新郎や新婦の希望に合わせて幸せな結婚式をプロデュースするウエディングプランナーの仕事に就きたいと思っている人もいるでしょう。
ウエディングプランナーになるには資格は必要なのでしょうか。ここでは、ウエディングプランナーになるための資格の有無から仕事内容、給料なども詳しく解説します。
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ウエディングプランナーに資格は必要?
ウエディングプランナーに資格は必要なのか見ていきましょう。
資格なしでもウエディングプランナーになれる
ウエディングプランナーになるのに必ず資格が必要なわけではありません。資格がなくてもウエディングプランナーになれます。就職先によっては未経験者を受け入れている場合もあります。
例えば、大学、短大、専門学校、高校などを卒業し、ホテルなどブライダル関係の会社に就職し、ブライダルの部門に配属された場合、資格がなくてもウエディングプランナーとして勤務することもあるでしょう。
また、他業種からブライダル関連の会社に転職した場合にも、資格がなくてもウエディングプランナーとして勤務することになる場合もあるでしょう。
業界では有名なウエディングプランナーとして知られている「有賀明美」さんをご存じでしょうか。モデルや女優など、有名人のウエディングプランニングを多数手がけている人です。この有賀さんはウエディングに関係する資格を何も取得していないようです。ご本人曰く「資格を取得する時間が無かった」とか。
このように、業界で知られている有名な人も必ずしも資格を取得しているわけではありません。
資格はプランナーのスキルを証明する手段のひとつになる
ウエディングプランナーは名称独占の業務ではないので国家資格はありませんが、民間資格はあります。
上記の項目(資格なしでもウエディングプランナーになれる)から資格がなくてもウェディングプランナーになれることは理解できたと思います。未経験でもウェディングプランナーとして働くことは不可能ではありません。
しかし最近では、現在ではホテルや観光などの専門学校でブライダルや接客技術について学んでから就職する人が多いです。また、資格を取得する人も増えています。
資格があれば自分の経験やスキルを証明できます。ブライダル関係の仕事に就きたい、将来的にウエディングプランナーになりたいという夢があるのなら、資格を取っておいた方がいいでしょう。
無知のまま業界に飛び込んでも苦労することが多いので、就職後スムーズに過ごすためにも資格講座を通して事前学習すると安心です。また、就職活動の際には取得した資格を履歴書に記載でき、資格があることをアピールできます。
ウエディングプランナーの仕事は人気が高く、多くの人が望んでいるので就職は狭き門です。その中でライバルたちに勝つには、資格の有無です。
資格を持っていることで一歩リードすることができるので、就職や転職の際に有利に働くでしょう。
ウエディングプランナーの資格難易度は高い?
ウエディングプランナーの資格取得を検討している人にとって気になるのが、資格の難易度です。ウエディングプランナーの資格難易度は高いのかを見ていきましょう。
ウエディングプランナーの民間資格はいくつかありますが、ここでは、「ブライダルプランナー検定試験」に標準を当てて見ていきます。
ブライダルプランナー検定は、国際的に最大規模の「全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)」が、ブライダル業におけるプロフェッショナルとしての知識と能力を認定する検定試験です。
受験者数 | 合格率 | |
1級 2013~2020年度 | 4,475人 | 79.0% |
受験者数 | 合格率 | |
2級 2013~2020年度 | 8,689人 | 83.7% |
参照:ブライダルプランナー検定
試験には1級と2級があります。2013年度から2020年度までの平均の合格率を見ると、1級は79.0%、2級は83.7%と、10人に8人程度は合格できるので、あまり難易度は高くないことが分かります。
ウエディングプランナーになるには?|2つのルート
ウエディングプランナーになるためには、以下の2つのルートがあります。
- 大学や専門学校に通ってブライダルを学ぶ
- 資格講座や独学でブライダルを学ぶ
それぞれのルートについて詳しく見ていきましょう。
大学や専門学校に通ってブライダルを学ぶ
ウエディングプランナーとして就職を目指すのであれば、専門学校や大学に通って観光分野全体について学んでおく方法もあります。
専門学校や大学に通うことのメリットは2つです。
- ウエディング分野をはじめ観光産業について学べる
- 就職に結びつく技術を学べる
大学の場合には観光産業の知識のほかに一般教養も学べます。専門学校であれば、ウエディングプランナーになることを前提として授業を行います。ウエディングプランナーとして働く上で役に立つ知識を習得できるのです。
資格講座や独学でブライダルを学ぶ
ウエディングプランナーになるのに、特別必要な資格はありませんが、ウエディングプランナーの知識を増やすために資格講座を受講する人もいます。
また、今現在仕事に就いているが転職でブライダル業界進んでウエディングプランナーになりたい夢がある場合、独学で学んで知識を得ることも可能です。
ウエディングプランナーにおすすめの民間資格と国家検定
ウエディングプランナーにおすすめの民間資格と国家資格があります。
民間資格は以下の2つです。
- 全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)認定ブライダルプランナー検定
- WBJ認定ウエディングプランナー
国家検定は以下の1つで、資格取得によってブライダル全体の実務を網羅していることを証明できます。
- ブライダルコーディネート技能検定
それぞれの資格について詳しく説明します。
民間資格①全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)認定ブライダルプランナー検定
ABC協会認定ブライダルプランナー検定は、国際的に最大規模の「全米 ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)」が、認定する検定試験です。
受験資格はなく誰でも受験できます。
国際的な資格取得を目指しているため、試験内容では、日本のウエディングから海外のウエディングに関することまで聞かれます。
検定の種類は2つです。
- 検定1級
- 検定2級
ABC協会認定ブライダルプランナー検定1級について
費用 | 15,000円(税込) |
受験条件 | 特になし |
試験方式 | マークシート、記述 |
試験月 | 年2回 3月、7月 |
合格率 | 75%以上 |
ABC協会認定ブライダルプランナー検定2級について
費用 | 10,000円(税込) |
受験条件 | 特になし |
試験方式 | マークシート |
試験月 | 年2回 1月、9月 |
合格率 | 84%以上 |
検定1級は、マークシート方式と記述式で、日本と海外ウエディングの実務レベルの問題が出際されます。検定2級は、マークシート方式のみで、日本と海外ウエディングの基礎的な問題が出題されます。
ただし検定2級の合格だけでは、ABC協会の認定資格者にはなれません。検定1級に合格が必要です。検定1級に合格すると、ABC協会の認定資格を申請することができます。
ABC協会の認定資格には全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)認定ブライダルプランナー検定以外に4つの資格があります。
- アシスタント・ブライダルプランナー
- プロフェッショナル・ブライダルコンサルタント
- 上級ブライダルコンサルタント
- マスター・ブライダルコンサルタント
検定の1級に合格すると、アシスタント・ブライダルプランナーへの道が開けます。
アシスタント・ブライダルプランナーには検定1級後に登録申請します。その後、実務経験があれば、プロフェッショナル・ブライダルコンサルタントの資格取得。
またその上に資格である上級ブライダルコンサルタント、マスター・ブライダルコンサルタントなどの資格を取得しステップアップしていくことも可能です。
スキルアップの流れ
- ブライダルプランナー検定1級取得後アシスタント・ブライダルプランナーを申請
- プロフェッショナル・ブライダルコンサルタントの資格取得
- 上級ブライダルコンサルタントの資格取得
- マスター・ブライダルコンサルタントの資格取得
マスター・ブライダルコンサルタントは、ABC協会の中で最高ランクの資格です。
民間資格②WBJ認定ウエディングプランナー
アメリカのブライダル業界団体であるウエディングスビューティフルワールドワイド(WBW)の日本支部がウエディングスビューティフルジャパン(WBJ)です。このWBJが認定する資格がWBJ認定ウエディングプランナー。
通信講座によってブライダルの基礎知識と専門知識を学んで、認定試験を受けた後、試験に合格で資格が取得できます。
WBJ認定ウエディングプランナーについて
費用 | 15,000円(税別) |
受験条件 | WBJ認定ウエディングプランナーの通信教育を修了した人 |
試験方式 | 筆記 |
試験月 | 随時 |
WBJ認定ウエディングプランナーの合格率は公式サイトにも記載されていませんでした。
国家検定 ブライダルコーディネート技能検定
ブライダルコーディネート技能検定は、2018年から新設されたもので、公益社団法人日本ブライダル文化振興協会が実施する国家検定です。
ちなみに、国家検定とは、労働者の技能を評価する国の技能検定制度のことを言います。国家検定に合格しなければ特定の業務に就けないことはありません。その業務に就いている人の技能を判定する制度です。
ブライダルコーディネート技能検定には、以下の3つの級があります。
- 1級ブライダルコーディネート
- 2級ブライダルコーディネート
- 3級ブライダルコーディネート
1級は、ブライダルコーディネーターとしてより高度な職務を遂行できる能力を測ります。ブライダルコーディネーターのプロの中のプロとして活躍したい人におすすめです。
2級は、ブライダルコーディネートに必要な知識・技能・実践力を身についている人です。
3級は、ブライダルに関して基礎的な知識をはかるので、はじめてブライダルコーディネート技能検定を受けるなら、まずは3級から取得することになるでしょう。3級からスタートし合格すれば次のレベルへの受験資格が与えられるという仕組みになっています。
1級ブライダルコーディネートについて
費用 | 学科試験8,000円(非課税)
実技試験24,800円(非課税) |
受験条件 | 次のいずれかに該当する方
・7年以上の実務経験を有する方 ・2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験を有する方 ・ブライダルコーディネーター養成講座を修了し、2年以上の実務経験を有する方 |
試験方式 | 学科試験 筆記試験
実技試験 ロールプレイ・口述試験 |
2,019年度の合格率 | 17.1% |
2級ブライダルコーディネートについて
費用 | 学科試験6,000円(非課税)
実技試験19,800円(非課税) |
受験条件 | 次のいずれかに該当する方
・3年以上の実務経験を有する方 ・3級の技能検定に合格した方 ・アシスタントブライダルコーディネーター検定に合格した方 |
試験方式 | 学科試験 筆記試験
実技試験 ロールプレイ |
合格率 | 22.0% |
3級ブライダルコーディネートについて
費用 | 学科試験4,000円(非課税)
実技試験3,000円(非課税) |
受験条件 | ブライダル事業関連業務に従事している方及び従事しようとしている方 |
試験方式 | 学科試験 筆記試験
実技試験 判断等試験(映像による業務内容の判定) |
合格率 | 70.5% |
ブライダルコーディネート技能検定の試験はいずれのレベルも学科試験と実技試験に分かれており、学科試験3級では全て四肢択一方式の筆記試験ですが、2・1級では記述問題もあります。
2019年度の合格率しか公表されていませんが、3級は10人に7人程度合格できるのに対し、一番レベルの上の1級になると10人に1人~2人しか合格できない非常に難易度が高い試験と言えます。
ウエディングプランナーおすすめ通信講座
ウエディングプランナーに関する資格を取得する際のおすすめ通信講座を紹介します。
全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)認定ブライダルプランナー検定の通信講座
ヒューマンアカデミーは、世界40か国の会員が所属する最大規模の団体「全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)」の認定校です。このため、ABC協会主催の検定においても高い合格率を誇っています。また、各地域のブライダル企業と連携しているので、高い就職実績もあります。
ウェディングプランナー総合コース(1級資格取得)
【オンラインライブ+Eラーニング】 |
受講料 875,600円(税込)
入学金 33,000円(税込) |
ウェディングプランナー総合コース(2級資格取得)
【オンラインライブ+Eラーニング】 |
受講料 737,000円(税込)
入学金 33,000円(税込) |
ウェディングプランナー総合コース
【オンラインライブ】 |
受講料 635,360円(税込)
入学金 33,000円(税込) |
WBJ認定ウエディングプランナーの通信講座
WBJ認定ウエディングプランナーを実施しているWBJでは、通信講座で受講が可能です。通信講座であれば自分のペースで学習を進めることができる為、仕事を抱えている社会人の人から、勉強で忙しい日々を送っている学生にも利用されています。
日本のウエディングプランナー | 16,500円 |
ブライダルコーディネート技能検定の通信講座
Infinity 国家検定「ブライダルコーディネート技能検定」学科試験対策講座
リアルタイム配信では、オンライン会議システム「ZOOM」を使用した授業を行うので、他の受講生の様々な意見をリアルタイムで交換しながら学習できます。
また、見逃し配信動画サービスもあり、リアルタイム授業が終わった後、動画配信ツールを用いて授業の様子をいつでも視聴可能です。
1級学科試験対策講座 夜間コース | リアルタイム受講のみ(ZOOM使用):33,000円
リアルタイム受講(ZOOM)& 配信動画サービス付:49,500円 |
1級学科試験対策講座 昼間コース | リアルタイム受講のみ(ZOOM使用):33,000円
リアルタイム受講(ZOOM)& 見逃し配信動画サービス付:49,500円 |
2級学科試験対策講座 | リアルタイム受講のみ(ZOOM使用):33,000円
リアルタイム受講(ZOOM)& 見逃し配信動画サービス付:49,500円 |
3級学科試験対策講座 | 動画視聴受講のみ:33,000円 |
ウエディングプランナーの仕事内容について
ウエディングプランナーの仕事内容について見ていきましょう。
ウエディングプランナーの仕事内容
ウエディングプランナーは、予算や日取り・衣装・招待状の手配など結婚式のプランニングをします。
さらに、結婚式を予定している新郎や新婦から、結婚式に対しての希望や要望を聞きながら、素晴らしい結婚式になるように最適な案を提案し、アドバイスしたりサポートするのが仕事です。
それぞれのカップルに合った結婚式を提案するために、ブライダルに関する専門知識や企画力が必要ですが、どのような結婚式を希望しているのかを聞き出すカウンセリング能力も必要になる仕事です。
ウエディングプランナーの給料や年収
ウエディングプランナーの給料はどの程度なのでしょうか。求人サイトのインディードで、東京都が勤務地になっているウエディングプランナーの求人を参考に見ていきます。
年収 | 月給 | |
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ | 280万円~450万円 | 165,000円~245,000円 |
ワタベウェディング株式会社 | 280万円~ | [院了]月給215,300円 [大卒]月給210,900円 [専門卒・短大卒]月給197,700円 |
株式会社ブライダルプロデュース | 420万円程度 | 月給270,000円〜 |
株式会社ル・シェル | 19万8000円 | |
アイ・ケイ・ケイ株式会社 | 480万円~560万円 | 243,750円~ |
上記を見ると、ウエディングプランナーの平均年収は、300万〜400万円程度だと分かります。基本的に土日に休みはないこと、仕事量の多さなどを考慮すると、高い給与とは言えませんが、資格取得によってスキルアップし、キャリアを積んでいけば手当がつくので給与のアップも見込めるでしょう。
ウエディングプランナーの資格のまとめ
「人とは違った個性的な結婚式がしたい」「型にはまった結婚式は嫌だ」などと考える人が増えてきているので、結婚式のアドバイスをするウエディングプランナーの需要は高まってきています。
しかし、ブライダル業界で働きたいと希望する人は多いうえに、少子化や晩婚化、結婚式を上げない人も増えてきているので、就職できるのは狭き門です。
ここでは、民間の資格「全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)認定ブライダルプランナー検定」「WBJ認定ウエディングプランナー」と国家検定「ブライダルコーディネート技能検定」の3つの資格を紹介しました。
ブライダル業界は特別な資格がなくても就職することは可能ですが、ライバルたちに差をつけるためには、ブライダルの知識があることを証明でき、即戦力として働けることをアピールできる資格取得がおすすめです。ぜひ、資格取得にチャレンジしてみましょう。