「行政書士の資格取得による将来性は?」「行政書士の年収はどのくらい?」「行政書士の資格を取ろうか迷っている。」
「社会人として働いているが仕事に不満がある。士業である行政書士はどうだろうか?」「行政書士の資格は転職に役立つのか?」
不安定な社会情勢にある現在、行政書士の資格を取ることによって、どのようなキャリアが描けるのか、気になっている人が増えています。
行政書士は、法律系資格のなかでも受験資格がないので誰でもチャレンジできる国家資格です。将来の選択肢を知り、モチベーションをあげて資格にチャレンジすることを検討してみてはいかがでしょうか。
この記事では、行政書士の仕事内容や将来性、やりがい、年収などをわかりやすく解説します。
資格講座名 | 資格スクエア | アガルート | ユーキャン | フォーサイト | 大原 |
コース名 | 行政書士実務講座 | 入門総合ライトカリキュラム | 行政書士資格取得通信講座 | バリューセット1 通常セット | 行政書士合格コース |
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行政書士の仕事内容は?3つの主な業務
行政書士の代表的な仕事をわかりやすく紹介します。
1. 書類作成業務
行政書士の主な仕事内容は書類作成の代行です。
・国や地方公共団体など官公署へ提出する書類
在留資格認定証明書交付申請・永住許可申請・建設業許可・飲食業許可・産廃業者許認可・車庫証明・法人設立など
・事実証明に関する書類
例:議事録・申述書など
・権利義務に関する書類
例:契約書・示談書・遺産分割協議書・内容証明・告発状・始末書、定款など
このように、行政書士は、暮らしやビジネスに必要な、さまざまな書類作成代行が、主な仕事内容です。その業務数は1万種類以上といわれ、営業許可に特化、財産分与に特化、帰化申請に特化など、専門分野を掲げた行政書士が多くいます。
たとえば、誰もが関連する、遺言書など相続に関するものをイメージしても、どのように書いたらよいのか、わからない人も多いのではないでしょうか。兄弟が多い場合や家族でのトラブルが予想される場合、事前に行政書士に書類作成について相談すれば安心です。
国や地方公共団体等官公署に提出する書類、事実証明に関する書類、権利義務に関する書類の作成が、行政書士のフィールドとなります。
2. 手続代理業務
行政書士の業務の多くが代理手続きを含みます。ここでは、大枠として「特定行政書士」による「不服申立ての代理」業務を紹介しますので参考にしてみてください。行政書士にしかできない業務の1つです。
「特定行政書士」になると、行政書士がつくった書類が、許認可申請に通らなかった場合に、不服申立てができます。以前は、弁護士にしかできない業務でしたが、現在は、特定行政書士になれば行うことが可能です。
例:行政書士が作成した、飲食店営業許可申請がとおらなかった場合に、飲食店事業主の代理人として、特定行政書士が不服申立て手続きができます。(不服申立てとは、不許可をくだした機関に、もう一度申請することです。)
なお、特定行政書士になるためには「特定行政書士法定研修」を受講し、講習内の試験に合格することが必要です。
3. 相談業務
行政書士で重要なのがコンサルティング業務です。依頼者の相談を受けて依頼者のニーズを把握、行政書士の専門資格を活かした手続きを行ったり書類執筆・提出を代行したりすることが仕事内容になります。すべての仕事内容のベースになると言ってもいいでしょう。
コンサルティング業務は、クライアントの抱える経営や法務の課題に対して、法令に精通する立場からアドバイスをすることができる業務です。多くの行政書士が、現在このコンサルティング業務をしています。なぜなら、各種の申請業務は電子化や情報の公開で自分で行いやすくなったからです。
行政書士の書類代行業務だけで稼ぐには大変厳しく、コンサルティング分野業務で活躍する行政書士が増えています。
資格取得で転職したい!適しているのは行政書士?
資格取得を活用して転職をしたい場合、行政書士が最適なのでしょうか。転職の際に、行政書士をもっていることでどのような評価をされるのか、行政書士以外の資格との比較をわかりやすく解説します。
行政書士は転職に有利?法務系の評価が得られる
行政書士資格を持っていると、民法や行政法などの法律の知識があるという評価をされます。また、官公庁に提出する書類の作成業務を任せられるというのも強みです。
様々な企業で、行政書士資格取得者は手続き業務での活躍が期待されます。そのため転職の際は就職先も行政書士資格を持っていることを高く評価してくれるでしょう。また、行政書士資格は国家資格で試験範囲が広く、合格するには努力が必要です。そのため行政書士を持っていると就職先から、「うちで就職後も一生懸命に働いてくれるだろう」と、好感触を得られる可能性もあります。
一方で、行政書士の資格取得だけではあまり意味はないという見方もあるので注意が必要です。行政書士資格の取得者が多く、ただ行政書士の資格を持っているだけでは希少価値をアピールできないという現実があります。知識だけで実践的な能力がなければ、仕事で役に立つことは少ないからです。
転職活動を有利に進めるためには「行政書士資格取得していて、加えて自分は何ができるのか」「行政書士資格取得過程で何を学び、プラスどのような強みが自分にはあるのか」を説明できることが必要となっていきます。
自分に合ったものは?行政書士以外の資格もチェック!
社会人で比較的資格が取りやすい士業資格と言えば、行政書士のほかに宅建士、社労士があげられます。
ここでは、宅建士、社労士の仕事内容や転職先、資格取得の方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。行政書士と比べて、より自分に合ったものを取得すると良いでしょう。
宅建士とは「宅地建物取引士」の略称です。「宅地建物取引士」は不動産に関する法律知識をもった「不動産取引の専門家」といえます。
仕事内容は、 契約の内容の説明や契約の締結などお客さんとコミニュケーションを取って不動産の契約を進めていくことです。宅建士は不動産業界だけでなく、銀行や保険などの金融業界、建設業界にも転職することができます。宅建士にしかできない独占業務があるため、資格取得を活かした転職で人気です。
宅建士の仕事内容って?資格取得後から就職までの流れと合わせて解説!では宅建士の仕事内容や年収、宅建士の登録から就職までの方法を解説しています。ぜひ、合わせてご覧ください。
社労士とは、「社会保険労務士」の略称です。「従業員の労働や社会保険に関する法律・人事や労務管理に関する専門家」といえます。複雑な社会保険や年金のアドバイス、コンサルティングを行うのが仕事内容です。社会保険労務士事務所、会計事務所、一般企業の人事労務などが主な転職先として考えられます。
社会保険労務士は独学でも合格できる?試験の難易度や独学での勉強方法も解説!では、社会保険労務士の独学での勉強時間や勉強方法、独学のメリット・デメリットをお伝えしていますので、ぜひ、合わせてご覧ください。
場面別!行政書士の仕事内容の詳細
行政書士の業務の一例を、シーン別にわかりやすく紹介します。
1. 法人を設立するとき
行政書士は会社設立時の定款などの作成をはじめ、様々な書類作成に携わる業務が可能です。
相談業務の依頼を受けた場合には、会社設立そのものに対する相談に乗ったりコンサルティング的な業務も果たします。
2. 外国人を雇用するとき
事業者が外国人を雇用する際、出入国在留管理庁へ外国人雇用に関する書類を提出しなければなりません。この業務には複雑な手続きを伴うので、事業者が行政書士に一任するのが一般的です。
常に外国人を雇っている事業所としては同じ行政書士に依頼すれば安心でしょう。行政書士にとっては、長い付き合いになる業務ですが安定した収入につながります。
ただし、外国人雇用関連の業務を行うには「特定取次行政書士」の資格が必要です。行政書士登録を済ませている行政書士が、日本行政書士会連合会が主催する、申請取次事務研修会を受講し、講習内の試験に合格すると「申請取次行政書士」の称号が付与されます。
3. 遺言書を作成するとき
行政書士は権利義務に関する書類の1つとして、遺言書や遺産分割協議書を作成する業務が可能です。また、行政書士は遺言書や遺産分割協議書を個人で作成する人に、これらの書類の書き方をアドバイスする業務もできます。「町の法律家」として、人々の暮らしに直接かかわる業務を多く扱える職業です。
4. 外国人が在留許可申請や帰化申請をするとき
行政書士は、外国人残留資格申請や帰化申請など、日本に滞在を希望する外国人に関する書類作成業務および申請業務も代行できます。
在留手続きの他、在留期間延長や永住許可申請など、複雑な手続きを行うことができるのも行政書士の魅力です。慣れない国である日本で生活をしている外国人に寄り添ったやりがいのある業務といえます。
5. 自動車登録や車庫証明をするとき
行政書士は自動車の登録や車庫証明など、運輸に関連する手続きや許可申請業務を行うことが可能です。
自動車登録や車庫証明は、個人で手続きが可能ですが、中古車販売などを営む事業者などは、行政書士に手続きを依頼するメリットがあります。理由は、郵送ができない・警察署へ二度(申請・受取)いかなければならないなど手間がかかる手続きなので、本業に支障がでてしまうからです。
行政書士にとっては、新人でもできる業務内容なので、経験を積む機会にもなります。
行政書士の資格を取得した後は?仕事につなげる3つの方法
行政書士の資格を取得したのち、どのように仕事に活かせるのかをわかりやすく紹介します。
1. 民間企業に就職して行政書士の知識を活かす
行政書士の知識を活かして民間企業に就職する際のポイントは、
- 企業法務に関する業務など、行政書士資格で得た知識を活かした働き方をする
- 行政書士業務は行うことができない(企業内税理士のような働き方はできない)ことに注意する
という点です。
行政書士の働き方で注意しておきたいところがあります。行政書士登録において、企業行政書士という区分がありません。そのため、企業内では行政書士の知識を生かしたフレキシブルな働き方が求められます。
行政書士資格を活かして企業内で働く場合、多方面の法令に精通した人材として、企業内コンプライアンスや企業法務など、法令スペシャリストという立場で携わることができますので、ビジネス上で生じる、あらゆるトラブルを未然に防ぎ、企業をサポートできるやりがいのある業務です。
2. 個人開業をして行政書士の知識や資格を活かす
行政書士の取得をしたのち、もっとも一般的な活かし方は、独立開業だといえます。行政書士は、本業にすることも、副業にすることも可能です。
つまり、上記1番でお伝えした「企業内行政書士としては働けない」としても、企業で働きながら「ダブルワークで開業」していれば、企業の案件を、行政書士業務として処理することができます。
3. 行政書士法人に登録して資格を活かす
行政書士登録を行い、行政書士事務所に就職する道もあります。個人の行政書士同様に、各種書類の申請証明などが主な業務です。
また、行政書士資格を持っていると、弁護士事務所や司法書士事務所などで、サポート員として働くこともできます。法的知識を持つへ人材として判例や法令を調べる業務を補助するなど、事務所の方向性により、多彩な業務ができるので多くの経験を積むことが可能です。
行政書士の仕事内容のやりがいは?よく言われる3点
行政書士の業務は、幅が広いのが最大のメリットです。あらゆるシーンでやりがいを感じることができる職業といえるでしょう。
困っている人の力になれる
行政書士のやりがいと言えば、困っている人の力になれることです。
たとえば、日本に滞在していたいけれど、そのために用意する書類を不備なく準備することができない状況にある外国人がたくさんいます。外国人にとって、日本の各機関に届け出る書類を、全て間違いなく記載し届ける事は難しいことです。
日々の暮らしだけでも、手一杯の中、日本に残るための膨大な書類をととのえることは、大変困難を極めるでしょう。特に、入国に関連する世界情勢が変化しているとき(感染症やテロなど)には、行政書士の存在が、スムーズな日本滞在に寄与することになります。
また、定年退職後に起業をしてみたいけれども、どのように動いたら良いかわからないといった場合にも、行政書士は心強い存在です。
情報収集について、苦手意識があったりする世代の場合、起業に関するすべての情報を、役所や商工会議所その他様々な機関で情報を集めることになります。体力的にも時間的にも多くの労力をつかうことになるでしょう。
そんな時こそ、行政書士の出番です。行政書士は依頼人のニーズに合わせた情報や必要な申請書類を効率よく集めることができます。場合によっては起業した後、事業のアドバイザーとして携わることも可能です。
幅広い分野で仕事をするため新たな挑戦ができる
行政書士が携わることのできる仕事内容は数多く、その中から自分の特化したいものを確立すると自信になります。
たとえば、行政書士として起業についての各種申請業務を極めて、本格的にコンサルタントとして人脈を広げれば、さらに新たなチャンスをつかめるでしょう。
コミュニケーション力など自分の強みを活かせる
行政書士には、コミュニケーション力を磨き、クライアントと依頼者から相談を受けたときに、的確にそのニーズを読み取る能力が求められます。行政書士の資格があっても、困っている人に共感できなければ、収入にはつながりません。共感があって初めて行政書士業務に活きてくるものです。
コミュニケーションを重ねて、依頼者の本当に困っていることを聞き出し、それをどう解決するか、そこまで見えているような行政書士であれば信頼され、実績も積めるでしょう。
また、外国語でのコミュニケーション能力を活かせば、外国人の雇用に関する手続きにも役立ちます。特化したスキルがあれば、それと組み合わせることも可能です。
行政書士の将来性や年収・報酬は?仕事に就く前に知りたいこと
行政書士の将来性や年収は「人による」「分野・地域による」といわれます。
自分のもともと持っている専門分野に関わる業務や、他資格取得にチャレンジするなど、ステップアップするほどに、行政書士資格の将来性はさらに拓けていくでしょう。
将来性に悲観的になる必要はない
行政書士の仕事は、暮らし関する業務がメインです。そのため、行政書士の仕事がなくなる事はありません。人脈やスキルを上げるほどに業務の幅も広がります。
また、仕事内容によって単価相場も大きく異なるのが現状です。高額な業務案件としては、産業廃棄物処理業許可申請や知的資産関連、薬局開業許可申請などがあります。
手続きが煩雑な業務案件ほど、収入も大きくなる傾向です。経験を積み、スキルアップするほどに行政書士として難易度の高い案件を受けられるようになり、年収も上がっていくでしょう。
平均年収は約300〜500万円だが自分次第
行政書士の年収は、おおむね300万円~500万円といわれています。自分の得意分野と行政書士資格を組み合わせて、ビジネスモデルを作り上げる必要があるかもしれません。
いずれにしても、行政書士は相手のニーズを汲み取るためのコミュニケーションスキルが重要です。信頼されなければ、依頼はもらえない仕事なので、誠実な姿をアピールしていく必要があります。
そのためにも、自分自身のスキルを磨いて、信頼されるよう行政書士としての実績を積み上げていくことが大切です。他の士業にも共通することですが、年収については自分次第となります。
行政書士の年収については「行政書士の年収は300〜500万?働き方や年齢別の年収も解説」で詳しく紹介していますので、ぜひ、合わせてご覧ください。
行政書士の仕事内容は多様!資格を活かせる範囲は広い
ここまで、行政書士の仕事内容や、資格の活かし方、将来の年収などについてわかりやすく解説しました。
行政書士は、資格取得後の知識を活かせるフィールドや業務が広くやりがいもあるでしょう。受験資格も特に定められていないので、ぜひ、資格取得を検討してみてください。
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