人気資格のFP3級は独学で取得できるのでしょうか。また、独学するにあたって、どのくらいの期間でどのように勉強すればよいのか疑問に思う人もいるでしょう。
この記事を読むことで下記の内容がわかります。
- FP3級はどんな資格なのか
- FP3級の試験内容
- 独学で取得できるのか
- 合格に必要な勉強時間
- おすすめ勉強方法
- 独学以外の対策・ツール
あなたに合った方法でFP3級を取得してください。
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FP3級を独学で合格したい!勉強を始める前に知っておくべきこと
FP3級に独学で合格するにはどんなことを把握しておくべきでしょうか。FP3級はどんな資格なのか、難易度、独学で必要な勉強時間、試験の出題形式について詳しくお伝えします。
FP3級とは何を指す?ファイナンシャルプランナー3級のこと
FP(ファイナンシャルプランナー)はお金のスペシャリストです。各々の状況にあったお金の使い方を提案する仕事を担います。FPの資格は、主に「FP技能士」と「AFP・CFP」の2種類です。FP技能士は国家資格、AFP・CFPは民間資格と違いがあり、一般的にFP3級と呼ばれる場合はFP技能士3級のことを指します。
FPが扱うお金の分野は以下の6つです。FP3級試験はこれらの基礎的な知識を問います。
- ライフプランニング…教育、住宅、老後の資金・社会保険や年金のプランについて
- 金融資産の運用…株式・債権・投資信託・外貨預金・退職金の適切な運用について
- タックスプランニング…所得税・住民税・消費税など税金について
- リスク管理…生命保険・損害保険・医療保険について
- 不動産に関する知識…住宅・土地売買、住宅ローンの借り方や返済について
- 相続・事業継承…遺言や相続、資金贈与、会社の経営引き継ぎなどについて
試験主催団体が2種類ある
FP3級の試験団体は2種類あります。 NPO法人「日本FP協会」と一般社団法人「きんざい」です。もともとそれぞれにFPの民間資格を作って認定していました。その後、2002年4月に国家資格「FP技能士」が定められて、両団体が運営を任され、主催団体になっています。
実技試験の内容でどちらを選ぶか決めよう
日本FP協会ときんざいのどちらで資格試験を受けても学科試験の内容は同じです。主催団体によって実技試験の内容が異なります。実技試験で何を受けるのかを選択すると団体が決まる仕組みです。
実技試験の出題形式・出題範囲も異なりますが、実技試験の合格ラインは変わりません。過去問を見て自分が勉強しやすい問題形式を早めに選んで対策を始めましょう。以下、表に主催団体と実技試験の内容をまとめますので違いをチェックしてください。
<主催団体と実技試験の概要>
主催団体名 | 実技試験概要 | 実技試験の問題形式 |
日本FP協会 | 「資産設計提案業務」一択 | 三肢択一問題20問(正答率6割以上で合格) |
きんざい | 「個人資産相談業務」と「保険顧客資産相談業務」のいずれかを選択 | 三肢択一問題15問(正答率6割以上で合格) |
<実技試験の出題範囲>
科目 | 「資産設計提案業務」(日本FP協会) | 「個人資産相談業務」(きんざい) | 「保険顧客資産相談業務」(きんざい) |
ライフプランニングと資産計画 | 〇 | 〇 | 〇 |
リスクマネジメント | 〇 | × | 〇 |
金融資産運用 | 〇 | 〇 | × |
タックスプランニング | 〇 | 〇 | 〇 |
不動産 | 〇 | 〇 | × |
相続・事業継承 | 〇 | 〇 | 〇 |
FP3級は初心者でも独学できる?難易度的には可能!
FP3級取得について、独学のメリット・デメリット、合格率、勉強時間をお伝えします。
独学のメリットとデメリット
独学のメリットは何と言っても勉強するための費用を抑えられることです。かかる費用は書籍程度なので、数千円で済みます。また、FPは国家資格なので試験対策の書籍も豊富です。その中から自分に合ったものを選びましょう。そして、時間や場所に縛られずマイペースに取り組むことができるのもメリットと言えます。
独学のデメリットは、疑問点が出てきた時に質問などのフォローを受けられないことや勉強する習慣づけができないなどの環境面が大きいです。1人で勉強し続けるには意志の強さが必要になるでしょう。
また、FP3 級は基礎的な内容と書いてあったり、簡単だという口コミがあったりして、「ただテキストを読めばわかるだろう」と油断して不合格になってしまう場合があります。適切な勉強量がつかみにくいのもデメリットです。そして、FPで勉強する分野は毎年のように法改正があります。独学だと法改正自体の情報が入ってきにくく改正後の試験問題に対応するのが難しくなるため、注意が必要です。
FP3級の合格率は高め
FP3 級の合格率は40~80%と国家資格の中でも高めです。特に日本FP協会の試験合格率は、学科・実技共に75%を超えています。主婦で家計管理にFPの知識を役立てたいという方や、金融系への就職を考えている学生の方にも取りやすい国家資格です。
日本FP協会ときんざい、それぞれのFP3級の合格率推移から難易度を検証しているFP3級の合格率はどのくらい?FP3級の合格率推移から難易度を検証しますの記事も是非ご覧ください。
独学に必要な勉強時間は最短30時間程度
独学でFP3 級取得に必要な勉強時間は最短で30時間程度です。一般的には30~120時間程度と言われていますが、もともと勉強に慣れている方や、知識のある方であればさらに短期間で取得できます。逆に、くまなく理解し、FPの業務に備えたい方であればたくさんの時間が必要でしょう。
自分の効率と実力の付き方を見ながら必要な勉強時間を確保することが重要です。FP3級取得の勉強時間を経験や目的別、試験科目別に解説しているFP3級の勉強時間はどのくらい?10時間で余裕?FP3級の合格率や難易度から定量的にわかりやすく解説します。の記事もご覧ください。
1ヶ月で受験したいなら1日1時間の計算
FP3級に合格に必要な勉強時間を最短の30時間と考えて、1か月で受験したいのであれば、単純計算で1日1時間の勉強時間が理想です。試験は毎年1月、5月、9月の3回行われるので、逆算して勉強計画を立ててください。また、仕事や用事で忙しくなったり、思ったように勉強が進まなくなったりした時に備えて予備時間も設定しておくとよいでしょう。
FP3級試験の出題形式は?マークシート方式!
FP3級の試験は、筆記試験と実技試験に分けられますが、どちらも出題形式はマークシート方式 になっています。ひっかけ問題は少なく、基本に忠実なのが特徴です。以下の表に主催団体ごとの出題形式をまとめます。
主催団体名 | 筆記試験 | 実技試験 |
日本FP協会 | 120分 正誤問題と三肢択一30問ずつ 計60問 マークシート方式 | 60分 三肢択一問題20問 マークシート方式 |
きんざい | 120分 正誤問題と三肢択一30問ずつ 計60問 マークシート方式 | 60分 三肢択一問題15問 マークシート方式 |
FP3級試験の合格基準は?筆記・実技ともに6割以上
FP3級試験の合格基準は筆記試験・実技試験ともに6割以上です。資格試験によっては、受験者の得点上位数パーセントのみが合格になる相対評価を採用しているものもありますが、FP3級試験は絶対評価で、基準以上の得点で合格することができます。努力した分だけ結果に反映されるので自分のペースでしっかり勉強しましょう。
FP3級の独学方法!合格までの流れをチェック!
FP3級を独学で合格するまでの流れをチェックします。
まずは何する?テキストを揃えよう!
「FP3 級を取得しよう」と決断したら、まず試験の内容を勉強するためのテキストを揃えましょう。実技試験の内容に合わせてテキストを日本FP協会対応のもの、または、きんざい対応のものを選ぶのがスムーズです。各主催団体の公式HPや過去問を見て、実技試験をどちらの主催団体にするかあらかじめ決めておくのが良いでしょう。
FP3級合格のためのおすすめ参考書を紹介しているFP3級合格のためのおすすめ参考書を紹介!無料テキストや中古問題集でも大丈夫?の記事もご覧ください。
過去問はマスト!参考書もあった方がいい
FP3級試験は過去問と類似した問題が半分以上出題されることが多いです。出題傾向や優先して覚えるべきことも、過去問から学び取ることができます。3年分くらいの過去問は手に入れておきましょう。
法改正に対応するためテキストは最新版を使おう
法改正が頻繁にある範囲の学習なので、古いテキストだと間違った知識を覚えてしまう可能性があります。中古やもらい物のテキストはできるだけ避け、最新のテキストを手に入れてください。
テキストを揃えたら?ひとまず問題を解いてみよう!
テキストを手に入れたらまず、テキストに載っている問題や学科用の問題集を解いてみましょう。
初めは全体像の把握が大切
問題を解くことで、どんな試験問題が出題されるのか、何を覚えるべきなのか、全体像がつかめます。ただテキストを読むよりも早くポイントを頭に入れられるのがメリットです。
また、テキストを読むなどのインプットだけでは、本当に自分が理解しているのかわかりにくく、「理解したつもり」になる場合があります。問題を解いて理解を確認するアウトプットと両方を繰り返しましょう。
全体像がつかめたら?過去問や予想問題を繰り返そう!
全体像がつかめたら、あとは試験をシュミレーションして問題を解くことを繰り返しましょう。
過去問は最低3周以上を目指そう!
FP3級は過去問と似た出題が多いのでとにかく過去問を繰り返し解くことが大切です。目安としては3周以上繰り返すことを目指してください。間違えたところは解答・解説をよく読み、テキストに戻って復習しましょう。
時間を計って試験本番のように解くのも有効です。時間配分も自然と身につき試験当日も焦らず実力を発揮できるようになります。
苦手なところだけノートまとめするのもおすすめ
苦手なところや間違えた問題のみをノートにまとめると自分専用の参考書になり、試験直前の見直しの時、効率的に勉強できます。テキスト全てをノートにまとめるのは、学習内容を書くことで勉強の習慣がつく人やまんべんなく知識をつけたい人にはおすすめです。
しかし、試験に受かるのが第1の目的の場合は時間ばかりがかかったり、まとめることで「理解したつもり」になってしまったりする場合もあるので注意しましょう。
実技対策は何すればいい?基本的に学科と同じ
実技対策は学科試験との分野がとリンクしているので両方解くことで理解が深まります。筆記試験と実技試験の合格率は実技試験のほうが高いので、筆記試験対策をしっかりしたうえで取り組むと良いでしょう。
実技対策の仕方としては基本的に学科対策と変わりません。問題を解き、間違えたらテキストに戻り、過去問は3周は繰り返しましょう。FPの独学合格の具体的な3つの手順を紹介したファイナンシャルプランナー試験の独学合格に必要な3つの手順の記事もご覧ください。
FP3級の独学が不安なときは?活用できるツールを紹介!
独学でFP3級に合格できるか不安な時はどうしたらよいのでしょうか。活用できるツールをご紹介しますので、参考にしてください。
計画的に取り組みたいなら?通信講座がおすすめ
独学が不安な時は通信講座がおすすめです。今回は顧客満足度NO.1常連のユーキャンのFP講座をご紹介します。試験までのスケジュール管理や添削・質問、提案書の作り方DVDなどサポートが充実しています。
ユーキャンの講座では、スマートフォンで使える「合格デジタルサポートパック」で勉強の進捗と試験までの期間でその日やるべき課題を教えてくれます。Web試験で弱点を洗い出したり、デジタルテキストやメインテキスト6冊分の動画講義を視聴できたり、いつでもどこでも飽きずに勉強できる仕組みが豊富です。きっと続けられるでしょう。
法改正や前回の試験の傾向をいち早く知らせてくれるのも講座を受けるメリットです。添削課題は全8回あり、課題を提出して合格すると、2級受験資格がもらえます。本来であればFP2級を受けるには、FP3級に合格する必要がありますが、FP3級を受けなくても良いので受験料がかからずお得です。FP3 級だけでなく、FP2級も視野に入れている人には最適といえます。
コース名 | ファイナンシャルプランナー(FP)資格取得講座 |
税込み価格 | 64,000円 |
受講形式 | オンライン |
教育給付金制度 | 6か月(12か月までは対応) |
特典や割引 | 調査中 |
受講者の合格率 | |
公式サイト | ユーキャン公式 |
コストを抑えて受験したいなら?FP3級独学系サイト・ブログがおすすめ
「通信講座は費用が高いので手が届かない」、という場合は、FP3級に独学で合格するためのサイトやブログの活用がおすすめです。過去問に繰り返しチャレンジするためのクイズアプリや学習履歴機能、動画講座など「市販のテキストを買わなくても済むのではないか」と思わせるほどのクオリティには驚きます。
質問の答えが必ず得られるとは限りませんが、掲示板があるサイトが存在するのも魅力です。仲間がいる安心感やモチベーションアップに繋がります。通信講座やテキストで勉強するのと並行して独学系サイトやブログをチェックしておくのも良いでしょう。
FP3級に独学で合格するための3つのポイント!
FP3級に独学で合格するためのポイントを3つご紹介します。
①過去問演習を徹底する
過去問と類似した問題が出るので、テキストや問題集よりも過去問を繰り返し行うことを徹底してください。
時間がない場合や、もともと知識がある場合は、過去問を解いて、その後解説やテキストの該当部分をチェックして勉強すると効率的です。それほど実践的な勉強が合格に直結します。過去問は3周は解くようにしてください。
②情報収集を怠らない
FP3級が扱う分野は毎年のように法改正が行われます。古いテキストを使ったり、情報収集を怠ったりすると出題に対応できず失点につながり合格できない場合があるので注意が必要です。また、前回の試験の傾向を継続して出題されるパターンも多いので、過去問も最新のものを手に入れてください。
③挫折しないスケジュール管理を意識する
一般的に独学でFP3級に合格する勉強時間は30~120時間です。自分がもともと知識があるのか、全くの初学者で覚えるのに時間がかかるのかなど自分のタイプや得意科目、不得意科目を見極めましょう。予備時間を設けて心に余裕を持っておくことも挫折を防ぎます。
FP3級の対策をお得に!活用できる制度を紹介
FPの資格講座を受けるときにお得になる制度があります。制度の条件や申請の仕方など詳しく説明していますので、自分が対象になるか、FPの資格講座で教育訓練給付金制度が適用される業者一覧!適用条件やいくら貰えるのか解説しますの記事でチェックしてみましょう。
FP3級を取得した後は?上位試験にも挑戦してみよう!
FP3級に合格すると、FPに関する基礎的な知識がついたということになります。家計の見直しや、保険の使い方など自分の人生や生活に役立てることができるでしょう。しかし、まだまだお金の相談にのって適切なプランニングをするという仕事に就くには知識やスキルが足りません。
就職や仕事探しで活用できるのは上位資格のFP2級以上になります。また民間資格のAFPやCFPもFP3級より上位のFP資格で金融のプロがとるような資格です。実務経験が必要になりますので、金融業界で仕事をする人は取得をおすすめします。
CFPの難易度は?科目別難易度からAFPとの違いまで解説の記事で、FP3級上位資格CFPやAFPについて詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
FP3級は独学可能!過去問演習を徹底しよう
ここまで、FP3級について資格概要、試験について、独学での合格に必要な勉強時間、おすすめ勉強方法、対策・ツールについて詳しくお伝えしてきました。FP3級の独学合格は、徹底的に過去問を繰り返すことで可能です。
最新の情報と過去問を手に入れて、自分の現状やタイプにあった勉強時間を確保しFP3級合格に向け取り組みましょう。また、どうしても独学が不安だという人は、ユーキャンのFP講座が心強い味方になってくれます。ぜひ活用してください。