サービス業に関わる方は、自身の接客スキルが店舗の売り上げにも関わるという意識があるかと思います。
会社の一員として日々接客のスキルを磨いて利用者に満足してもらいたいですよね。
自分が顧客の立場になったときも、店員の愛想がよかったり丁寧に対応してもらったりすると安心した経験があるのではないでしょうか?
この記事では、サービス検定に関わる情報を徹底解説していきます。
合格率や難易度、試験日や受験資格を始め、サービス検定を取るメリットから関連資格との比較まで幅広く紹介していきます。
これからサービス業に就きたい学生の方、接客のスキルアップに勉強していきたい方はぜひ参考にしてみてください。
コンテンツ
サービス検定とは?
仕事で人と関わるときに相手が心地よいと感じられるサービスの技術を身につけられる民間資格です。
利用する顧客に心地よい印象を与える対応方法が学べるため、接客対応が利益に結びつきやすいサービス業全般に役立ちます。
店舗に訪れた顧客が「また訪れたい」とリピーターにつながれば、会社の売り上げアップにつながりますね。
接客業や営業など、顧客や取引先と直接関わる職種の人が取得するのに向いており、正式な名前は「サービス接遇検定」と呼びます。
接客に関わる人すべてに役立つ資格
サービス業全般に役立つ資格ではあるものの、取引先と気持ちのいい対応を続ける上では、他のどんな業種にも役立ちます。
資格の勉強を通して例えば、以下の項目が学べますよ。
- 正しい日本語や敬語の使い方
- 状況に応じた正しい電話対応
- 高齢者の方が過ごしやすい施設づくり
- 万引きが起こりにくい環境整備の方法
相手によい印象を与えられる対応方法から、利用する方が安心して過ごせる空間を提供できる知識も身につきます。
サービス検定の各難易度と合格率は?
以下では、資格の難易度と合格率を簡単にまとめました。サービス検定は1~3級にわけられています。
どの級を受けようか悩んでいるときは、ぜひ参考にしてみてください。
*3級
初心者の方が受験しやすい難易度で試験は筆記のみ、合格率は約70~80%台です。学生や社会人の方で、2級と3級どちらを受験しようか悩まれる方の同時受験にもベストですね。
*2級
社会人の方におすすめの難易度で試験は筆記のみ、合格率は約60%台です。初心者の方でも、事前に計画を立てて勉強すれば十分合格が狙えます。
簡単にスキルアップの勉強に取り組みたい方、就職時の履歴書に肩書きとして記載したい方にピッタリです。
*準1級
履歴書のアピール材料に有効活用したい人におすすめの難易度で、合格率は約70~80%台です。準1級は面接試験のみで筆記はありません。
一つずつクリアしたい方は、まずは2~3級に合格してから準1級を目指してみてはいかがでしょうか?
準1級は、準1級面接試験・2級試験両方の合格が必須です。どちらかを先に受験して後からの受験でも問題ありません。
*1級
サービス検定の技術を極めたい人におすすめの難易度で、合格率は約30%前後です。1級は筆記試験に加えて面接があります。
サービス検定の中ではもっとも難易度が高く、筆記と面接の両方から十分に対策しておきましょう。
合格に必要な勉強時間・期間
2・3級は合計約30~60時間の勉強時間が必要とされており、約1~2ヶ月をかけて勉強していきましょう。
準1級は2級にも合格する必要があるため、筆記と面接の対策両方に取り組みます。
1級は筆記と面接対策の時間が必要なため、余裕を持って約2~3ヶ月は勉強時間にあててみてください。
サービス検定の試験日・申し込み日はいつ?
事前にスケジュールを確認しておき、試験日から逆算して必要な勉強日数を確保しておきましょう。
直前になって勉強時間が足りない状況を予防できます。
サービス検定の開催日、申し込み期間のスケジュールは以下にまとめました。
試験日は例年6月・11月・2月に開催
2021年度の開催日と申込期間は、以下の通りです。
*開催日/申し込み期間
- 2022年6月12日(日)/2022年4月7日(木)~5月10日(火)
- 2021年11月6日(日)/2021年9月5日(月)~10月3日(月)
- 2022年2月12日(日)/2021年12月5日(月)~2022年1月16日(月)
※日程が変更になる場合もあるため、詳細は公式ホームページでご確認ください。
受験資格
サービス検定に受験資格は特にありません。1~3級の中から好きなタイミングで受験できます。
受験料
サービス検定の受験料は以下の通りです。
- 1級 6,500円
- 準1級 4,700円
- 2級 3,900円
- 3級 2,700円
滑り止め対策や時短を兼ねて、併願受験したい方は以下の値段です。
- 1・準1級 11,200円
- 準1・2級 8,600円
- 準1・3級 7,400円
- 1・2級 10,400円
- 2・3級 6,600円
- 1・準1・2級 15,100円
- 準1・2・3級 11,300円
試験会場
サービス検定は、北海道・東北・関東・中部・近畿・中四国・九州と沖縄の各ブロックにある会場で実施されています。
住んでいる地域から近い地区のブロックを選びましょう。
試験会場の希望はできないため、受験者数によっては希望ブロック以外の場所、新しく指定された会場で開催の場合もあります。
受験票に書かれた場所をチェックしておきましょう。
試験問題の内容
サービス検定の試験では、各級で主に以下のような内容が出題されています。
- サービススタッフとしての資質(顧客から心地いいと感じてもらえる接客のやり方)
- 専門知識(忘れ物の対応、店舗の環境づくりなど)
- 一般知識(行事や地域に関する知識など)
- 対人技能(言葉遣い、電話対応の方法など)
- 実技技能(在庫に関する対応、料理の正確な置き方など)
また、試験の出題形式は以下の通りです。
- 2級・3級:マークシート方式の選択問題と記述問題
- 準1級:面接試験のみ※
- 1級:記述問題、面接試験
※準1級は、準1級面接試験・2級試験両方の合格が必須。
合格基準
サービス検定は、理論と実技の試験内容にわけられており、それぞれ両方で6割以上正解が合格基準です。
理論の内容:「サービススタッフの資質」「専門知識」「一般知識」
実技の内容:「対人技能」「実務技能」
各詳細について気になる点は、公式のホームページを確認してみてください。
サービス検定は仕事にどんなメリットがある?
資格を取るメリットを事前に把握しておけば、自分にとって必要な内容かの判断材料にもできます。
また、サービス検定の勉強に取り組みたい方にとってはモチベーションを維持しやすくなる利点も。
サービス検定で得られる3つのメリットを簡単に解説しているので、これから受験を目指す方は参考にしてみてください。
①正しい言葉の使い方が学べる
サービス検定では正確な日本語の使い方が学べるため、日頃から使う敬語の正しい知識が勉強できます。
サービスが中心の業種では、利用客の居心地がよくない対応の仕方は基本的にNGです。正しい敬語が学べれば、高齢者や目上の人と接するときにも「信用できる人」という印象を与えられます。
特にホテルマンや銀行の窓口など、対面で接するときに正しい言葉が使えれば失礼のない話し方ができて役立ちます。
サービス検定では、日常生活で使っている言葉を意識して勉強していくことで日本語を使っていて恥ずかしくない話し方ができるようになります。
②顧客や取引先によい印象を与えられる
サービス検定では、接客する上で大事な対応の仕方を学べるため、人と関わる仕事全般に役立ちます。相手によい印象を与えられれば、新しい契約やリピーターにつながり売り上げに貢献できますよ。
また、学生の方なら初めてサービス業に就職する際も、スムーズに接客できる対応方法を社会に出る前から学べますね。
実際に社会人としてサービス業で働くときは、試験で勉強したことを思い出しながら一つずつ自分のものにしていけます。
③面接・就職活動で履歴書に記入できる
サービス検定は、履歴書に書く肩書きとして使えます。資格を通して接客に関するスキルを証明できるため、サービス業が未経験の方は面接時のアピール材料にもできます。
準1級と1級からは面接問題もあるため、実践からも接客スキルを磨けます。学生の方なら面接対策を学ぶことで、就職や転職時の面接練習にもなりますね。
仕事の内容だけでなく、サービス検定は就職活動の肩書きとして使えるメリットがあります。
サービス検定の関連資格と比較してみた
接客に関する資格は他にも多くあります。今回は、サービス検定に近い関連資格についてどんな違いがあるのか調べてみました。以下3つのラインナップを取り上げています。
- 秘書検定
- 接客サービスマナー検定
- レストランサービス検定
ご自身が目指している業種や職種によっては、上記の内容がより仕事にマッチした知識を学べる可能性もあります。
「どちらを受験すればいいの?」と悩まれる方は、ぜひそれぞれの違いを参考にしてみてください。
秘書検定
デスクワーク全般に役立つ資格で、職場内の人間関係調整や仕事を円滑に進める技術が学べます。
秘書やデスクワークの仕事に取り組む上で大切な言葉遣い、常識など、オフィスに関するビジネスマナーが知識として身につきますよ。
秘書検定とサービス検定は、どちらの資格も相手に心地よい対応方法が学べる点では共通しています。ただ、秘書検定は身内の同僚や上司が中心で、サービス検定は顧客との接客が中心の内容です。
サービス検定とどちらを取得していいか悩まれる場合、オフィスでのデクワークの仕事が中心なら秘書検定、顧客の接客が中心ならサービス検定を選んでみてください。
接客サービスマナー検定
サービス検定の関連資格として、運営している会社が違う点があげられます。
どちらも接客サービスが専門的に学べる点で大きな違いはないと考えているので、公式ホームページを確認して自身の好みで判断してみてください。
受験資格はなく、試験は例年4回で2月・5月・8月・11月に開催されています。サービス検定の場合は、例年2月・6月・11月の3回の実施なので、接客サービスマナー検定のほうが開催数は多いですね。
試験では簡単な英語問題も出題されるため、ホテル関係や航空関係など、海外の方と接する機会がある方は勉強につながります。
レストランサービス検定
飲食サービス業で働く方におすすめできる国家検定です。筆記試験と実技試験から、レストランを始めとした接客業に必須の知識が身につけられます。
サービス検定は、心地よく感じる接客を中心に問われる内容でした。一方、レストランサービス検定では、衛生管理や料理全般に関する知識など、レストランで働く上で役立つ知識が身につけられます。
ホテルやサービス業などの接客メインで学びたい場合はサービス検定、レストランを中心に料理や調理に関わる仕事で就職したい方は、レストランサービス検定がおすすめです。
利用する顧客が安心しながら料理が食べられるスキルや振る舞い方が学べます。
接客に関わる資格が就職に役立つ業界・職種について
以下では、サービス検定が役立つ仕事の一覧をまとめました。あなたが働きたい現場に役立ちそうか、転職するときのアピール材料にできそうか確認してみてください。
ホテル・観光業:ホテルの受付、観光案内所の受付など
病院・福祉関係:医療や福祉スタッフ、病院や施設の受付
金融業:銀行や郵便局の窓口業務、営業マン
鉄道や運輸業:鉄道関係の運転手、航空や運輸業界の受付など
人材派遣・サービス業全般:営業スタッフ、営業事務員、コールセンター
美容関係:美容師、美容サロンや化粧品の小売店スタッフなど
ファッション関係:デザイナー、モデルなど
サービス検定の資格を取りたいときの勉強方法
独学または通信講座を使って勉強していきましょう。学生の方は、サービス検定の講座が学校で開かれている場合はそちらを利用してみてください。
「どの勉強方法で受験すべき?」と悩まれる方は、以下の見出しで向き不向きを紹介しています。
独学
サービス検定の勉強にかかる費用を安く抑えたい方に向いています。独学の場合は教材にかかる費用は受験料と書籍代のみで、中古本を安くそろえればさらに節約が可能ですね
初心者の方でも、2~3級はテキストと問題集を使った勉強に取り組めば十分合格が狙える難易度です。
資格の勉強に慣れている方、勉強が得意な方は独学で受験してみましょう。独学おすすめのテキストに関しては以下で紹介しています。
資格の勉強におすすめのテキスト
サービス検定の勉強を独学で進めるときは、早稲田教育出版の公式テキストや問題集で対策してみてください。
各1~3級まで、それぞれの難易度ごとに理解を進められます。問題集は過去5回分の試験内容を掲載しており、試験本番をイメージしながら勉強できますね。
わからない部分は解説を読みながら、テキストに戻って繰り返し復習していきます。
面接対策は『サービス接遇検定 準1級/1級面接合格マニュアル DVD〈改訂版〉』を使いましょう。試験本番までに映像を見ながら、接客に関する正しい対応方法を学べます。
通信講座
初めて資格の勉強に取り組む方、第三者からのサポートがほしい方は通信講座を使う方法もおすすめです。
ユーキャンの通信講座では、サービス検定の準1~3級を対象に約4ヶ月で合格を目指せるプランで勉強が進められます。どの級を受験するかは自由に決められますよ。
模擬試験2回分、各級のテキストや問題集、準1級の面接対策DVDのセット付きで、メールでのサポート体制も整っていてわからない点があっても安心です。
サポート対象は12ヶ月間続くため、それぞれの試験を順番に受験してみるのもアリかもしれません。
どんな内容か詳細が知りたい場合は、無料で資料請求もできるのでぜひ活用してみてください。
サービス検定は接客のプロに必須の知識が身につく
サービス検定に関わる情報を徹底解説してきました。
サービス検定は受験資格がなく、どの級から受験しても構いません。初心者におすすめの難易度は2~3級で、もう少し手を伸ばしてみたい方は準1級を受験してみてください。
試験日は例年3回で、それぞれ6月・11月・2月に開催されています。
サービス検定を取得するメリットとしては、正しい日本語が使えることや相手によい印象を与えられる接客スキルが磨ける点です。
サービス検定の関連資格では「秘書検定」「接客サービスマナー検定」「レストランサービス検定」の内容をそれぞれ紹介したので、どの資格が役立つか悩むときの参考にしてみてください。
接客に関するプロとしてサービス業全般に役立つ資格なので、ぜひサービス検定の受験も検討してみてください。