医療事務の仕事は、社会に貢献できる大切な役割を担っています。医療現場では、医療スタッフたちが円滑なサービスを提供するために欠かせない存在だからです。
医療事務の資格勉強に取り組むことで現場に必要な知識を吸収していけるので、ぜひ勉強に励んでみてください。
この記事では、メディカルクラークの資格とは何か、勉強方法などの詳細を紹介していきます。これから勉強をスタートさせる方は、自分に合ったものを検討しながら読み進めてみましょう。
スキルアップに資格を取りたい方は、あらためて復習しながら理解度を確認できます。
他の医療事務の資格と一緒に比較していくので、医療事務に関わる資格を選ぶときの参考にしてみてください。
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メディカルクラークとは?
別名「医療事務技能審査試験」と呼ばれる医療事務の資格のことです。メディカルクラークの資格は長い歴史があります。
医療事務の仕事に関心のある方から実際に働いている方が試験に合格しており、実践の場で知識を活かすことが可能です。
病院や福祉施設などで働く事務員は、医療事務と呼ばれる仕事にあたる役割の人が各医療機関を支えています。
メディカルクラークの資格は、医療事務の仕事の「窓口業務」「レセプト業務」に関する知識を身につけられる内容です。
試験に合格するとメディカルクラークの称号がもらえるため、仕事の技術力を証明できる資格になります。
医療事務の資格との違いは主催者と試験概要
メディカルクラークも医療事務の資格であり、大きな違いは特にありません。
試験内容や勉強科目は、問われる内容がおおまかには同じような傾向がありますが、各医療事務の資格によって特徴に違いがあります。
医療事務には、メディカルクラーク以外にも各団体が運営するさまざまな資格があり、以下のような医療事務の資格が人気です。
*医療事務管理士技能認定試験(在宅・インターネット試験あり)
*診療報酬請求事務能力認定試験(カルテの記録やレセプトの知識が身につく)
上記の資格に大きな違いはないため、受験方法や自分が学びたい内容から選んでみましょう。
メディカルクラークの試験内容は?
学科と実技試験にわけられており、それぞれの課題から医療事務に必要な適性を問われます。
学科試験は筆記の択一式、実技試験1は筆記の記述式、実技試験2は点数計算を実施する流れです。
*学科試験(医療事務に関する知識を問われる)
25問、60分
医療保険制度、高齢者医療制度、公費負担医療制度、介護保険制度、医療業務の知識など。
*実技試験1(患者と接するときの対応方法)
2問、50分
*実技試験2(レセプトの計算)
4問、70分
2021年現在は、新型コロナウイルスの影響もあり在宅試験の方式がとられています。在宅試験とは、自宅で試験が受けられるスタイルのことです。
通常の試験とは違い、試験会場に訪れる必要がないため自宅を離れづらい人や主婦の方にも便利ですよ。
試験の勉強時間と期間
メディカルクラークの試験に合格するためには、平均200時間の勉強時間が必要です。
あくまで医療関係の知識がない初心者が前提なので、実務経験がある人なら効率よく時短できます。
1日1〜2時間の対策を進めた場合、約3〜4ヶ月で合格に必要な勉強時間を達成できる計算です。
フルタイムの仕事をしておられる方で休日にまとめて勉強する場合、例えば、試験対策には以下のような一例があげられます。
*仕事をしながら休日に勉強をする人
土日に1日7時間×2日間=14時間×4回の場合は、
⇒一ヶ月に約224時間になり目標が達成可能。
メディカルクラークの試験は毎月1回実施されているため、好きなタイミングで受験できます。
試験勉強の時間ややり方は、あくまで目安なので自分のライフスタイルに合わせてマイペースに始めてみましょう。
メディカルクラークの合格率は?
資格試験の合格率は、おおよそ60〜70%台と言われています。受験者の約3人に1人が受かる計算です。
民間資格の中では取りやすい部類の合格率で、医療事務の知識がない方でも取れます。受験資格はないので、実務経験の有無、年齢や学歴に関係なく受験が可能です。
試験対策にテキストや問題集を読み込むようにして合格を目指しましょう。
他の医療事務の試験合格率と比較
人気のある医療事務の資格について各資格の合格率を比べてみました。
*メディカルクラーク(医療事務技能審査試験):約60〜70%台
*医療事務管理士技能認定試験:約60〜70%
*診療報酬請求事務能力認定試験:約30〜40%台
メディカルクラークと医療事務管理士技能認定試験は、どちらも同程度の合格率なことがわかります。
比べてみると診療報酬請求事務能力認定試験は、民間資格の中では低めの数字です。
カルテやレセプトに関する知識は、計算方法を覚えるのに専門的な医療知識も関わってきます。そのため、初めて勉強をスタートした方は戸惑う点も多く合格率が低い結果です。
メディカルクラーク試験の難易度は?
民間資格の医療事務試験であり、試験対策をすれば初心者の方でも十分合格が狙えます。合格率60〜70%という結果もあり、比較的やさしい難易度です。
ただ、初めて勉強を始めた方がノープランで合格できるわけではないため、暗記や理解を進めてしっかりと対策を進めましょう。
基本的な医療制度や実務内容の理解度を問われる学科試験よりも、レセプトの計算や理解が必要な実技試験のほうがやや難易度は高くなります。
テキストや問題集を使えば合格は難しくないので、興味のある方はぜひ気軽な気持ちでチャレンジしてみてください。
他の医療事務の難易度と比較
メディカルクラークの資格試験は総合的な医療事務の知識を問われるため、比較的やさしい難易度とお伝えしてきました。
人気の関連資格である医療事務管理士技能認定も同じく難易度が低めの民間資格です。
一方、レセプトやカルテの書き方などに特化した診療報酬請求事務能力認定試験は、やや難易度が高めになります。
どちらからの受験も合格は不可能ではありませんが、知識ゼロからスタートするときはメディカルクラークや医療事務管理士技能認定の受験がおすすめです。
メディカルクラーク試験の勉強法は?
試験に合格するためには、独学または通信講座を使う方法がおすすめです。
自分ひとりでも充分できるので、テキストや問題集などを使って対策していきましょう。
他にもスクールで勉強する方法があげられますが、今回は自宅でできる独学と通信講座を中心に見ていきます。
独学におすすめの書籍・参考書
メディカルクラークの試験対策は、自分でテキストや問題集を使う方法で十分合格できます。
丁寧に解説してくれているので、理解できるまで読み込みながら繰り返し問題を解いていきましょう。テキストの種類は、大まかにわけると以下の通りです。
- イラストや図解が豊富なテキスト
- テキストと問題集の両方を網羅した内容
- 問題集のみに特化した内容
- 試験の直前対策に実践する一問一答式など
実際に本屋で手に取ってみたり、インターネットのサイトで見本を見たりして判断しましょう。
以下では、医療事務に関するテキストや問題集をいくつか取りあげてみたのでぜひ参考にしてみてください。
最新・医療事務入門 窓口業務から保険請求,統計業務までの実務知識
医療事務の仕事に欠かせない業務の内容が一通り学べます。最新版の医療に関する法律や診療報酬の内容を理解することが可能です。
色味がつけられてメリハリがあり、写真や図表を使いながら大容量のページでわかりやすく解説してくれています。
文字だけではなく読みやすいテキストを求めている方にピッタリです。具体的な業務内容のイメージをしながら読み進めてみてください。
初級者のための 医療事務【BASIC】問題集
メディカルクラークの試験にも役立つ医療事務全般に関する知識を学べる問題集です。
医療事務に関する試験で出された過去問題が載せられているため、テキストの理解度を確認する意味でも使えます。
上記で紹介した『最新・医療事務入門』と一緒に活用するのもよいかもしれません。
レセプトの計算に関する問題にも広く対応しているので、初めて勉強する方も安心して利用できます。イラストや図解よりも知識を詰め込んで勉強したい方におすすめです。
大手通信講座のユーキャンが販売している医療事務のテキストです。マンガとイラスト付きで勉強に苦手意識がある方も読みやすい仕様になっています。
楽しみながら読めるだけでなく最新の法律や専門知識にも対応しているため、医療事務の勉強の理解もきちんと進められますよ。
医療事務の仕事に就きたい方がどんな現場なのかをイメージしやすくなるはずです。
外来業務に関する知識、レセプトに関する知識など、基本的な知識を無理なく取り入れていきたい方に向いています。
クイズ式QAハンドブック 医療事務100問100答
試験の直前対策から問題集としての活用まで、わかりやすくまとめている一冊です。
穴埋め・三択・○×問題など、テキストからどれだけ知識の覚えているのか確認ができます。
実際に医療事務として働いている方がスキルアップのために資格を取りたいときに復習するのにも便利です。
コンパクトサイズで持ち運びがしやすいため、カフェでお茶を飲みながらの勉強もできます。
問題集だけに特化して知識の定着度を確認できるため、テキストと並行しながら一つずつ解いてみてください。
通信講座
「自分だけで勉強するのは、ちょっと自信がないかも…」という方は、通信講座を使った試験対策の方法がおすすめです。
通信講座とは、テキストや問題集の教材が送られてくる形の勉強スタイルになります。一定の標準勉強期間を設けながら自分のペースで学びを進められるところが利点です。
講座にもよりますが、添削などのサポートを実施してくれる内容もあります。また、わからない用語や問題はメールや電話での質問も可能です。
テキストや問題集を取り寄せる時間も短縮できるので、通信講座の会社におまかせしたい人はぜひ検討してみてください。
ニチイ
通信講座でメディカルクラークの資格が学べるニチイは、厚生労働省が認める教材を使って試験対策に取り組めます。
利用者が多いため、さまざまな人がメディカルクラークの肩書きを取得している人気の資格です。
通信講座では約3ヶ月の勉強期間で合格までの道のりを歩めるので、割引キャンペーンの期間をうまく活用してみてください。
サポート体制が整っているので勉強中から就職のサポートまで幅広く対応してもらえます。
また、ニチイのメディカルクラークが学べるコースには、通学スタイルもあるので自分に合ったほうを選んでみてください。
医療事務の資格全般まとめ
さまざまな団体が医療事務の資格を運営しているので、どれを受けようか悩んでいる方にもう一度内容をまとめてみました。
- メディカルクラーク(医療事務技能審査試験):医療事務の仕事に関する全般的な知識を問われる
- 医療事務管理士技能認定試験:医療事務に関する基本知識が身につく試験を在宅やインターネットで受験できる
- 診療報酬請求事務能力認定試験:レセプトに関する知識を中心に実践的に学べる
どれも受験資格がないため、今まで医療の勉強をしてこなかった方でも思いついたタイミングで試験勉強を始められます。
それぞれ在宅試験、インターネットなどの特徴があるのでぜひ公式サイトで確認してみてください。
まとめ:メディカルクラークの資格は独学や通信講座で合格を目指そう!
メディカルクラークの資格とは何か、勉強方法などの詳細を紹介してきました。医療事務の資格の一つであるメディカルクラークは、独学や通信講座を中心に勉強できます。
メディカルクラークの合格率は60〜70%なので難易度はやさしく、初心者でも対策すれば合格することは可能です。
合格に必要な勉強時間は約200時間、約3〜4ヶ月ほど必要になります。1日辺り1〜2時間勉強すると到達できるので、忙しいなかでも無理なく進められるはずです。
メディカルクラークの試験は毎月実施されているので、マイペースにゆっくり勉強しましょう。
医療事務に関わる資格を取って仕事につなげられるようにぜひ応援しています!
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