「技術士試験の合格率が10%以下ってホント?」
「技術士試験の難易度はどれくらいなの?」
このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか。技術士試験を受けようと思っていたけど、試験の難易度や対策方法などがわからない方は多いのではないでしょうか。
これから技術士試験を受けようと検討中の方へ、今回は技術士試験の合格率平均や推移、難易度などを紹介していきます。
- 技術士試験の合格率は?
- 技術士試験部門別の合格率は?
- 二次試験の合格率が低い理由4つ
- 実際の難易度は最難関!
- 独学での合格は難しい!通信講座がおすすめ
- おすすめの通信講座2選
- 技術士試験に合格しやすい人の特徴
コンテンツ
技術士試験の合格率は?平均と推移を表でチェック
技術士試験は第一次試験と第二次試験に分かれており、それぞれに合格する必要があります。それらの試験は技術部門ごとに実施されます。合格率平均やその推移が異なるのでそれぞれの場合に分けて紹介していきます。
- 技術士試験(第一次)全体合格率
- 技術士試験(第二次)全体合格率
技術士試験(第一次)の場合
令和3年度の技術士第一次試験の合格率平均は30%ほどになります。部門によって大きく違いますが、最も受験者数の多い建設部門では合格率28.9%となっています。
過去5年の技術士試験(第一次)合格率の推移は以下のようになります。
年度 | 合格率 |
平成29年 | 48.8% |
平成30年 | 37.7% |
令和元年 | 48.6% |
令和2年 | 43.7% |
令和3年 | 31.3% |
全体の合格率としては45%付近が多いですが、平成30年のように37.7%とかなり落ち込む年もあります。年度により差がありますので、試験の難易度にも差があることがわかります。
しっかりと準備をして試験にのぞみましょう。
技術士試験(第二次)の場合
令和3年度の技術士第二次試験の合格率平均は11%ほどになります。第二次試になると急に合格率は下がり、10人中1人か2人が合格できるかどうかという難易度が高い試験となっています。
過去5年の技術士試験(第二次)合格率の推移は以下のようになります。
年度 | 合格率 |
---|---|
年度 | 合格率 |
平成29年 | 13.3% |
平成30年 | 9.1% |
令和元年 | 11.6% |
令和2年 | 11.9% |
令和3年 | 11.6% |
上記の表からわかる通り、徐々に合格率は下がっていることがわかります。年々、難易度は難しくなっているので、十分な対策が必要になります。
技術士試験の部門別合格率は?気になる部門を詳しくチェック
技術士の試験は、20の各分野における優秀な技術者を、科学技術全般を対象とし技術士として認定する試験です。
ここでは技術士試験を部門別に分けた合格率を、第一次試験と第二次試験のそれぞれの場合で紹介していきます。
技術士試験の第二次試験は筆記試験と口頭試験に構成されています。試験内容が大きく異なるため、各試験ごとに対策が必要です。
特に口頭試験では、知識の有無を確認することではなく、実務に従事する中で応用能力や人柄など、技術士としての適性判断となります。ただし、見落としがちな受験申し込みの内容や申込書に記入していない業務内容など、意外な質問が飛んでくることもあり、これに関しても以下の合格率を参考に、しっかり対策をしましょう。
- 技術士試験(第一次)部門別合格率
- 技術士試験(第二次)部門別合格率
- 技術士試験(第二次)筆記試験部門別合格率
- 技術士試験(第二次)口頭試験部門別合格率
技術士第一次試験の場合
令和3年度の技術士第一次試験の部門別の合格率は以下の通りです。
部門 | 合格率(%) |
---|---|
機械部門 | 34.2 |
船舶・海洋部門 | 68.8 |
航空・宇宙部門 | 47.8 |
電気電子部門 | 33.1 |
化学部門 | 48.4 |
繊維部門 | 53.1 |
金属部門 | 41.4 |
資源工学部門 | 25.0 |
建設部門 | 28.9 |
上下水道部門 | 31.7 |
衛生工学部門 | 35.4 |
農業部門 | 37.0 |
森林部門 | 35.4 |
水産部門 | 23.3 |
経営工学部門 | 44.7 |
情報工学部門 | 55.1 |
応用理学部門 | 26.5 |
生物工学部門 | 38.2 |
環境部門 | 11.3 |
原子力・放射線部門 | 59.4 |
最も高い合格率は「船舶・海洋部門」の68.8%で、最も低い合格率は「環境部門」の11.3%になります。
これらは開催年度によって大きく差があるようです。また、部門別にみても、全体的に前年より合格率は下がってきているので、難易度が上がってきていることがわかります。
技術士第二次試験の場合
では2次試験の部門別合格率はどのようになっているのでしょうか。
令和3年度の技術士第二次試験の部門別の合格率は以下の通りです。
部門 | 合格率(%) |
---|---|
機械部門 | 13.9 |
船舶・海洋部門 | 25.0 |
航空・宇宙部門 | 14.3 |
電気電子部門 | 10.0 |
化学部門 | 17.9 |
繊維部門 | 25.6 |
金属部門 | 26.4 |
資源工学部門 | 12.5 |
建設部門 | 10.4 |
上下水道部門 | 13.2 |
衛生工学部門 | 10.2 |
農業部門 | 11.4 |
森林部門 | 22.8 |
水産部門 | 10.3 |
経営工学部門 | 7.6 |
情報工学部門 | 7.8 |
応用理学部門 | 16.9 |
生物工学部門 | 18.5 |
環境部門 | 11.7 |
原子力・放射線部門 | 14.5 |
総合技術監理 | 14.5 |
最も高い合格率は「金属部門」の26.4%です。前年は船舶・海洋部門の50%が最高合格率でしたので、二次試験の内容もかなり難易度が増してることがわかります。最も低い合格率は「経営工学部門」の7.6%になります。
技術士試験(第二次)の筆記試験の部門別合格率
筆記試験の部門別の合格率は以下のようになります。
部門 | 合格率(%) |
---|---|
機械部門 | 24.2 |
船舶・海洋部門 | 50.0 |
航空・宇宙部門 | 20.5 |
電気電子部門 | 14.1 |
化学部門 | 25.2 |
繊維部門 | 27.5 |
金属部門 | 35.8 |
資源工学部門 | 21.4 |
建設部門 | 11.3 |
上下水道部門 | 16.4 |
衛生工学部門 | 8.3 |
農業部門 | 11.1 |
森林部門 | 25.8 |
水産部門 | 14.4 |
経営工学部門 | 11.8 |
情報工学部門 | 9.2 |
応用理学部門 | 17.8 |
生物工学部門 | 27.3 |
環境部門 | 14.6 |
原子力・放射線部門 | 13.6 |
総合技術監理 | 13.2 |
この表から筆記試験は第二次試験全体の合格率と大きな差がないことがわかります。
技術士試験(第二次)の口頭試験の部門別合格率
口頭試験の部門別の合格率は以下のようになります。
部門 | 合格率(%) |
---|---|
機械部門 | 75.7 |
船舶・海洋部門 | 100.0 |
航空・宇宙部門 | 87.5 |
電気電子部門 | 91.8 |
化学部門 | 96.7 |
繊維部門 | 81.8 |
金属部門 | 100.0 |
資源工学部門 | 100.0 |
建設部門 | 91.1 |
上下水道部門 | 89.2 |
衛生工学部門 | 91.4 |
農業部門 | 95.5 |
森林部門 | 100.0 |
水産部門 | 92.9 |
経営工学部門 | 100.0 |
情報工学部門 | 82.1 |
応用理学部門 | 92.1 |
生物工学部門 | 100.0 |
環境部門 | 92.1 |
原子力・放射線部門 | 100.1 |
総合技術監理 | 95.0 |
この表から口頭試験の難易度はそこまで高くないことがわかります。リラックスした状態で試験を受けられるようにしておきましょう。
技術士試験(第二次)の合格率はなぜ低い?4つの理由
ここまで技術士試験の合格率を見てきました。
かなり高い難易度であり、取得が難しいことがわかります。
では技術士第二次試験の合格率がなぜ低いのでしょうか?
その理由を解説していきます。
- 仕事との両立が難しい
- 試験が広範囲で対策が難しい
- 筆記試験と口頭試験の対策が難しい
- 最低4年の実務経験が必要
1. 長い勉強時間が必要なため仕事との両立が難しい
技術士試験の合格には2000時間の勉強時間が必要だと言われています。
一次試験も含めて、ストレート合格だったとしても、約2年程度の期間が必要と言われています。
スムーズに進んだとしても、第二次試験を受ける方の多くは仕事をしている方が多く、なかなか勉強に時間をさけずに、試験に挑むことになる可能性があります。
実際に二次試験の申込者のうち、約20%は試験を受けないという結果も出ているようです。
2. 試験の出題範囲が広いため対策が難しい
第二次試験になると第一次試験よりも出題範囲が増え、専門的な知識を問うような問題が多くなります。
量で言えば、大学の教科書くらい、と考えるとイメージしやすいでしょう。
現在の社会状況もふまえた広範囲かつ、専門的な知識が必要となりますので、出題範囲を全て網羅して勉強することが難しくなります。
過去問を徹底して行い、その中から学習範囲を見当してから対策をするという流れになります。
3. 筆記試験と口頭試験の対策がしにくい
第二次試験では筆記試験だけではなく、口頭試験もあります。
筆記試験では、知識に加え、問題に対して要求される解答を織り交ぜながら、制限時間内にストーリー展開を作り、手書きで完成させる必要があります。文章の構成力や明確な表現力も必須となります。
また、難易度自体は低いとされる口頭試験でも、自分の経歴や論述試験の答案などの質問を通し、コミュニケーション能力や説明能力を必要とし、通常の学習以外の部分を対策する必要がでてきます。
それぞれの試験対策をしなければいけないので、バランスよく対策の時間をとる必要があります。
4. 受験するためには最低4年の実務経験が必要となる
1次試験については誰でも受験することができます。
しかし、第一次試験に合格しても、すぐに第二次試験を受けられるわけではなく、4年以上の実務経験が必要となります。
さらに総合技術監理部門の場合は7年以上必要となり、実務で忙しく勉強が手に付きづらくなります。
技術士試験の実際の難易度は?合格率以外も考慮して解説
技術士試験の実際の難易度はどれくらいなのでしょうか?
これまで合格率をもとに見てきましたが、他の難関試験と比べてどうなのか?など、別の視点でも難易度を見てみましょう。
- 技術士試験は最難関!
- 受験者のレベルが高い
- 合格率は今後も下がる可能性
技術士試験は関連資格の中で最難関!
技術士という資格は他の国家資格の中でもかなり難しいとされています。
国家資格難易度ランキングを見ても、偏差値70の難関レベルとなっています。
科学技術に関わる技術者のための資格であるため、高い技術や知識を持っていることを証明しなければならず、試験の難易度も高くなります。
また前述の通り、勉強だけでなく、実務に従事する中で応用能力や人柄など、技術士としてのコミュニケーション能力も必要になるため、さらに難易度が上がると言えます。
実務に従事する中で応用能力や人柄など、技術士としての適性判断となります。技術士試験(第二次)は受験者のレベルが高い
第二次試験は第一次試験を合格し、実務経験を積んできたレベルの高い受験生と一緒に試験を受けることになります。
合否の決定基準は点数によるものですが、受験者のレベルが高ければ、当然難易度も高くなります。
二次試験では経験を積んだレベルの高い受験生が多いと比較され、特に、口頭試験では自分の評価が下がってしまう可能性もあります。
技術士試験(第二次)の合格率は低下傾向!平成30年度で10%以下
第二次試験の合格率は上記にも書いた通り、合格率は年々さがってきています。平成30年度では10%以下の合格率となっており、相当な勉強量が必要であることがわかります。
平成30年以降では急激に合格率下がっているため、今後将来的には、8%まで合格率が下がるのではないかと言われているようです。
技術士試験の合格率を上げたい!おすすめ対策方法は?
技術士試験の難易度の高さを見てきましたが、絶対無理なのでしょうか?
これから技術士試験の合格を目指すために、しっかりと対策をすれば決して無理ではないと言えます。
ここではその難易度の高い技術士試験を合格するためにどのような対策をすればいいのか、その方法を紹介していきます。
- 技術士試験は独学での合格は難しい
- 通信講座での対策がおすすめ
- 技術士試験通信講座の選び方
- おすすめの通信講座2選
独学で合格するのはハードルが高い
技術士試験は合格率が10%を下回るような試験となっているので、自分で参考書を買い、独学で合格するのはかなり難しいです。
出題範囲が広範囲なため、まず情報収集にかなりの時間がかかるでしょう。インターネットなどに情報が載っている可能性はありますが、受験者数の少ない技術部門である場合はかなり苦戦する可能性があります。
また、長時間の勉強が嫌になり、途中で断念する人も少なくないようです。独学では自分でモチベーション維持をするのが大変になるでしょう。
特に今までに独学で試験に合格した経験がない方にとっては、より困難になる可能性が高いです。
技術士試験の勉強方法について以下を参考にしてみるのも良いでしょう。
通信講座を受講して対策するのがおすすめ
独学での合格が難しいとお伝えしましたが、
そこで試験対策としておすすめの方法が「通信講座の受講」になります。
通信講座は料金が高く、なかなか手を出せないという方は、キャンペーンやセールを使えば料金を安くできるプランもあるので、ぜひ利用してみてください。
技術士試験のおすすめ対策講座の選び方
技術士の通信講座や予備校は、安価なものでも受講費用が10万円前後と高額になります。複数のサービスを比較してから、一番良いと思うサービスを選びましょう。
通信講座は、勉強する場所や時間に縛られることがなく、ネット環境が整っていれば、スマホやパソコンでいつでも学習できます。仕事の休憩時間や移動中、入浴中など、スキマ時間を利用していつでも勉強できるのが魅力です。
複数サービスの無料講座を受講して、「費用」「サービス」「講師の質の高さ」などを比較してみましょう。
何次試験まで対策できるか確認する
技術士試験の第一次試験と第二次試験があるため、自分が対策したい講座が対象になっているのか確認しましょう。
一次試験は独学で合格を目指す方が多く、実際に独学で合格できる可能性も高いとされています。それは一次試験には過去問に似た問題が出題される傾向が多いことが挙げられます。過去問を購入しひたすら解いて対策することで、独学での合格が可能であると言えます。
これらから技術士試験は二次試験対策の通信講座がメインとなっているものが多いようです。
費用・予算と口コミを総合的に確認する
技術士試験の相場は一次試験対策講座が10,000円台後半~70,000円、二次試験対策講座が90,000円~200,000円です。
決して安い金額ではないため、口コミや各サイトの情報を徹底的に集めて、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
また比較サイトなども多く出ているため、それらも参考にすると良いでしょう。
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通信と通学どちらが適しているか検討する
講座には実際に学校に通う通学と、オンラインなどの通信講座があります。
それぞれに特徴があるため、自分に合ったスタイルを選ぶようにしましょう。
自分一人では不安な方や、仲間と一緒にモチベーションをあげながら頑張っていきたいという方は、スクーリングがついている講座を選ぶようにしましょう。
仕事や通学の合間にしか時間が取れない、マイペースに自分の都合に合った勉強方法を選びたい方は、zoomなどを使用した通信講座を選ぶと良いでしょう。
技術士試験のおすすめ対策講座2選
ここから技術士試験のおすすめ通信講座を2つ紹介していきます。
- アガルート
- スタディング
これまで見てきた、選択方法をもう一度確認してそれぞれの特徴を見てみましょう。
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技術士試験のおすすめ通信講座や講座の選び方については以下も参考にしてみてください。
技術士試験に合格しやすい人の特徴は?2つのポイント
技術士試験に合格できる人とはどんな人なのでしょうか?
実際に合格した人の中には、何度もチャレンジをしてモチベーション維持が大変だったという声もあるようです。
合格を目指すために、その特徴を見ていきましょう。
- 学習計画をしっかりたてている人は合格しやすい
- 技術士になるという意志が強い人は合格しやすい
1.学習計画を立てて勉強時間を継続的に確保しようできる
基本的に試験に合格できる人の共通した特徴は「継続して勉強ができている」ことです。
当たり前のような特徴かもしれませんが、社会人になり勉強するとなると、学生時代よりも勉強時間が取れない人がほとんどです。
その中でどのように時間を見つけ、勉強できるかが合格の鍵となります。
2.技術士になるという強い意志と目的がある
技術士にどれだけなりたいと思っているかも試験の合格に大きく関わってきます。
意志が強ければ自ずと行動につながるので、なぜ技術士になろうとしているのか、その理由を明確にするだけでも勉強へのモチベーションは大きく変わるでしょう。
独学だけでは難しいとお話してきましたが、実際には自身のモチベーションを高く持ち、合格した方もいます。
以下の記事も参考にしてみてください。
技術士試験は合格率が低い!難易度が高いので対策が必須
今回は技術士試験の合格率について、第一次試験と第二次試験のそれぞれの合格率平均や推移を紹介しました。
技術士試験は第一次試験の難易度はそこまで高くないですが、第二次試験の筆記試験の合格率が約10%とかなり難しいことがわかりました。
これから技術士試験の合格を目指す方にとっては、今後合格率がさらに下がってくるであろうこともふまえて、かなり難関となるのではないでしょうか。
しかし、自分に合った勉強方法をみつけ、効率よく通信講座なども利用しながらしっかりと対策をし、強い意志を持ってチャレンジしてみてください。
技術士試験に合格したいという方はしっかり準備をして、のぞむようにしましょう。