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不動産鑑定士試験の対策方法!試験内容のおさらいや独学のコツをまとめて紹介!

不動産鑑定士

不動産鑑定士試験を受験しようと考えたとき

「合格に必要な勉強時間はどれくらいか?」

「難易度はどれくらいなのか?」

「出題形式はどうなのか?」

試験の名前は知っているが、具体的な試験の詳細がわからない方が多いはずです。

そこで、この記事では、不動産鑑定士試験の対策方法や試験内容、独学のコツを解説します。

この記事を読んで不動産鑑定士試験をぜひ理解して挑戦してみてください。

コンテンツ

不動産鑑定士試験とは?対策の前に概要をおさらい

試験概要

不動産鑑定士は、不動産鑑定評価に関する法律に基づき制定された国家資格です。不動産の適正な価格を鑑定するための専門知識が試されます。

地域の環境や土地、建物の有効な使い方のコンサルティングを行いもします。

保有人数は約9,000人と希少価値の高い資格です。それだけ難しい試験といえるでしょう。

不動産鑑定士は難しすぎる?難易度はかなり高い

前文でも申しましたが、不動産鑑定士試験はとても難しい試験です。

不動産業界最高峰の資格ともされており、国家資格であるのもその一つの要因です。

合格率も短答式試験が32%、論文式試験が15%前後と、とても低いです。勉強時間も2,000時間~3,700時間と学習の難しさも物語っています。

文系三大国家資格のひとつ

一般的に文系三大国家資格と呼ばれる資格は

  • 不動産鑑定士
  • 会計士
  • 弁護士

この3資格は業務独占資格と言われており、特定の業務に従事するために必要な資格です。

より詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

合格率は短答形式で約30%!論述形式は約15%

不動産鑑定士試験では「短答式試験」と「論文式試験」の2部の試験です。

そのうち「実務修習」の3つの試験で構成されています。

  • 短答式試験 平均合格率32~33%
受験者数合格者数合格率
平成30年1,751名584名33.4%
令和元年1,767名573名32.4%
令和2年1,415名468名33.1%

短答式試験は合計で140点前後が合格の目安とされています。

  • 論文式試験 平均合格率14~15%
受験者数合格者数合格率
平成30年789名117名14.8%
令和元年810名121名14.9%
令和2年764名135名17.6%

論文式試験は合計で360点前後が合格の目安とされています。

論文式試験では「足切り」があるので、全体で360点を超えていてもいずれかの科目が水準以下だと不合格になります。

バランスの良い得点を目指さないといけません。

不動産鑑定士の勉強時間目安は2000~3700時間

短答式試験では700~1,000時間、論文式試験では1,300~3,000時間が目安の時間となっています。

不動産鑑定士試験は、条件を満たすと試験を免除できます。

そのため、目安の勉強時間に大きな差があります。

条件免除科目
公認会計士試験合格者民法・経済学・会計学農地受験した科目
司法試験合格者民法
大学などにおいて通算3年以上右記科目の教授もしくは準(助)教授の職にあたるもの民法・経済学・会計学農地の該当科目
右記科目の研究により博士の学位を授与されたもの民法・経済学・会計学農地の該当科目

免除できる方は、その科目の勉強をのぞいた学習時間となります。

働きながらでも不動産鑑定士になれる?1~3年程度かけて受験しよう

「働きながら不動産鑑定士に合格できるのか?」

難易度の高い資格と言われてるので、合格できるか不安な方もいるでしょう。まずは、1日にどれくらいの勉強時間が必要になるか見てみましょう。

合格に必要な勉強時間を3,500時間とする、1日の勉強時間は以下の通りです。

勉強期間1日の勉強時間
3年約3時間12分
2年約4時間48分
1年約9時間36分
半年約19時間12分

あくまで目安ですが、こうしてみると半年から1年で取得するのはなかなか現実的ではありません

2年でも1日4時間半越えと働きながらだと、なかなか難しそうです。休日の使い方で何とかなりそうですが、余裕をもって3年を目安とするのがよいでしょう。

また、短答式試験は一度合格すると、合格した年を含め,向こう2年は短答式試験をパスできます。そのため、3年かけて勉強するのをおすすめします。

不動産鑑定士の試験内容は?二段階の試験になっている

不動産鑑定士試験は「短答式試験」「論文式試験」の2段階となっています。

短答式試験では2科目が試されます。

  1. 不動産に関する行政法規(40問 合計100点)
  2. 不動産の鑑定評価に関する理論(40問 合計100点)

合格の目安は140点前後

論文式試験では5科目出題されます。

  1. 民法(2問で合計100点)
  2. 経済学(2問で合計100点)
  3. 会計学(2問で合計100点)
  4. 不動産の鑑定評価に関する理論・演習問題(2問で合計100点)
  5. 不動産の鑑定評価に関する理論・論文問題(4問で合計200点)

合格の目安は360点前後

短答形式の特徴は?5択から選ぶ選択問題

短答形式は五肢択一式マークシート方式が採用されています。

記述式ではないため比較的簡単に思えますが、出題問題数が多いことに加え、選択肢が5つあるためあいまいに知識を覚えると選択を間違えてしまいます。

正確な知識を身に着けてから挑みましょう。

論文式の特徴は?3日にわたって行われる

不動産鑑定士の論文式試験では「民法」「経済学」「会計学」「不動産の鑑定評価に関する理論(鑑定理論)」が出題されます。鑑定理論で出題されるのは「論文」と「演習」の2通りです。

試験は3日にわたって行われます。

  • 【1日目】・民法・経済学
  • 【2日目】・会計学・不動産の鑑定評価に関する理論(論文問題)
  • 【3日目】・不動産の鑑定評価に関する理論(論文問題)・不動産の鑑定評価に関する理論(演習問題)

合格得点目安は6割以上ですが、全科目で一定の水準を超えた得点が必要ですので、全体的にバランスの良い得点を目指しましょう。

不動産鑑定士試験の独学対策方法!短答・論文それぞれチェック!

マークシート

基本的に不動産鑑定士試験の独学は、あまりおすすめされていません。

まず勉強時間量の多さからモチベーションの維持が難しく、勉強する範囲も多く独自で試験範囲を抑えるのは大変です。

しかし、金銭的な問題や、自分のペースで学習したい人も多いでしょう。

ここでは独学での試験対策や学習方法のポイントを解説します。

短答形式対策のコツは?重要事項をしっかり暗記すること

短答式試験は「鑑定理論」と「行政法規」の二科目です。

五肢択一で40問出題されるため、一つひとつの問いに対し正確な知識が必要です。

7割以上得点できるかが重要

過去の傾向より、短答式試験の合格ラインは6~7割です。

7割を超えていれば一安心といえるでしょう。

特に「鑑定理論」は超重要!しっかり覚えよう

「鑑定理論」はとても重要な科目です。なぜなら、全試験科目のうち、配点の半分を占める科目だからです。

鑑定理論に勉強時間を割くことで効率よく勉強できます。

出題傾向や問題集から優先順位を明確にしよう

試験対策の勉強ではテキストから知識をインプットし問題集か、過去問をひたすら解いていくのがよいでしょう。学習時間が膨大に必要な試験なので、時間のかかる科目を優先的に学習することが大切です。

上記でも述べましたが、鑑定理論は試験の半分を占める科目で優先度の高い科目です。

鑑定理論を中心に自分の得意、苦手な科目を見つけバランスよく勉強しましょう。

得意科目があるといい!苦手科目は作らないようにしよう

不動産鑑定士試験では苦手科目を作ることはとても危険です。試験では、6~7割の点数を取ればよいのですが、それとは別に、各科目で一定の水準を満たす得点を獲得しなければ合格になりません。

一番苦手な科目でも6割はとれるように学習しましょう。また得意科目があれば、合計点数に大きくアドバンテージをとることができます。

短答形式対策には何をすればいい?暗記と理解それぞれの勉強方法

短答形式の対策は科目によって勉強方法が、がらりと変わります。暗記と理解を使い分け、効率的な勉強で学習時間を節約しましょう。

暗記メインなのは「鑑定評価に関する理論」「行政法規」

鑑定評価に関する理論は覚えることが膨大な量です。基本的にひたすら暗記を必要とする科目です。ひたすらインプットとアウトプットを繰り返しましょう。

学生時代の中間テスト、期末テストとは違いテキスト一冊すべての範囲を覚えるくらいの量が必要です。なのでテキストは一冊に絞り、まるまるすべて覚えるくらい読み込みましょう。

ポイントは、声に出して覚えることです。

暗記は基本的にタダ読みより声に出すことで記憶に定着しやすいといわれています。声の出せる環境でぼそぼそとでもいいので声を出しながら暗記しましょう。

繰り返し何度も読むことも重要です。一度で暗記できる人はとても稀です。忘れてしまうことに嫌気がさし、諦めてしまう人もいるかもしれませんが、最初から3回以上は読み込む覚悟で何度も暗記に挑戦しましょう。

モチベーション維持も合格するために必要な要素です。不動産鑑定士の勉強時間は2,000時間と言われており、暗記の量が尋常ではありません。なので暗記する時間を1日1時間と決め、別の科目も同時に勉強しモチベーションを維持しましょう。

最後に理解して覚えることを意識しましょう。

やはりただ単語を覚えるというのは、うろ覚えになってしまう箇所が出てしまいます。何度も繰り返し、覚えるのが苦手な単語は、背景も理解し、時間をかけて覚えましょう。

理解が大切なのは「民法」「経済学」

民法、経済学は暗記より理解がとても重要な科目です。むしろ暗記だけで解くのは簡単ではありません。

民法
条文や法学の基礎知識を試されるほか、あらゆる条件にあてはまる条文・解釈や判例を記述する問題が出ます。
民法の過去の事例や使い方、結果を理解していなければならず、暗記だけでは民法の突破は難しいでしょう。
経済学
経済学はグラフや偏微分など、理系の知識が必要になってきます。そのため、暗記のみでの突破が極めて困難です。逆に言えば、経済学は理解さえすれば暗記がほぼ必要ないという利点があります。
経済学の基本は「グラフの理解」。ここを理解したら暗記に頼らず問題を解くことがでます。グラフの理解に時間をしっかりかけ、後は過去問や問題集をひたすら解いていきましょう。

「財務会計論」は簿記の学習が生きる

財務会計論の合格難易度は、簿記一級レベルといわれています。簿記を取得している方は、学習のしやすい科目です。

この科目では複数の会計処理が用いられるので、一つの処理を理解するだけではいけません。各処理が独立した作りになっているため、一つひとつ丁寧に学習しましょう。

とはいえ、会計学の基本を理解しなければ他の処理学習を理解するのは困難です。まずは基本となる収益と費用から理解し、貸借対照表、損益計算書と順に学習しましょう。

会計処理は各項目につながりがあります。その点も意識するとより効率的に学べるでしょう。

論文式対策には何をすればいい?問題演習できる環境を作ろう

論文式試験の合格率からわかる通り(合格率14%)大変難しく最大の難所です。

短答式試験を突破してもここでつまずく人も少なくありません。対策に力を入れて突破しましょう。

問題を解いたら解説を読み込もう

論文式試験の学習方法は、問題を繰り返し解くことがおすすめです。

以下のように学習するとよいでしょう。

  1. 基本知識の暗記
  2. 論文構成の繰り返し
  3. 論文を書く
  4. 答礼をもらう

ひたすらこの繰り返しが必要です。過去問のテーマを活用しましょう。

このやり方では、一人での学習が困難です。そのため、知り合いや講座を利用して答礼をもらいましょう。なかなか難しいですが、知り合いに資格保持者がいればその方に見ても一つの手段です。

論文対策のみ講座を受講するのもおすすめ

論文対策を一人で学習するのは簡単ではありません。基礎を身に着けて論文を仕上げても、答礼で正確な修正をもらえないので、講座を利用するのがよいでしょう。

お金が少々かかってしまいますが、論文に関しては出し惜しみをせず受けることをおすすめします。

不動産鑑定士試験対策の独学が不安?おすすめ講座を紹介

おすすめ講座

論文式試験では講座をおすすめしましたが、短答式試験の学習も独学で行うのに不安を抱える人も多いのではないでしょうか。モチベーションの維持も大変ですし、勉強方法を調べるのも時間を取ってしまいます。そんな方におすすめするの講座を2つ紹介します。

始めやすさ重視なら「LEC東京リーガルマインド」

いざ通信講座を始めようとしても、敷居が高く感じるかもしれません。

この「LEC東京リーガルマインド」ならコース選択もあり自分に合った学習スタイルが選べます。他の講座より受けやすいのでおすすめです。

初心者向けコース一覧

コース名受講料※回数平均学習時間特徴
短答+論文フルコース400,000円166回2,000~2,500時間効率よく短答・論文ともに合格を目指せる
短答+論文基礎コース320,000円122回1,200~1,500時間バランス良く基礎を学習できる。時間も作れる
短答スーパー練習コース73,500円27回200~300時間独学、もともと知識のある方におすすめ
※基本的な受講料になります、書籍や代理店書籍の選択により変わることもあります。

実績で選ぶなら「資格の学校TAC」

確実に合格したい、正確な学習をしたい、基礎からじっくり学びたい方は「資格の学校TEC」がおすすめ。教材についても受講者から好評をもらっています。

初心者向けコース一覧

コース名受講料※回数おすすめの方
10ヶ月本科491,000円157回1年で合格を目指す方
1.5年L本科Plus524,000円183回2年~3年をかけて合格を目指す方
短答本科生189,000円49回短答試験の合格を目指す方
※基本的な受講料になります、書籍や代理店書籍の選択により変わることもあります。

不動産鑑定士試験に合格したら?ダブルライセンスを目指そう!

ライセンス

不動産鑑定士には相性の良い資格があります。資格によっては、不動産鑑定士の知識を生かせるものもあります。資格を取得した後にダブルライセンスを目指してはいかがでしょうか。

おすすめの資格は以下の通りです。

  • 一級建築士
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 司法書士
  • 行政書士
  • 税理士

自分の目指す仕事にあわせて、有効な資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。

不動産鑑定士試験の対策はじっくり時間をかけて臨もう!

学習

この記事では、試験内容や学習方法について解説しました。不動産鑑定士試験は大変難しく、試験も短答式試験、論文式試験と学習範囲が広いです。科目も多く項目に合わせた学習方法が必要になってきます。

一発合格を目指すのも良いですが、学習時間、受験にかける期間に余裕を持たせ、じっくり資格に挑んでみてください。

独学ではモチベーションの維持が難しく、効率よく学習できません。効率的な学習で合格を目指すなら、通信講座を活用しましょう。