IT関連の試験としてデータベーススペシャリストは、情報システムのデータベースに関するプロとしてのスキルと知識を証明してくれるものです。
エンジニアを目指したい方なら、独自でデータベースの知識を勉強している方もいるでしょう。
そんな方にとって肩書きや履歴書に書ける証明代わりにすれば、客観的にわかりやすくスキルを伝えられる手段にもつながるでしょう。
この記事では、データベーススペシャリストとは何か、独学でできる勉強対策やおすすめ参考書3選などの情報をまとめました。
データベーススペシャリストについてこれから独学で勉強していきたい方も、ぜひ記事の内容を参考にしてみてください。
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データベーススペシャリストとは?
国家試験のデータベーススペシャリスト(DB)は、情報処理推進機構(IPA)が掲げる情報処理試験の一つです。データベースを扱うプロとして仕事ができるスキル証明につながる内容とされています。
データベースとは、個人情報などを集めて保管・運用などするシステムの意味。簡単に言えば、電話帳や顧客名簿が記載されたExcelデータのようなものです。
多くの企業ではデータベースによって、利益につながる顧客の情報や企業に関わるデータについて管理しています。
データベースを効率的に管理・運営することで、サービスの展開や効率化にもつながり企業の利益につながるでしょう。
近年では情報セキュリティなど、情報を正しく扱う知識や対策も重要なことであり、データベースの管理などは顧客の信用にもつながる大事なシステムの一環です。
試験合格者は専門知識と技術を活かして、データベースを管理・運用・開発・企画などに関わるIT企業や部署で活躍できるでしょう。
データベーススペシャリストの年収
大手転職サイトリクナビNEXTに掲載されている求人では、データベーススペシャリストの年収は約400~600万円の求人が掲載されています。
スキルや経験が重要な業界のため、中には年収800万円の事例も存在しているようです。エンジニアの仕事は、手に技術があれば若い間からも高収入が見込みやすいといえるのではないでしょうか?
IT関連の開発や企画、技術職に興味や関心が深い方は、データベーススペシャリストが活かせる業界で働く方法も検討してみてください。
金融・保険・商社などの大手企業からの取引も見込める業界であり、将来を見据えて職業を探したい方にもよいかもしれません。
データベーススペシャリストの合格率・難易度
平成31年度のデータベーススペシャリスト試験合格率は14.4%で、応募者は16,831名でした。
平成30年度の合格率は13.9 %、平成29年度の合格率は14.5 %の結果となっています。その他過去のデータを見比べていくと、おおよそ15%前後の合格率です。
合格率が低めの理由として情報処理試験には、各試験の難易度としてスキルレベルが4段階で設定されています。データベーススペシャリストは、スキルレベル4で難易度は高めです。
比較するなら例えば、同じくIPAが掲げる試験としてITパスポート試験はスキルレベル1に設定されています。初心者でも受験できる難易度で、PCに関わる事務職やIT関連のスキルを証明する内容として人気です。
データベーススペシャリストは最上のスキルレベル4のため、ある程度の基本的な知識を身につけて試験勉強に挑んでいく必要があるでしょう。
合格基準や試験内容
データベーススペシャリスト試験は一日で朝から夕方までの4回にわけて実施されます。問題形式について午前の部は四肢択一、午後は記述式で実施。試験時間と問題数は下記にまとめました。
午前の一回目:9:30~10:20/50分 問題数30問
午前の二回目:10:50~11:30/40分 問題数25問
午後の三回目:12:30~14:00/90分 問題数3問(答える数は2問)
午後の四回目:14:30~16:30/120分 問題数2問(答える数は1問)
合格基準は、4回分それぞれ100点満点中60点以上の点数が必要。例えば、午後の三回目のみが50点の場合は不合格になるという見方です。
すべての満点を目指さなくても合格は可能なので、合格基準を目標に試験勉強に取り組みましょう。
データベーススペシャリスト取得のメリットは?
専門職として高いITスキルや知識が身につくため、一般人と差別化を図れる技術が手に入れられるメリットがあるでしょう。
情報機器は多くの企業にとって顧客の信頼を守るために必要なものでもあります。データベースの開発や運用、管理はいわば企業にとっての生命線といっても過言ではありません。
「自分たちが社会を動かしている」という貢献の気持ちややりがいを感じられるのではないでしょうか?
どのようにすればデータベースを安全かつ信用のある物として使えるか、効率的な運用ができるかなどエンジニアとして知恵を絞って、プロとして社会を支えるサービスを提供できるでしょう。
データベースやITに関する知識や技術が必須の仕事内容のため、就職後はスキルアップを図りながら生涯をかけて技術を学びたい方にもおすすめできる内容です。
ITの業界や就職で有利に働くことも
国家試験として信用性と試験問題の質も保証されており、試験の勉強に関して仕事のスキルアップにもつながります。
例えばIT業界のエンジニアに転職したい場合、未経験でもデータベーススペシャリストの試験に合格すればスキルの証明につなげられるのです。
データベーススペシャリストの知識が活かせるエンジニアの業界は、社会と深く密接している現場が多いため、技術者として働く道を選びたい方におすすめできる仕事内容です。
情報技術を扱えるスキルや知識は、社会を支える内容として就職の需要も高く求められる内容といえるのではないでしょうか?
試験合格後更にスキルを磨けば、IT関連のエンジニアとしてさまざまな業界で働ける可能性がアップ。システムの運用や管理、開発などができる現場として、不動産・工場・保険など幅広い現場で活動ができるでしょう。
データベーススペシャリスト独学の勉強対策は?
データベーススペシャリストは試験に受験資格がないため、独学での勉強対策が可能です。試験では一日で午前と午後各4回ずつに内容がわかれています。
午前では過去問での頻出問題も展開されることも多く、例えばデータモデルやセキュリティに関する知識、データベースに関する問題などが出題。
午後はデータベースに関する設計やSQLなどの問題が記述式で出題されます。午前午後のどちらもデータベーススペシャリストに必要な知識として被る内容もあるでしょう。
社会人や学生が独学で勉強する場合、基本的にデータベーススペシャリスト試験対策ができるテキストや参考書、過去問題集を使って勉強対策していきます。
本屋や古本屋、または通信販売でテキストや問題集を探してみましょう。おすすめの参考書に関しては、下記の見出しに3冊ピックアップしてまとめているので参考にしてみてください。
独学以外なら通信講座で勉強対策も
IT関連のスキルや知識が初心者の場合は、通信講座を使ってプロの講師に添削指導やサポートしてもらう方法も検討してみてください。
通信講座とはいえ中には、映像教材や演習と模試対策付きの内容もあります。自分の実力がどのくらい身についたか確認してから試験の受験ができて安心です。
独学よりも費用はかかるものの自分一人ではわかりづらい問題や内容に直面した際、試験勉強について合格までつなぐモチベーションを維持できるのではないでしょうか?
- いつでも自分のタイミングで勉強ができる点
- 試験までのスケジュール管理を意識させてくれる点
- スキマ時間や休日のまとまった時間など、自分で勉強時間を調整できる点
などは、データベーススペシャリストの試験を通信講座で勉強するメリットとして考えられるでしょう。
独学の合格対策に必要な勉強時間
データベーススペシャリストの勉強を独学で実施した場合、平均で約200時間の勉強が必要といわれています。ある程度知識がある方の場合、数ヶ月や短い期間で合格されている方も。
難易度が高めの内容であるため、事前知識がない場合はある程度の勉強時間の確保が必要になります。
例えば半年間かけて勉強する場合は、データベーススペシャリスト春季4月の試験に向けて、半年前のおおよそ10月の秋頃には勉強をスタートさせておきましょう。
仕事と並行しながら試験勉強を進める際は、事前に平日と休日でどのくらいの勉強時間が取れそうか考えてみてください。
半年かけて勉強する場合、一ヶ月で約33時間以上の勉強が必要です。毎日勉強すると約1時間程度になるでしょう。一ヶ月のうち休日の10日間にまとめる場合は、約3時間ずつの勉強スケジュールなどが一例になります。
社会人にとっての200時間は、意識していないとあっという間に時間が過ぎてしまうかもしれません。
データベーススペシャリストの試験春季に向けて、半年以上前からゆとりを持って試験勉強のスケジュール管理を組んでみてください。
データベーススペシャリストの独学にベストな参考書3選!
以下では、通信販売で購入できるデータベーススペシャリストの参考書3つをピックアップしました。本屋の店舗にも置かれている場合もあり、ない場合も場所によっては取り寄せをしてもらえる可能性もあります。
紙媒体でなく電子書籍の販売もあるものを選んでいるので、場所に捉われずに勉強したい方におすすめです。
問題集なども付いた内容を選んでいるので、データベーススペシャリストの独学で書籍を探している場合は参考にしてみてください。
①徹底攻略データベーススペシャリスト教科書
シンプルな構成で本文を解説した後、すぐに実践形式の例題問題が解ける内容です。
データベーススペシャリストの試験についてSQL、ビッグデータなど最新の情報や傾向意図を読み取った内容が充実。8回分の過去問題付きで、試験本番を想定した対策が立てられます。
読み進めるのを飽きさせない工夫として、適度な文字量と図解が豊富に掲載。注目部分は太字、補足は枠外にアイコン表示で記載されています。
IT関連の試験内容にピッタリな勉強方法として、スマホで勉強が可能な単語帳アプリや教科書のPDFデータ付きです。思いついたタイミングで、会社の昼休憩や家事の合間にスマホで予習と復習もバッチリですね!
②情報処理教科書データベーススペシャリスト
受験者目線のわかりやすい解説が特徴で、勉強方法のコツが約100ページ掲載。シリーズ本の売り上げが240万部の実績もあり、データベーススペシャリストの勉強として信頼できる一冊です。
過去問題は19年分付きで、何度も繰り返して試験問題の傾向を掴むにはもってこいの内容ではないでしょうか?
データベーススペシャリストの過去問題を中心に、取り組める書籍を探している方にピッタリです。また記述式での解答が求められる午後の問題も、どのように記入すればよいかを優しく解説してくれます。
試験以外にもデータベーススペシャリストの受験手引きなども解説してくれており、受験者を安心させてくれる親切な内容が豊富といえるでしょう。
③データベーススペシャリスト合格教本
試験本番に向けて実践的な内容から、問題の読み方や専門用語に慣れることを重視した一冊です。図解やイラストよりも、とにかく試験に関する専門知識や情報量がほしい方におすすめ。
午前の試験項目では、問題でよく出る内容をまとめた内容。午後の問題では実践形式で問題を読み解く方法で内容を身につけていきます。
簡単な試験についての各解説、データベーススペシャリストの試験に必要なSQLなどの専門知識の解説が細かく説明された構成です。
試験の解説に関しては、データベーススペシャリストの試験の過去合格率の移行や試験の得点分布など、試験受験者にはうれしい情報もまとめられています。
スマホとパソコンから利用できる問題付きで、午前が21回分と午後11回分の問題が解ける仕様。
自分が苦手な項目が分析結果として出てくるため、試験本番までに不安要素を一つずつ減らせるでしょう。何度も繰り返し解いてみて自分の得意分野を増やしてみてください。
まとめ
データベーススペシャリストとは何か、独学でできる勉強対策やおすすめ参考書3選などの情報を見てきました。
データベーススペシャリストは、データベースを扱うプロとしてエンジニアとして仕事ができるスキル証明につながる内容です。
試験は独学の勉強対策で合格も目指せます。午前と午後の試験問題対策に参考書を活用しながら繰り返し問題を解いて傾向を掴んでいきましょう。
平均の試験勉強時間は約200時間。約半年前頃から勉強を始めておくとゆとりをもって試験に望めます。
独学で進める方にはおすすめの参考書3選を活用しながら、効率よく勉強を進めましょう。費用がかかってもよい場合は、通信講座を利用して合格する方法もあるためうまく活用してみてください。