「技術士試験の合格に必要な勉強時間はどれくらい?」
「どの科目にどれくらい時間を使えばいいの?」
「どんな勉強をすればいいの?」
この記事をご覧の皆さまは、このようにお悩みではないでしょうか。
必要な勉強時間が分からないと計画が立てにくく、スケジュールも組めないですよね。また時間だけでなく、勉強方法が気になる方も多いと思います。
そこで、この記事では技術士試験に必要な勉強時間や科目ごとの時間配分、おすすめの勉強方法をお伝えします。
勉強時間を知りたい方や、計画作成にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
コンテンツ
技術士試験の内容は?
技術士試験は第一次と第二次の2回の試験に分かれており、内容も変わります。
ここでは、それぞれについて解説します。
1. 第一次試験では基礎・適性・発展の3科目を受験
第一次試験は筆記試験のみです。マークシートの択一式となっており、技術士の基礎的な知識が問われます。
試験内容は
- 基礎科目
- 適性科目
- 発展科目
の3科目です。発展科目は20ある技術部門から1つ選んで受験します。
2. 第二次試験では筆記と口頭試験を受験
第二次試験の内容は
- 筆記試験
- 口頭試験
の2つです。
筆記試験は記述式となり、主に課題解決能力やリーダーシップなどが問われます。
技術士試験の勉強を始める前に知っておくべきポイント3つ
技術士試験の勉強を始める前にしっておくべきポイントが3つあります。
そのポイントは
- 技術士試験の難易度は非常に高い
- 第二次試験は第一次試験の合格者のみが受験できる
- 勉強方法や時間は受験する部門ごとに異なる
の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
1. 技術士試験の難易度は非常に高い
令和2年度の第一次試験の合格率は43.7%、第二次試験の合格率は11.9%でした。
第一次試験はそこまで難易度は高くないともいえますが、第二次試験まで合格するのは非常にむずかしいです。
2. 第二次試験は第一次試験の合格者のみが受験できる
第二次試験を受験するにあたっては条件があり、
- 技術士第一次試験合格者または指定された教育課程の修了者
- 4年~10年(部門による)の実務経験
の全てを満たす必要があります。
3. 勉強方法や時間は受験する部門ごとに異なる
技術士試験は全部で20もの部門があり、部門ごとに別の試験がおこなわれます。
内容や合格率も部門ごとに違うため、勉強方法や時間も変わるということを知っておく必要があります。
技術士試験の勉強時間は?
ここからは技術士試験の勉強時間について解説します。
総合的な勉強時間は1100〜2000時間
技術士試験の合格に必要な時間は、概ね1100~2000時間といわれております。しかし、仕事をしながら勉強している方も多く、人によっては2000時間以上の時間が必要になる場合もあります。
1100時間以上もかかる理由は、技術士試験の範囲がとても広いためです。さらに、勉強を進めている途中で、最初に勉強した内容を忘れていまい、結果として同じ内容をふたたび勉強することになる場合が多いためです。
第一次試験に合格するための勉強時間は約200時間
とても多くの勉強時間が必要な技術士試験ですが、その中で第一次試験合格に必要な時間は約200時間といわれております。
第一次試験は免除される場合もある
上でも少し触れましたが、指定された教育課程の修了者は第一次試験が免除されます。
指定された教育課程とはJABEE認定コースを指し、大学や高専の学科やコースなどに認定されております。
第二次試験に合格するための勉強時間は約900時間
第二次試験合格に必要な勉強時間は、一般的に約900時間といわれております。
第一次試験と違い、記述式で決まった答えがない問題もあり、とても広い範囲の勉強が必要なためです。
また、働きながらの勉強となるので、効率的な勉強がむずかしいという理由もあります。
技術士第一次試験の勉強方法
ここからは第一次試験の各科目ごとの勉強方法を3つご紹介します。
1. 基礎科目:参考書を3周して過去問を解く
基礎科目は5つの分野からそれぞれ6問が出題されるため、範囲がとても広いです。
そのため、分からない箇所を1つづつ勉強すると、時間がたりなくなる場合があります。
そこで、まずは1冊の参考書を3周して、全体の内容をおおまかでもよいので把握することがおすすめです。そうすることで重要なポイントが頭に入ってきます。
その後は過去問を解き、分からない箇所の理解を深めていくことで、効率的に勉強をすすめることができます。
2. 適性科目:参考書を2周して技術士としての倫理観を身につける
適性科目の試験内容は技術士法・倫理規定・企業責任など出題範囲は決まっているので、1冊の参考書を少なくとも2周して、中身をしっかりとインプットする方法がおすすめです。
適性科目は考え方や行動が問われる科目であり、第二次試験でも重視されます。
知識の習得とあわせて、技術士としての倫理観とは何かを考えながら内容を勉強していく必要があるでしょう。
3. 発展科目:選択した部門の参考書を2周して過去問を解く
発展科目は重要な科目であるため、他の2科目に比べて解答時間は2倍、配点にいたっては3倍以上の設定がされております。
ご自身が選択した部門の参考書を少なくとも2周して、内容の理解をしっかりと深めるのがおすすめです。
理解が深まったら過去問にも取り組み、試験問題に慣れる必要もあります。
【社会人向け】技術士第一次試験合格までの勉強時間の配分例
ここでは社会人向けに、第一次試験合格までの各科目の勉強時間の配分例をご紹介します。
ただし前述したとおり、今までの経歴や環境によっても変わるので、参考程度にご覧ください。
科目 | 勉強時間 |
基礎科目 | 80時間 |
適性科目 | 50時間 |
発展科目 | 270時間 |
合計 | 400時間 |
技術士第二次試験の勉強方法
ここからは第二次試験の筆記・口頭試験ごとの勉強方法ついてお伝えします。
1. 筆記試験:3つの点を押さえて対策する
筆記試験の勉強は
- 頻出ワードを確認して理解を深める
- 5~10年分の過去問を解いて試験に慣れる
- 通信講座や予備校を活用して添削してもらう
の3点を押さえて、対策する必要があります。
1.頻出ワードを確認して理解を深める
1つめは過去問を参考に、頻出するワードを確認することです。
単に覚えるだけではなく、実際の試験でどのように問われているのかを意識することが重要です。定義を問われることも多いので、頻出ワードに対する理解を深めることも必要です。
また、受験時の社会状況によっても出題が左右されるため、過去問のみではなく最新情報も必ず確認しましょう。
2.5〜10年分の過去問を解いて試験に慣れる
2つめは、問題に慣れることです。
本番を想定し、実際に過去問を解くことで、少しでも試験に慣れておきましょう。ただし情報が古くなっている場合があるので、5~10年分を目安に取り組むことをおすすめします。
くわえて、白書なども読むことで、さらに効率的に知識を得ることができます。
3.通信講座や予備校を活用して添削してもらう
3つめは通信講座や予備校を活用して添削をしてもらうことです。
筆記試験では、自身の言葉で適切に答えを書かないといけません。しかし書いた答えが、他者から見ると分かりにくかったり、試験が求めている答えとずれてしまっていることが多くあります。
そこで、通信講座や予備校を活用して、プロから添削を受けることをおすすめします。
結果として、不足している要素や弱点が明確になり、よりよい解答を書くことができるようになります。
資格講座名 | アガルート | スタディング |
コース名 | 技術士試験|第二次試験合格カリキュラム | 技術士二次試験合格コース |
税込価格 | 32,780円 | 29,700円 |
受講形式 | オンライン | オンライン |
教育給付制度 | 記載なし | あり |
特典や割引 | 合格したらお祝い金3万円+全額返金。模擬口頭試験1回 | 合格で10,000円のお祝い金 |
受講者の合格率 | 記載なし | 記載なし |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る |
2. 口頭試験:3つの点を押さえて対策する
口頭試験の勉強は
- 技術士補としての経歴を説明できるようにする
- 想定質問を考えて練習する
- 筆記試験で記述した内容を見直しておく
の3点を押さえて、対策する必要があります。
1.技術士補としての経歴を説明できるようにする
口頭試験では、業務経歴書を使って試験が進められるので、技術士としておこなった課題解決への取り組みや、経験などを整理しておきましょう。
経歴を整理した上で、しっかり口頭で説明できるように練習しておくことが重要です。
2.想定質問を考えて練習する
口頭試験では、技術士倫理や制度認識などに関する質問が半分の割合で聞かれます。
この2分野は質問が想定しやすく、基礎知識をしっかり定着させれば対策もできるので、徹底的に練習することをおすすめします。
技術士としての知識や理解が問われるので、3義務2責務などの基本的な知識は、必ず自身の言葉で説明できるようにしておきましょう。
3.筆記試験で記述した内容を見直しておく
口頭試験は、筆記試験で記述した内容もふまえておこなわれます。
自身が書いた解答を見直し、口頭でもしっかりと説明できるようにしておくことが重要です。
また、記述した内容をさらに深く掘り下げておくこともおすすめです。
【社会人向け】技術士第二次試験合格までの勉強時間の配分例
ここでは、社会人向けに第二次試験合格までの勉強時間の配分例をご紹介します。
第一次の配分例と同じく、参考程度にご覧ください。
試験内容 | 勉強時間 |
筆記試験 | 480時間 |
口頭試験 | 180時間 |
合計 | 640時間 |
技術士試験の勉強時間は合計で1100〜2000時間で人によって異なる
技術士試験に必要な勉強時間について解説しました。
技術士試験は、一般的に必要な勉強時間は1100~2000時間と言われています。しかし今までの経歴や環境など、人によっても異なります。
今回の記事を参考にしていただき、試験合格までのスケジュール作成のお役に立てください。