国家資格の公認会計士は試験の難易度が高いため、独学の勉強方法に取り組むか迷う方が多くいます。
その他の勉強法では、大学や予備校、通信講座を使った方法があげられるため、ぜひ自分に合う内容を検討するためにも記事を読み進めてみてください。
今回は、公認会計士の試験が独学で対策できるのか解説します。
また、独学のメリットとデメリットも解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
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公認会計士は独学で合格が不可能ではないが難易度は高い
会計や監査のプロである公認会計士は専門性が高い仕事内容のため、国家試験に出題される問題の難易度は高い傾向があります。
お金に関するあらゆる専門知識が必要なため、理解するには幅広い知識が必要です。
公認会計士は独学で合格するのは決して不可能ではありません。少しずつ理解を進めて試験対策に取り組めば、合格基準点に届く人もいます。
ただ、合格率は約10〜11%台が続いており、国家試験の中では比較的低い数字です。不可能ではないものの、初心者の場合は試験対策にかなりの時間がかかることが必須条件になります。
国家資格の公認会計士は、難易度が高いことを頭に入れながらしっかりと試験対策に向き合いましょう。
公認会計士の勉強時間は4,000時間
国家資格の公認会計士は、一次試験と二次試験に合格するために平均4,000時間の勉強が必要です。
公認会計士には法律や税金に関する幅広い知識が求められるため、試験の範囲や暗記量が多いことが理由にあげられます。
ただ、勉強時間はあくまでも目安です。人によって4,000時間よりも短かったり長かったりします。
公認会計士の関連資格を持っている人や大学で経済関連の勉強をしていた人は、比較的スムーズに勉強を進められるはずです。
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公認会計士の勉強スケジュール
下記では、公認会計士の勉強計画について一例を載せています。これから勉強をスタートさせたい方はぜひ参考にしてください。
*約1年かけて勉強する場合
試験対策1ヶ月辺り=約333時間の勉強が必要
↓
1日10〜12時間の勉強が必要
約1年で独学の勉強を進めるには、ある程度まとまった時間が必要です。学生の方が勉強するのに向いています。
*約2年かけて勉強する場合
試験対策1ヶ月辺り=約166時間の勉強が必要
↓
1日5時間程度の勉強が必要
約2年で勉強を進めるスケジュールは、1年で勉強するよりも時間にゆとりがあることがわかります。社会人の方が独学で進めるときにおすすめです。
途中で通信講座や予備校の勉強法に切り替えることもできるので、自分のモチベーションと向き合いながら進めていきましょう。
公認会計士を独学で目指すメリットは何がある?
一人で勉強を進める独学には、主に下記のメリットがあります。
*マイペースに勉強できる
独学のいいところは、勉強時間や試験受験のタイミングが自分で決められる点です。通信講座や予備校とは違い、日時や時間に縛られずに試験対策を進められます。
社会人なら休日にまとめて勉強したり、毎日少しずつ勉強したり勉強量を調整することが可能です。
公認会計士の勉強には時間がかかるため、マイペースに年単位をかけて勉強したい人に向いています。
*途中で勉強スタイルを変更できる
大学や予備校は効率よく勉強するためには便利ですが、一度受講すると最後までやり切る必要が出てきます。
途中で勉強をやめたいと感じてしまった場合も、お金を支払っているので無駄にしないためにも継続しなければなりません。
しかし、独学からスタートすれば、途中で勉強スタイルを切り替えることも可能です。
公認会計士の勉強をひとまず試してみたい方は、まずは独学から始めて自分の本気度を試してみるのもアリかもしれません。
費用を抑えられるメリットもある
公認会計士の勉強を本格的に取り組む場合、まとまったお金がかかります。独学の場合は、大学や予備校にかかる費用を節約できるところが利点です。
*公認会計士にかかる費用の目安
- 大学(4年制私立の学費):約400万円台
- 予備校:約50〜80万円台
- 通信講座:約20〜70万円台
社会人から公認会計士の予備校に通う場合は、将来の投資費用として利用する方法もあります。
ただ、20〜80万円の費用がかかることが想定されるため「絶対に合格するまで辞めない!」といった覚悟が必要かもしれません。
進路に迷う学生の方なら、公認会計士の資格取得が目指せる大学や専門学校などに通う方法を検討してみてください。
公認会計士を独学で目指すデメリットは何がある?
一人で勉強を進める独学には、下記のデメリットがあります。
*勉強に時間がかかる
平均4,000時間の勉強が必要な公認会計士は、独学で試験対策を進めると年単位で時間がかかります。
法律や税金に関する知識を網羅する必要があるため、とくに初心者は一つずつ理解していくことが大切です。
1〜2年後の試験に向けて年間のスケジュールを立てながら目標時間をクリアしていきましょう。
*法改正に対応しなければいけない
公認会計士に必要な会計、監査に関する法律関連の知識は例年改正されています。法改正は試験問題に影響してくるため、新しい知識を更新することが必要不可欠です。
独学の勉強を進めるときは自分自身で最新の情報を調べる必要があるため、法改正に対応した最新版のテキストと問題集を購入して理解を進めていきましょう。
モチベーションの維持が難しい
公認会計士を独学で進めるには、目標を細かく立ててモチベーションを保つ必要があります。長期目標、中期目標、日々の目標など、年間の計画を全体的に立てて実行していくのがベストです。
しかし、年単位の勉強に取り組むとどうしても中だるみをしてしまうときもあるかもしれません。
試験の内容が難しいため、やる気やモチベーションの維持が一人だとどうしても難しく感じることもあります。
どうしてもやる気が起きないときは、休日を挟んで頭を休めたり、カフェで場所を変えて勉強を進めたりするなど、自分なりの切り替え方法を模索しておくとよいかもしれません。
公認会計士の勉強スタイルを3つを解説します
国家試験の勉強を続けるコツは、自分の状況や環境に合った勉強法を選ぶことです。
公認会計士の勉強法はいくつかありますが、試験に合格するためには自分のモチベーションを保つことも必要になります。勉強スタイルが合えば、合格する可能性がさらに上がるかもしれません。
以下では、3つの勉強スタイルについてまとめています。
- 独学
- 通信講座
- 大学、専門学校、予備校
自分がかけられる時間やお金、環境を考えて選んでみてください。
独学の勉強法
公認会計士のテキスト、過去問題集を使って基本知識の理解を進めていきます。テキストや問題集は、なるべく最新版のものを選ぶと法改正に対応しているので自分で調べる手間が省けますよ。
大事なポイントを押さえてわかりやすく解説してくれるので、何度も読み込みましょう。
試験対策の書籍は大きめの書店コーナーを始め、インターネットのAmazonや楽天市場など、通信販売で購入することが可能です。
インターネットで購入するメリットは、中古本で安いものが手に入る点があげられます。テキストを一通り読み込んだあとは、過去問題集を使って用語や内容を覚えていきましょう。
モチベーションを上げるためには、現在進行形で公認会計士の資格を目指す仲間をインターネットで探す方法もおすすめです。
また、過去に公認会計士の資格に合格した人の体験談を読むとやる気アップにつながります。
通信講座の勉強法
基本的に一人で勉強が進められる方法にプラスして、映像教材や講師のアドバイス、質問サービスを受けられるところが通信講座のメリットです。
わからない用語や問題があれば、通信講座の講師に質問して一つずつ疑問点をなくせますよ。インターネットからパソコンやスマホで読めるテキストが充実している教材も多くあります。
デジタル教材を使えば、いつでもどこでもスキマ時間を使って公認会計士の勉強に取り組むことが可能です。持ち運びをしなくていいので便利に使えるところがおすすめできます。
過去に合格者を出してきたノウハウもあるため、最新の情報を取り入れた教材で添削課題などをクリアして理解を進めましょう。
独学のいいところと不足部分を補える通信講座は、社会人が公認会計士を目指すときにおすすめです。
大学・専門学校・予備校の勉強法
公認会計士の資格取得が目指せる学校に通うときは、自分の肌に合いそうな場所か検討してから通うようにしましょう。
公式ホームページから風景や勉強方法を確認したり、資料請求で講師や校舎の雰囲気を確認したりします。
大学や専門学校、予備校は、自宅から通える範囲であるかも大切なので事前にどのくらい時間がかかるのか計算しておきます。
なるべく駅前などの通いやすい場所のほうがモチベーションが続きやすくなるはずです。また、学校の講師が公認会計士の資格取得者か確認をしておくことで、質の高い授業を受けることができます。
いずれにしても事前リサーチが大切になるため、インターネットや資料から自分が知っておきたい内容を確認しましょう。
公認会計士になる理由・目的を考えて試験に挑むべき!
勉強に4,000時間が必要な公認会計士は、途中で挫折しないためにも資格取得する目的を明確にしておきましょう。
なんとなく試験対策をスタートしてしまうと、目標を見失ってしまい持続力を失ってしまいます。
数年単位で勉強を続けることを意識しつつ、何度か再受験することも視野に取り組む意識が必要かもしれません。
- ダブルライセンスを取得してスキルアップを図りたい
- お金に関わる仕事を極めてみたい
- 安定的な収入を得て家族を養いたい
- 社会に貢献できる仕事で長く働きたい
など、どんな理由でも構いません。合格後の未来をイメージしながら勉強を進めていきましょう。
公認会計士になりたい理由を紙に書いて毎日眺める方法も使えます。
公認会計士になる理由を明確にしながら試験対策のモチベーションを上げていきましょう。
公認会計士の資格を転職に活かすには
会計や監査のプロである公認会計士は、お金に関するさまざまな場所で働けます。
例えば、会計事務所やコンサルティング企業、税理士関係の事務所などで人々のお金に関する悩みを解決していく職場で活躍することが可能です。
公認会計士の勉強で得た知識は、生涯に渡ってあなたの人生を支えてくれる大事な資産につながります。身近な家族や友人がお金について悩んでいるときにサポートすることも可能です。
初任給から高収入が期待できる仕事なので、公認会計士の仕事が気になる方はぜひチャレンジを検討してみてください。
気になる公認会計士の年収について
公認会計士の平均年収は約900万円台です。一般的なサラリーマンの年収に比べると高い傾向があるかもしれません。
スキルや経験を積んでいけば年収1,000万円以上も夢ではないため、専門性を活かせる高収入の仕事といえます。
年収については、独立開業すると制限なく稼げるメリットがあるため、まずは正社員雇用で就職してノウハウを学んでいく方法が一般的です。
また、非正規社員についても国家資格を取得しているので高い時給が見込めます。女性の方なら主婦になってから高時給のパート勤務で働くことができるもかしれません。
公認会計士の資格は、生涯にわたって使える有意義な内容といえます。
まとめ:公認会計士は独学の勉強で合格することが可能
公認会計士の試験が独学で対策できるのか、詳細について見てきました。
公認会計士の試験対策は、独学でスタートして合格するのは決して不可能ではありません。
ただ、それなりの覚悟が必要ではあるので要検討してみてほしいと思います。
下記で、独学のメリットとデメリットについてもう一度おさらいしておきましょう。
*独学のメリット
- マイペースに勉強できる
- 途中で勉強スタイルを変えられる
- 費用を抑えられる
*独学のデメリット
- 勉強に時間がかかる
- 法改正に対応しなければいけない
- モチベーションの維持が難しい
一人で勉強を進めていくのは自由に進められる分、一人で対応しなければならない場面が多く出てきます。
平均約4,000時間の試験対策に取り組むためにも、勉強に1〜2年かかることを頭に入れておきましょう。
公認会計士の勉強法は、独学以外にも通信講座や予備校などもあげられるので、自分に合う内容を検討してみてください。
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