部分があるといわれています。保護司をやっていてよかったと思える瞬間は、対象者と心のかけあいができたときだそうです。

保護司の活動に危険はある?問題が起きることはほとんどない

保護司が担当する対象者は、事前に保護観察官が面接によってリスクを判断しています。そのため、ほとんどの場合において何かトラブルにつながってしまうというケースは少ないでしょう。

万が一対象者との問題を感じる場合があっても、担当から外れることも可能です。保護観察官や地域機関など、協力体制を整えて支援活動に取り組みます。

保護司になるには?自分の地域の保護観察所を調べてみよう

保護観察所は、都道府県庁の所在地に設けられています。北海道は、札幌・函館・旭川・釧路の4つです。

全国にある保護観察所を探すときは「全国の地方更生保護委員会・保護観察所一覧」から、お住まいの地域の管轄を探してみてください。

保護司になるための条件は?4つの条件を満たす必要がある

保護司になるには、各都道府県の保護観察所で、条件を満たして認定を受ける必要があります。

条件は、下記のとおりです。

・人格及び行動について、社会的信望を有すること
・職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること
・生活が安定していること
・健康で活動力を有すること
引用:Q&A – 法務省

保護司になれない3つの要件

国の情報によると、下記のいずれかに該当する方は、欠格条項に当てはまるので保護司になれません。

・禁錮以上の刑に処せられた者
・日本国憲法の施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
・心身の故障のため職務を適正に行うことができない者として法務省令で定めるもの
引用:e-Gov法令検索(保護司法のページ)

研修を受ける必要がある

保護司になりたい方は、保護観察官と講師による各研修を受ける必要があります。

支援に必要な基礎知識を理解する意味でも大切です。それぞれの研修内容を見ていきましょう。

新任保護研修

これから保護司になる人に向けて、保護司の使命・役割・身分に対する理解、知識・心構えに関する知識を身につけます。

処遇基礎力強化研修

これから保護司になる人に向けて、職務遂行に必要な事務手続き、実務に関する具体的な履修、保護司会の活動などについて知る機会を設けます。

指導力強化研修

再任が初めての保護司に向けて、保護観察に関する知識、保護司会活動などに関して役割を担える指導力を身につけます。

地域別定例研修

保護司に向けて区域ごとに実施されており、実務に必要な知識や技術の向上などに取り組みます。

特別研修

特別な配慮が必要な人に対し、接し方に関する専門知識や技術を身につけます。

自主研修

各地区にある保護司会などで、自主的に実施されている研修のことです。

保護司として働くときに活かせる資格は?メンタルヘルスに関連する資格を紹介

 保護司の支援は、犯罪・非行をした人の人生と向き合う活動になります。社会復帰の支援を続けるには、人の心に寄り添い続ける姿勢が重要です。

メンタルヘルスに関する専門知識をもっていると、人間の心理や傾向を知る機会につながり、対象者の立場に寄り添うきっかけにつながります。

メンタルヘルスに関する資格は、下記のとおりです。

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • メンタルケア心理士
  • メンタルヘルス・マネジメント検定

人の心に関する専門知識を身につけたい方は、資格取得で学ぶ方法もおすすめです。

メンタルヘルス関係の資格について、詳細は「メンタルヘルスの資格を種類・難易度別に紹介!独学方法も解説」の記事で解説しているので参考にしてみてください。

保護司は民間のボランティア!人々の更生を支える活動

保護司に特別な資格は必要なく、各都道府県の保護観察所で、条件を満たして認定を受ければ活動できます。

民間のボランティアとして活動する保護司は、地域社会や機関と連携を取りながら、人々と社会をつなぐ重要な存在です。

対象者の人生を支えるという活動が気になる方は、管轄にあたる区域の保護観察所に問い合わせをしてみてください。

*参考にした記事

参考:保護司ひとくちメモ – 法務省
参考:「更生保護」とは – 法務省
参考:更生保護を支える人々 – 法務省
参考:保護観察所 – 法務省
参考:保護司とは|更生保護ネットワーク
参考:保護司について、よくある質問と答です|杉並区保護司会