- データベーススペシャリストはどんな仕事?
- データベーススペシャリストはどんな人が向いているの?
- データベーススペシャリストはどれくらい稼げるの?
このような疑問を持っておられる方も多いのではないでしょうか。
データベーススペシャリストは、情報を収集・整理するコンピューター上の箱を制作・管理・運用する仕事です。
資格取得には、合格率15%前後の難易度の高い国家試験を突破しなければなりません。しかし、だからこそ、企業内でIT部門の重要なポジションを任されることも多く、収入も高い傾向にあります。
この記事では、データベーススペシャリストについて、次の項目について解説しています。
- データベーススペシャリストの仕事内容
- データベーススペシャリストに求められる素質
- データベーススペシャリストの年代別年収
- データベーススペシャリストのキャリアアップ方法
- データベーススペシャリストの対策講座
ぜひ最後までご覧ください。
コンテンツ
そもそもデータベーススペシャリストの仕事とは?主に3つの役割がある
データベーススペシャリストの仕事は、大きく分けて、以下の3つに分類できます。
- データベースの開発・設計
- データベースの管理
- データベースの運用
上記の3段階に分けて解説します。
①データベースの設計・開発
まず、データベースとは、情報を収集・整理するコンピューター上の箱です。例えば、顧客名簿もそのひとつです。
顧客の情報を次のような項目ごとに分類することで、情報が整理され社内で共有しやすくなります。
- 顧客名
- 住所
- 電話番号
- 商談履歴
バラバラの情報を情報戦略に活用できるような状態に整理することがデータベースの役目です。
もちろん、紙の帳簿やExcelでも作成できますが、何千、何万件という件数になった場合は、専用のデータベースソフトの利用を検討するでしょう。
そこでデータベーススペシャリストの出番です。どのように情報を整理すれば、今までの購買傾向を分析し、今後の商談につながるようなデータベースを制作できるか、腕の見せ所でもあります。
また近頃は、パッケージ化されたデータベースソフトが増えてきていることもあり、パッケージではカバーできない企業独自のニーズを満たすデータベースを開発・設計できる技術者が求められています。
②データベースの管理
データベーススペシャリストはデータベースを設計・開発して終わりというわけではありません。
データベースを企業内で長期的に運用できるよう、管理・メンテナンスするのも役割のひとつです。
例えば、データベースが正常に稼働するように、データが保存されているサーバーを最適化したり、ソフトを適宜アップデートするといった業務があります。
③データベースの運用
データベースの運用において重要なのが、セキュリティ対策です。具体的には次のような業務があります。
- アクセス権を適正に付与し、ログを管理することで不正アクセスを防ぐ。
- セキュリティソフトを導入し、ウイルス対策をする。
- 通信を暗号化したり、機器を適正に廃棄することで情報漏えいを防ぐ。
- データを定期てきにバックアップしたり、予備電源を確保することで災害に備える。
情報は常にさまざまな脅威にさらされています。日々多様化する脅威から情報を守ることもデータベーススペシャリストの仕事です。
データベーススペシャリストはどんな人に向いている?重要な素質3つ
ここまで、データベーススペシャリストの仕事内容を紹介してきました。では、データベーススペシャリストに向いているのは、どのような人なのでしょうか。
- 責任感がある
- 地道な作業ができる
- 論理的に考えられる
この3つに分けて解説していきます。
①責任感がある
重要な経営資源である情報を取り扱う仕事であるため、責任感が求められます。
情報をコンピューター上で取り扱うことで利便性が圧倒的に上がるとともに、情報漏えいの危険性も多様化しています。
重要な情報をさまざまな脅威から守らなければならないという難しさに耐えられる技術と責任感が求められます。
②地道な作業ができる
運用が始まったデータベースは正常に稼働している状態が「当たり前」として認識されます。
実際はデータスペシャリストによる、地道なメンテナンス作業によって成り立っているわけですが、表立って評価されない場合もあります。
たとえ他人からの称賛がなくとも、自分の業務の重要性を理解し、淡々と仕事を進められる人が向いています。
③論理的に考えられる
データベースの開発・設計段階において、枠組みにとらわれないクリエイティブな提案で、顧客の満足度が上がることもあると思います。
しかし基本的には、物事を整理・構造化し収束させていく論理的思考が必要な職業です。
データベーススシステムを取り扱うには、データベース言語であるSQLの習得が必須です。
この言語の習得段階で論理的思考が求められるため、基本的なSQLの基本的な書き方を学習してみて、向いているかどうかを考えるのもひとつの方法です。
データベーススペシャリストは独学でも合格が可能な資格です。「自分に向いているかも?」と感じた人は、下記の記事で試験概要や対策についてチェックしてみてください。
データベーススペシャリストの年収は幅が広い!340万~1200万円
データベーススペシャリストの仕事内容に興味があり、自分が向いていると感じる方も、気になるのはやはり年収ではないでしょうか。
ここからは、IT業界の中では高いと言われている、データベーススペシャリストの年収について解説していきます。
年齢別!データベーススペシャリスト資格保持者の年収目安
転職サイトdodaが公表している2021年12月時点の平均年収情報によると、データベーススペシャリストの年収は、20代で379万円、30代で523万円、40代で587万円です。
年齢 | 年収 |
---|---|
20代 | 379万円 |
30代 | 523万円 |
40代 | 587万円 |
IT業界の20代から40代の平均年収は451万円です。30代以降、業界の平均年収を50万円以上、上回っていることから、データベーススペシャリストは比較的年収の高い職業といえます。
また企業内データスペシャリストとして働くほかに、フリーランスという働き方も選べます。高い技術を持っているデータスペシャリストであれば、フリーランスとして1,000万円以上の年収を稼ぐことも可能です。
データベーススペシャリストの年収はなぜ高いの?3つの大きな理由
企業内データベーススペシャリストの年収はIT業界の中でも高く、中にはフリーランスとして1000万円以上の収入を得ている方もいると分かりました。
それでは、データベーススペシャリストの年収はなぜ高いのでしょうか。
その理由は次の3つにあります。
- 専門性が高い
- 需要がある
- 資格手当など報酬がある
ここからは、上記の3点を解説します。
①専門性が高い
「Oracle(オラクル)」や「Microsoft SQL Server(マイクロソフト エスキューエル サーバー)」といった、データベースシステムを取り扱うには、データベース言語であるSQLの習得が必須です。
SQLは基本的な書き方は難しくないと言われていますが、企業ので必要とされるレベルに達するには、高い専門性とそこに至るまでの相応の努力が求められます。誰にでもできる仕事ではないからこそ、年収も高い傾向にあります。
②需要がある
皆さんもご存じの通り、IT化はどの業界にも共通している現象です。それに伴って、企業は自社の情報戦略を成功させようと、自社のニーズに合ったデータベースを開発することに力を入れています。
データベーススペシャリストは、こういった企業の需要にこたえることのできる開発・運用スキルを持っていることから、非常に重宝される存在であると言えます。
③資格手当など報酬がある
データベーススペシャリストは、合格率が15%前後と情報系の中でも難易度の高い資格です。そのため企業でも基本給とは別に10,000円から20,000円の資格手当を支給している場合があります。
また情報戦略に力を入れている会社であれば、資格取得のための奨励金が支給されたり、受講料やテキスト代を負担してもらえたりといった制度が整っている場合もあります。
データベーススペシャリストの年収をさらに上げたい!主な方法3つを紹介
すでにデータベーススペシャリストとして活躍している方も、今より年収が上がると嬉しいものです。ではデータベーススペシャリストがキャリアアップするにはどのような方法があるのでしょうか。
- 大手企業に転職する
- キャリアを積む
- データベーススペシャリスト以外の資格で年収を上げる!
上記の3つの方法を紹介します。
①大手企業に転職する
大手企業の方が取り扱う情報量も多く、情報戦略にのお金をかける資金力もあります。そのため、年収は大手企業の方が高い傾向にあります。
また給与面以外でも考慮すべき点があります。大手企業の場合は、福利厚生が充実していたり、労働時間や休暇に関する規定が整えられており、それらを金額換算すると年収はさらに上がります。
②キャリアを積む
データサイエンススキルを磨くことで、データベーススペシャリストとしてキャリアアップできます。
データサイエンススキルとは、これまでのデータの収集・分析に加えて、活用するためのスキルです。
データベースを管理・運用するITスキル、収集したデータを活用する分析スキル、分析した情報を経営戦略に応用するコンサルティングスキルの3つが総合的に求められます。
従来のデータベーススペシャリストの枠を超えることで、社内で確固たる地位を築けるため、年収アップが望めます。
③データベーススペシャリスト以外の資格で年収を上げる!
ネットワークスペシャリスト
データベーススペシャリストと同じく、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者の国家資格の内のひとつです。
ネットワークとは、スマホやパソコンを有線もしくは無線でつなぎ、情報を伝達する通信回線や通信機器のことをいいます。ネットワークスペシャリストはこのネットワークに関する資格です。
ネットワークスペシャリストについて詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士はセキュリティに関する資格です。
欧米に後れをとっていると言われている、日本のセキュリティ対策のため、2017年から新設された比較的新しい資格です。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者の国家資格の内、初めての士業です。
MCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)
マイクロソフト社が実施している民間の資格です。最も普及しているマイクロソフト製品に関する知識と技術力が問われます。現状の業務に関係する分野のMCPを取得するすれば、客観的に自分のスキルを証明できます。
なお、WordやExcelと言ったマイクロソフトoffice製品の知識を問うMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)とは、別の資格です。
データベーススペシャリストの独学が不安?おすすめ対策講座を紹介!
データベーススペシャリストは独学での合格も可能です。しかし働きながらの場合、十分な時間を確保するために効率的に学習する必要があります。
- 資格の大原
- TAC
上記の2つ学校を紹介しますので、講座受講も検討してみてください。
免除制度を活かして無駄なく学びたい!「資格の大原」がおすすめ
データベーススペシャリスト試験は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4つの試験区分があります。
このうち、情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を得た場合、午前Ⅰ試験が免除されます。
資格の大原では、通常コースの他、免除対象者向けのコースが用意されており、費用を抑えて効率的に学習できます。
大原の特徴
- 圧倒的な合格数を誇る資格の大原
- 教室通学、映像通学、通信講座から選べる受講スタイル
- まずは気になる資格の資料請求から
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大原のカリキュラムを確認
法人向けのスキルアップなら「TAC」
データベーススペシャリストは個人での受験はもちろん、社内の情報リテラシー向上のために、研修として利用したいという場合もあると思います。
TACでは通常コースの他に、法人向けに社内研修のプログラムが用意されています。中堅社員や管理職向けのスキルアップ研修として利用するならTACの研修プログラムを利用するといいでしょう。
データベーススペシャリストの平均年収は高い!資格で年収アップを目指そう!
- データベーススペシャリストは、データベースの開発設計・管理・運用をする仕事
- データベーススペシャリストに求められるのは、責任感があり、論理的思考で地道に作業が進められる人
- データベーススペシャリストの30代平均年収は523万円
- データベーススペシャリストとしてキャリアを積めば、大手に転職も可能
- データベーススペシャリストの対策講座は大原かTACがおすすめ
この記事ではこれらについて解説しました。データベーススペシャリストは専門性が高く、貴重な経営資源である情報を取り扱う責任重大な職種です。
そのため平均年収は、IT業界の平均年収と比較しても高い傾向にあります。
資格の大原やTACでデータスペシャリスト試験の対策講座があるので、独学が不安な方や、効率的に勉強したい方はは利用を検討してみてください。